89 令和3年度補正予算関係 TOPICS投稿まとめ

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 12月20日成立の令和3年度補正予算関係(厚生労働省、経済産業省分)のTOPICS投稿のまとめです。
 

➤ 補正予算でのキャリアアップ助成金、人材開発支援助成金の制度変更(21.12.21)

 今回の補正予算で、雇用調整助成金以外の厚生労働省助成金では、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善で「キャリアップ助成金」に251億円、デジタル人材の育成などで「人材開発支援助成金」に216億円の計上が目立ちます。

 厚生労働省の補正予算事業で、コロナ禍で影響を受けた非正規労働者について、求職支援制度や紹介派遣、民間会社でのカウンセリングや短期間の研修といったツールを組み合わせて支援することで早期の再就職につなげる枠組みができます。

 この事業を活用して再就職した方の処遇改善を支援するのがキャリアアップ助成金の役割といえ、補正予算では2つのコースで制度変更が行われています。

【正社員化コース】

〇人材開発支援助成金の特定の訓練修了後に正社員化した場合の助成額加算措置を新設
 有期→正社員転換は95,000円加算(無期→正社員はその半額)で他の加算措置との併給も可能です。

〇紹介予定派遣労働者の要件緩和措置を延長
 正社員転換後の雇用期間6カ月以上の助成金受給要件を、コロナ禍による離職者の紹介予定派遣(就労経験のない職業に就くもの)では、2か月以上6か月未満に緩和する措置です。もともと令和3年度末までだった緩和期間を延長して、対象者を紹介派遣を利用する求職者全体にまで拡大しています。

【賃金規定等改定コース】

 このコースは、賃金規定を改定するなどして有期雇用労働者の基本給を2%以上増額すると助成対象になります。これまで、基本給の増額対象を事業所内の有期労働者の一部に限定した場合には、すべての有期雇用労働者を対処とする場合の半額程度の助成額でしたが、今回の制度変更により、全事業者対象の場合と同額となりました。
 併せて、これまで、人数区分別に1事業所あたりの支給額としていたのを1人あたりに変更しています。

 

 人材開発支援助成金については、特定訓練コースの対象拡充、特別育成訓練コースの助成限度額引上げ等が行われています。

【特定訓練コースの対象拡充】

 IT技術の知識・技能を習得するための訓練のうち「ITSSレベル2」の訓練について、これまで一般教育訓練(OFF-JTのみ20時間以上で助成対象。経費助成率30%、賃金助成1時間あたり380円)であったものを、特定訓練コースの生産性向上訓練(OFF-JTのみ10時間以上で助成対象。経費助成率45%、賃金助成1時間あたり760円)としました。

 今回の拡充で、IT技術の知識・技能を習得するための訓練のうち「ITSSレベル2~4」が特別教育訓練、レベル1のみが一般教育訓練という形になります。

【特別育成訓練コースの助成限度額引上げ等】

 有期契約労働者を対象とする特別訓練育成コースのうち、一般職業訓練(OFF-JTのみ)、有期実習型訓練(OFF-JT+OJT)について、経費助成限度額の引き上げや、訓練受講者を支給申請時までに正社員化した場合とそうでない場合で経費助成率に差を付けるなどの見直しをしています。

 この見直しで、経費助成率は、正社員化を行い、生産性要件を達成した場合以外はこれまでより低くなり、限度額引き上げとあわせて、経費と時間をかけてレベルの高い訓練を受けさせた事業主にこれまでより手厚い給付がされる形になっています。

➤ 求職者支援制度の特例措置拡充(21.12.20)

 求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者に、無料の職業訓練、月額10万円の職業訓練受講手当をはじめとする給付金、ハローワークでの就職支援を組み合わせて再就職や転職を支援する制度です。

 既にこの制度では、コロナ禍以降にシフトが減少したり、休職をしている方が訓練を受けやすくなるよう、給付金支給要件のうち本人収入要件と訓練出席要件の特例措置、職業訓練コース設定の柔軟化が行われています。


〇 本人収入要件の特例
 シフト制で働く方、自営業・フリーランス、副業・兼業者などで、固定収入が8万円以下の場合、本人収入要件を月 12 万円以下に緩和する。
 また、地方公共団体等にコロナ対策業務などで臨時的に雇用されている方の本人収入要件を月 12 万円以下に緩和する。

訓練出席要件の特例
 訓練欠席の理由として認められる「やむを得ない理由」について、本来は、本人の傷病、天災、求職者面接、本人や親族の冠婚葬祭などに限っていたところに、「仕事で訓練を欠席せざるを得ない日」を追加する。

〇 職業訓練コース設定の柔軟化
 求職者支援訓練の訓練期間について、本来1コース2~6か月であるところ、最低2週間からに緩和する。また、訓練時間についても、月100時間以上、1日5~6時間であるところ、最低月60時間、1日2時間以上に緩和するなど。



 12月20日成立の令和3年度補正予算では、世帯収入や訓練出席の要件緩和、訓練対象者の拡大が追加措置されます。


〇 世帯収入要件の特例
 現在の40万円以下から「25万円以下」に緩和する。

〇 訓練出席要件の特例(追加)
 欠席日が訓練実施日の2割まで認められる。また、やむを得ない欠席日について、給付金の減額は行わない。

〇 訓練対象者の特例
 本来の訓練対象者である再就職や転職のため求人している方に加えて、特例で次の方も対象者とする。
 (雇用保険被保険者は除く)
   ・働きながら訓練を受けて社内での正社員転換などを目指す方
   ・今の仕事に役立つ能力を身に付けようとする方

 これらの特例は、令和4年3月31日までに訓練を開始した方(訓練対象者特例は申込み)が対象となります。

➤ 経済産業省、補正予算で事業再構築補助金に6000億円余りを計上。
  令和4年度も募集継続の予定(2021.12.4/12.21加筆)

 12月20日に成立した令和3年度補正予算の経済産業省関係分は、事業復活支援金が、その事業規模(2 兆 8,032 億円)と、地域・業種問わず、固定費負担の支援としてフリーランスを含む個人事業主まで広く対象とすることから注目されていますが、事業再構築補助金についても、6,123 億円が計上され、令和4年度も引き続き募集が行われる予定となりました。

 中小企業庁発表の予算の概要資料では、事業再構築補助金については、生産性向上の成果目標、事業計画を経営革新等認定支援機関と作成する枠組は変わらず、売上高減少の要件は、「2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」とされています。

 この補助金の創設当初の申請類型(補助枠)は、コロナ禍での事業への打撃の程度や再構築で目指すところなどにより、通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠の4つが設けられていましたが、その後、第3回公募で最低賃金の引上げの支援策として、最低賃金枠、大規模模賃金引上枠が新設されています。

 補正予算成立後(第5回公募以降)の申請類型は、現行のうち通常枠、最低賃金枠、大規模模賃金引上枠に加えて、新設の回復・再生応援枠、グリーン成長枠で5つとなり、制度創設時とは大きく変わります。

 新設の類型のうち、
「回復・再生応援枠」は、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者に対する支援、
「グリーン成長枠」は、研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者に対する支援とそれぞれ説明されています。
 また、グリーン成長枠では、補助上限額が、中小1億円、中堅1.5億円に引き上げられ、売上高減少要件が撤廃されます。


 なお、この補助金の次回、第5回公募は、令和4年1月中に開始される予定です。

➤ 補正予算での業務改善助成金の特例的な拡充 (2021.12.03/12.21加筆)

 12月20日に成立した令和3年度補正予算に業務改善助成金の特例的な拡充(予算:135億円)が盛り込まれました。

 業務改善助成金では、今年度の最低賃金の引き上げ(全都道府県で28円以上、3%以上の増) への対応を支援するため、①今年8月から「45円コース」の新設、②コロナ禍で特に業況が厳しい事業者に限り設備投資の範囲を、乗車定員11人以上の自動車及び貨物自動車等、パソコン、スマホ、タブレット等の端末及び周辺機器(新規導入に限る)まで拡げる措置がお粉変われいます。
 今回の補正予算案での「特例的な拡充」では、助成対象経費を現在の生産性向上に資する設備投資などに加えて、「生産性向上に資する設備投資等に関連する費用」まで拡大することとしています。


 具体例として挙げられているのは、
 〇広告宣伝費
 〇執務室の拡大、机、椅子等の増設
 〇汎用事務機器購入費 等です。


 厚生労働省の助成金としては、他に例がないところまで思い切った内容といえます。

 ただ、対象となる事業者の要件は、
 〇前年又は前々年同期比較で売上高や生産量等の指標が30%以上減少していること
 〇事業場内最低賃金を、令和3年7月16日から同年12月までの間に30円以上引き上げること

であり、いずれも満たすことができる事業者は自ずから限られてくると考えられます。

令和4年1月以降の雇用調整助成金の特例措置について(21.12.01/12.21加筆)

 11月19日に令和4年1~3月の補助率、上限額の特例措置(予定)が公表されていますその後、12月20日成立の令和3年度補正予算で8,222億円が措置され財源の裏付けはできています。

 補助率は、原則的な措置、地域特例、業況特例のすべてで令和3年12月までと同じであり、中小企業の原則的な措置の場合でも、2/3(解雇がない場合は4/5)と、通常の補助率1/2から3割強上乗せされた形です。

 1人1日当たり上限額は、地域特例、業況特例に該当する場合は、15,000円が維持されますが、原則的な措置では、令和4年1~2月が11,000円、同3月が9,000円と段階的に引き下げられ、通常の額である日8,265円(雇用保険の基本手当の日額上限と同額)にかなり近づきます。


 また、業況特例に該当して令和3年12月までに業況の確認をした事業主については、令和4年1月1日以降に判定基礎期間の初日を迎えるものが出てきたときに、業況の再確認を受けることとなります。


  令和4年4月以降については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」に沿って、雇用情勢を見極めながら具体的な助成内容を検討の上、2月末までに改めてお知らせするとしています。