84 令和3年度の最低賃金改定の動きについて~目安は全国一律の28円増~

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 7月16日開催の中央最低賃金審議会(厚生労働省所管の審議会)で、令和3年度の地域別最低賃金額改定の目安を、全国一律28円とする答申が取りまとめられました。

 地域別最低賃金については、東京の中央最低賃金審議会が、都道府県をその経済実態に応じて、ABCDの4ランクに分けて、ランク別の引上げ額の目安を提示して、各都道府県の地方最低賃金審議会でその目安を参考に地域別の最低賃金を決めるという流れになっています。

 昨年度の最低賃金は、コロナ感染症の影響もあり、改定額は全国加重平均で1円の増、引上げ率0.1%で、据え置きの地域も見られました。
 その前は、早期に全国加重平均1,000円までの引き上げを行う政府の方針の下で、2016~19年の4か年は、引上げ額25円以上、引上げ率3%が続いていました。

 今年の引上げ額28円は、昭和53年度に目安制度が始まって以降での最高額、引上げ率も3.1%となっています。
 北海道についてみると、昨年度は据え置きの861円でしたから、目安の額28円で引き上げられた場合は、889円、引上げ率3.25%となります。


  

 全国的に見ても、コロナ前の一昨年、令和元年度の引上げ額の目安は、Aランク28円、Bランク27円、Cランク26円、Dランク26円でしたので、年3%程度の引上げで早期に1,000円を目指す軌道に戻る形となりました。

 今回、全ランク一律28円増となったことで、経済実態から最低賃金が比較的低い地域での引き上げ率がより高くなり、その地域の企業、特に最低賃金近辺でパートや短期雇用を行っている企業にとって大きな負担となります。
 ただ、「賃金の引上げ➤可処分所得の継続的な拡大➤消費の拡大」という経済の好循環を目指す政府の考え方は、揺るぎないものです。また、賃金の引き上げの前提として生産性向上があり、経済産業省関連のみならず、厚生労働省の施策や助成金においても生産性向上が打ち出されている状況です。

 全国加重平均1,000円に達するまでこの先も8%近い最低賃金の引き上げが残されていますし、1,000円を超えてもなおペースを落として引き上げが続く可能性もありますから、企業によっては、その作業、その商品やサービスが本当に必要なのかといったところまで立ち入った対策が必要となってくるものと考えられます。