81 中小企業活性化パッケージ

 今年(2022年)3月4日に、経済産業省、金融庁及び財務省の三省庁連携による中小企業活性化パッケージが発表されました。
 このパッケージには、①コロナ資金繰り支援の継続、②中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援の2つのテーマであわせて10項目以上の関連施策が盛り込まれています。 

  

 このパッケージが組まれた時点での課題であった年度末の目先の資金需要への対応として、経営の安定に支障が生じている中小企業を対象としたセーフティネット保証4号の期限が今年6月1日まで延長され年度末の資金繰り支援等の徹底について、関係各大臣から金融機関に要請が行われました。
  ⇒ その後、セーフティネット保証4号の指定期間は、今年(2022年)9月末まで再延長されています。

セーフティネット保証4号の概要(中小企業庁サイト)はこちらから 

 また、新年度(今年4月)以降の資金需要への対応として、政府系金融機関による実質無利子・無担保融資、危機対応融資について、運転資金の融資期間の20年への延長と、6月末までの延長があわせて行われています。
 そして、日本政策金融公庫の資本性劣後ローンも今年度末(来年(2023年)3月末)まで継続されています。
  ⇒ その後、政府系金融機関での実質無利子・無担保融資などは、今年(2022年)9月末まで再延長されています。

   

経営改善計画策定支援事業
  (通称405事業)

中小企業の収益力改善の支援策として、今年4月から、計画実行段階での認定経営革
 新等支援機関の伴走支援(フォローアップや助言等)を強化して、助成対象経費化し
 ています。
  (→従来から補助対象のモニタリング費用も含む形)

これに加えて、経営者保証の解除に向けた金融機関との交渉に認定支援機関である
 弁護士等を活用する場合も補助対象経費としています。

・補助対象経費ごとの補助率、上限額は
 右表のとおりです。
 このうちDDは、経営・財務及び事業
 の状況に関する調査分析(デューデリ
 ジェンス)の実施費用です。

・この支援事業は、これまで財務上の問題を抱え、自力での経営改善計画等の策定も難
 しいものの、経営改善計画の策定支援を受けることで、金融機関からの支援が見込め
 る中小企業・小規模事業者を対象に実施してきました。
 今年4月から、中小企業の事業再生等に関するガイドラインに基づく計画策定支援が
 「中小版GL枠」として加わりました。(これまでの事業は「通常枠」)
 補助対象経費等は、この投稿記事の「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」
 の項に記載しています。

経 済 産 業 省 補 助 金

・事業再生補助金では、新型コロナウイルスの影響を受け、引き続き業況が厳しい事業
 者や事業再生に取り組む中小企業等の事業再構築を支援する「回復・再生応援枠」が
 設けられ、審査での再生事業者の加点も行われます。

・ものづくり補助金では、一般型のうち通常枠で再生事業者の補助率の2/3への引き
 上げ(通常1/2)と審査時の加点が行われます。
   

経済産業省補助金での「再生事業者」の定義

 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受け、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。

(1)再生計画等を「策定中」の者
(2)再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和元年8月19日以降)に再生計画
   等が成立等した者

  

中小企業再生ファンド

中小企業の事業再生支援として、債務超過企業の債務買取や支援を行う中小企業再生
 ファンドを拡充して、コロナの影響が大きい業種(宿泊、飲食等)を重点支援するフ
 ァンドの組成やファンド空白地域の解消が進められます。

中小企業の事業再生等に
 関するガイドライン

・このパッケージと同日(3月4日)に公表されたもので、平時・有事それぞれにおける
 中小企業と金融機関の対応、私的整理検討時の留意点、再生計画成立後のフォローア
 ップ、中小企業の事業再生等のための私的整理手続が取りまとめられています。
  (→適用開始は4月15日付)

・このガイドラインに基づき経営改善計画策定支援事業(405事業)を実施する場合、
 通常枠とは別枠(中小版GL枠)が適用され、補助上限が700万円に拡大されます。

・補助対象経費ごとの補助率、上限額は
 右表のとおりです。
 このうちDD費用等は、経営・財務及
 び事業の状況に関する調査分析(デュ
 ーデリジェンス)の実施費用です。

このガイドラインでの新しい私的整理手続き

 この手続きは、準則型私的整理手続きの一つで、債務者である中小企業者と債権者である金融機関等の間の合意に基づき、債務返済猶予、債務減免等を受けることにより、その中小企業者の円滑な事業再生や廃業を行うことを目的とするものです。

 適用対象となる中小企業には、債権者への経営や財産状況といった経営情報等を適時適切・誠実な開示をしていること、反社会勢力との関係がないことはもとより、
・再生型の手続では、その企業が収益力低下、財務内容や資金繰りの悪化等を原因とする経営困難な状況
 にあり、自助努力のみによる事業再生が困難であること。
・廃業型の手続きでは、その企業が過大債務を負い、既存債務の弁済が困難な状況、または近い将来にそ
 のような状況となることが確実と見込まれること。また、従業員の転職の機会確保、経営者の創業や就
 業等の再スタートの可能性などから、早期廃業の合理性が認められること。
がそれぞれ求められます。


 2つの私的整理手続のうち再生型私的整理手続では、中小企業者が必要に応じて第三者である支援専門家(弁護士、公認会計士等の専門家でそれらの整理手続を行う適格性の公的認定を受けた者)の候補者を選定します。そして、主要債権者に再生手続検討の旨を申し出て、第三者支援専門家の選任への同意を得ます。(選任には主要債権者すべての同意が必要)
 そして、中小企業者、主要債権者、第三者支援専門家の協力のもと、金融支援や債務減免等を含む事業再生計画案を立案して、原則すべての債権者が参加する債権者会議においてその計画を成立させます。
 計画成立後おおむね3事業年度は、外部専門家や主要債権者が、中小企業者の事業再生計画達成状況等について、定期的にモニタリングを行います。


 ちなみに、このガイドラインでの新しい手続きと従来のものを比較すると以下のとおりとなります。

中小企業の事業再生等に関するガイドライン((一社)全国銀行協会サイト)はこちらから

  

経営者保証に関する
  ガイドライン

再チャレンジの支援として、中小企業の廃業時における経営者の個人破産回避に向け
 て、廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方(3月4日
 公表)で、保証債務整理の申出を受けた場合には、金融機関が誠実に対応するとの考
 え方が明確化されました。

廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方       
((一社)全国銀行協会サイト)はこちらから 

支 援 体 制 の 再 編

・これまでの中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターが統合し、4月から
 「中小企業活性化協議会」に改組されました。
 また、地域金融機関から100名規模のトレーニーを受け入れ、地域の支援専門家の育

 成が実施されます。