77 事業再構築補助金のちょっとした話 1~5

中小企業支援施策/しんどうコンサルコラム/事業再構築補助金
  1. ホーム
  2. 中小企業支援施策
  3. 77 事業再構築補助金のちょっとした話 1~5

 

【メモ1】 SWOTをするときの注意点 (R3.5.18)

 事業再構築補助金の事業計画の検討でSWOTをやるときには、弱み(W)を一番後にすることをお勧めします。弱みは、放っておいてもどんどん出てくることが多いので、まずは、S(強み)を絞り出すことです。
 そして、O(機会)とT(脅威)を余分な評価や感想を交えずに淡々と並べていきます。
 また、SWOTに慣れていない場合には、「〇〇の評価が高い」といった結果をSで並べてしまいがちですが、並べるのはあくまでも、その結果を生み出すのに貢献した要素になります。
 例えば、「××の技術で製造した製品〇〇の評価が高い」という場合には、Sは「××の技術」といった具合です。

 

【メモ2】 事業実施体制 (R3.5.19)

 補助事業実施の社内での役割分担は、どのようになっているでしょうか?
 社長か特定の役員がほとんどカバーするような体制だと、事業計画の実現可能性に「?」マークがつく可能性が高くなります。また、現実問題として、今の仕事に補助事業の仕事を上乗せしてやっていけるかという問題もあります。(特に経営判断に時間をどれだけ割けるのかという視点)
 現在の主力分野を縮小するのですから、社員を再配置して人材育成(将来の役員候補育成)も考えて社内体制を組んで行く方がより現実的です。
 社長や特定の役員が多くを担うのであれば、現在の主力分野でのプレイヤーとしての仕事を大胆に整理して、社員に任せるようにしないと新事業、現在の主力分野のどちらも中途半端になります。人件費は補助対象にならないですが、全額持ち出しになっても新分野に精通した人材を確保しておく方がよろしいです。
 その時、週5日のフルタイム勤務にこだわることなく、リタイアして間もない方や、健康で意欲はあるが介護・子育てなどでフルタイム勤務できない方も視野に入れることをお勧めします。短時間正社員が専門職や管理職になってはいけないということはありません。勤務時間の長短よりも、自社に何を伝えてくれるのか、期間内に成果を出せるのか、コミュニケーションを取れるかの方が重要です。

 

【メモ3】 事前着手 (R3.5.22)

 事業再構築補助金の事前着手は、2回目の公募でも認められましたが、注意することが、いくつかあります。
 1つ目は、事前着手の承認は、本申請の時に、補助対象の事業として事業計画書に載せてよいというのに止まることです。審査をして、評価が高ければ無事採択されるし、評価が低ければ不採択ということは、事前着手をしなかった場合と変わるわけではありません。
 2つ目は、事前着手をした申請案件が不採択となった場合の事業計画をきちんと考える必要が出てくるということです。補助金がなくてもすべてやる予定の事業なので、資金調達には問題はないというのであればよいのですが、そうでない場合は、自己負担額、もしくは調達可能な額での事業計画を検討しておくことになります。
 3つ目は、事前着手の理由などに事業全体がしばられてしまうことです。
 例えば、「事前着手しなければ、新事業での商品、サービスの提供開始が需要期の始まりに間に合わない。本業の落ち込みを考えると、その需要期をフルに取り込んでいかなければ、事業の立ち上がりに悪影響が出て、会社の経営や雇用の維持にも波及する」とした場合は、事前着手部分以外の事業計画も、それに沿った形でスケジュールや実施体制などを組み立てていくことになります。 それができないと、計画に矛盾が生じてしまいます。

 

【メモ4】 補助事業終了後で補助金返還があるケース (R3.5.25)

 事業再構築補助金の活用を考えられている事業主と話しているときによく出てくるのが、「3~5年後の付加価値額年3%アップが達成できなかったときに、補助金の返還やペナルティがあるのか」というものです。
 
 私は、「通常枠では、ありません」と答えています。中小企業の卒業枠や中堅企業のグローバル枠は、2つ合わせても500社、国の採択目標5万社の1%です。そこの話をしてもその事業主の役には立ちません。
 
 その後、続けて話すことが多いのは、
「社長が、補助金抜きで新事業をするときは、最初と見込み違いがあれば、軌道修正をするか、よほど悪ければ、見切りをつけて撤退されますね?」

「もちろんそうだ。」

「補助事業は、その軌道修正や見切って撤退というのが難しいんです。」

「どういうこと?」or「それはそうだろうね」

「補助事業の終了後5年間で事業計画書の事業をやめる場合は。50万円以上で取得したものは、事業をやめた時点の簿価か、譲渡していればその額に補助率をかけた額の返還になります。この補助金は、設備投資がメインの補助金ですから、それなりの返還額になるのではないでしょうか。」
「また、軌道修正についても、微調整ならともかく、大きくハンドルを切るようなのは、事務局の承認を得られないでしょう。」

 その後、必要に応じて、50万円以上の財産取得(設備投資)の際の相見積もりの話などをさせていただきます。

 

【メモ5】 事業再構築補助金とフランチャイズ (R3.5.28)

 事業再構築補助金の公募要領の中で、補助対象とならない経費として、フランチャイズ加盟料が挙げられているので、まとまった件数が出てくるのかと思っていたところ、私のところにも、ぽつぽつと相談がありました。
 確かに、フランチャイズは、自分で一から勉強してやるのとは異なり、営業開始までの道のりは最短距離で進んで行けます。市場調査付きでそのフランチャイズ本部の勝ちパターンを移植してもらえますから、的外れなことをしてしまうリスクも小さくなります。
 ただ、フランチャイズでやる位なので、現在の本業とは全く関係がないか、遠い業種・業態となりがちです。そうなると、現在の本業との相乗効果(シナジー)は期待しにくくなります。
 事業再構築補助金の事業計画は、その会社、ひいてはこれまでの本業の強み、弱みと事業環境の把握をベースにおいて進めていきます。
 ですから、①現在の強みでフランチャイズ事業に生かせるものがあるかどうか、②現在の弱みについて、フランチャイズ事業を実施するために克服するべきものがあるかどうか、フランチャイズ事業では弱味とはならないものがあるかといったところは、明確にしておくことになります。

 

この投稿の執筆者
 札幌・新道東コンサルオフィス代表 塚田 秀和

 元国土交通省の地方機関勤務の国家公務員。役所勤務との二足のわらじでゼロから社会保険労務士、中小企業診断士に挑戦して取得。
 早期退職後、事務所を開き、公務員時代の経験も活かして
「30人までの企業のサポートに特化した町医者コンサル」として、
公的支援の活用から始まる改善コンサルを展開している。

代表 塚田秀和

お問い合わせは、フォーム(推奨)または電話でお願いします。