76 助成金関連のTOPICS投稿まとめ

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➤ 4月からの人材開発支援助成金(22.03.18)

 新年度4月からの人材開発支援助金について、厚生労働本省サイトでリーフレットが公開され、雇用保険法施行規則などの一部改正案への意見公募も行われています。
(以下の内容は、3/18時点での公表資料によるもので、今後変更の可能性があります。)

 4月以降継続されるコースのうち、
 「特定訓練」(正社員に訓練効果の高いものを10時間以上実施)
 「一般訓練」(正社員に職務関連の訓練を20時間以上実施)
 「特別育成訓練」(有期契約労働者など(非正規)の訓練)
の3コースで共通の見直しが行われます。

 具体的には、次の2つです。
 ①「訓練施設の要件の変更」として、事業主・事業主団体の設置施設のうち次の4つの施設を対象から除外
  ・申請事業主(取締役を含む)の3親等以内の親族が設置する施設
  ・申請事業主の取締役・雇用する労働者が設置する施設
  ・グループ事業主が設置する施設で、不特定の者を対象とせずに訓練を実施する施設
  ・申請事業主が設置する別法人の施設

 ②「訓練講師の要件の変更」として、外部講師の要件を次のとおり変更
  ・公共職業能力開発施設などに所属する指導員を追加
  ・指導員免許保有者や1級技能検定合格者以外の者について、「訓練分野の指導員・講師経験3年以上もしくは

   実務経験10年以上」を新たに求める

 現行は、その教育訓練の科目、職種等の内容について専門的な知識・技能を有する者でも可ですから、訓練の質の確保などのための要件厳格化の方向に進んでいます。

 3コース共通の見直し以外のものを見ていくと、

 特定訓練、特別育成訓練両コースでのOJT関連で、助成額の算出方法が、現行のOJT1時間当たり単価による方法から、1訓練当たりの定額制による方法に変更されます。
 なお、支給対象となる訓練の時間数の下限や、1労働者が1年間に受講できる訓練数の変更があるかどうかは、新年度のパンフレット、支給要領での確認待ちの状態です。
 加えて、OJTの訓練指導者1人1日あたりの受講者数が3名までとされますが、これは、前記の外部講師の要件と同じく、訓練の質を確保するためのものと考えられます。

 この他、特定訓練コースでの見直しとしては、
 ① グローバル人材育成訓練(海外関連業務に従事する従業員に対する訓練)の廃止
 ② 特定分野認定実習併用訓練(建設、製造及び情報通信業での認定実習併用職業訓練)に対する経費助成率15%の

   上乗せ措置を廃止して、認定実習併用訓練に統合
 ③ セルフ・キャリアドック制度(雇用者全員へのキャリアの節目ごとの定期的なキャリアコンサルティング実施)

   導入での経費助成率15%上乗せ措置を廃止して、同制度導入を支給要件化
などが行われます。

 ②、③により経費助成率の上乗せ措置はなくなり、特定訓練コースでは、中小企業45%、大企業30%に一本化されます。

 特別育成訓練コースでは、接遇・マナー訓練といった職業人として共通して必要となる訓練が、訓練時間数の50%未満に制限されます。(現行は職務関連の内容であれば制限なし)

 また、中小企業等担い手育成訓練(建設業や製造業などでの業界団体を活用した、Off-JTとOJTを組み合わせた最大3年の職業訓練)が廃止されます。
 該当する訓練について、4月以降は、有期実習型訓練(Off-JTとOJTを組み合わせた2~6か月の職業訓練)の枠組での実施を考えていくこととなります。

 これまで触れた3コース以外では、「教育訓練休暇附与コース」(有給教育訓練休暇、30日以上の長期教育訓練休暇制度の導入・利用への助成)において、
 ① 教育訓練短時間勤務制度の新設
 ② 対象に有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者を追加
の見直しが行われます。

 今回の見直しには、パート・有期雇用労働者法での教育訓練に関する定めや、同一労働同一賃金ガイドラインでの考え方も関係しているものと考えられます。

 教育訓練や学び直しというテーマに関しては、国で「人への投資を抜本的に強化するための3年間で4,000億円規模の施策パッケージ」がセットされ、昨年12月から今年1月にかけて内閣官房HPで施策アイデアの募集が行われています。
 厚生労働省リーフレットでは、その募集での有効と思われる提案を踏まえてメニュー化した訓練を高率助成の対象とするなどの見直しを行うことを検討するとしています。

➤ 産業雇用安定助成金、創設から1年で対象者1万人超(22.03.06)

 在籍型出向により労働者の雇用維持に取り組む事業主を支援する「産業雇用安定助成金」の対象者が、昨年2月の創設から1年で1万人を超えています。

 この助成金では、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動を一時的に縮小する中での雇用維持と出向元企業への復帰を前提として、出向元事業主および出向先事業主が負担する賃金、教育訓練および労務管理に関する調整経費などについて一定の割合を助成金として支給します。


 助成金の実施計画書ベースで、1年間の対象者10,440人、その出向元が1,063事業所、出向先が1,746事業所です。

 企業規模別で出向者の流れを見ると、「中小企業から中小企業」が4割超(43%)を占め、「大企業から大企業」はその半分の2割超(22%)となっています。

 産業別に見ると、出向元は、「運輸業、郵便業」が4割と突出して多く、「製造業」、「宿泊業、飲食サービス業」が1割超で続いています。
 出向先は、「製造業」、「サービス業(他に分類されないもの)」が2割程度ですが、サービス業の方の区分には、職業紹介・労働者派遣業、廃棄物処理業などが含まれています。
 出向者の送り出しと受け入れの差を産業別に見ると、送り出し超過は、「運輸業、郵便業」が最多、受け入れ超過では、「サービス業(他に分類されないもの)」となっています。

 在籍型出向のメリットとして、出向元からは、労働者の勤労意欲の維持、キャリア形成・能力開発、確実に復帰してくることが挙げられています。また、出向先については、4社に3社が人手不足解消と自社従業員の負担軽減と回答しています。
 また、出向後の復帰について出向者者の立場から、「出向が終わっても会社に戻れる保証があったため、安心して出向先で勤務することができた。」という話も出ています。

 先日(2月28日)の報道発表資料で参考に9事例が紹介されていますが、企業のマッチングの方法は、産業雇用安定センターへ相談が多く、他には、出向元企業からの働きかけ、関係しているコンサルタント会社の紹介、事業主同士が知人のケースがあります。
 出向期間中の出向者へのケアについては、情報提供から一歩進めて、出向元から出向先の就労場所を直接訪問する対応をしている事例も見られます。
 また、同業種の企業間の出向では、「中途採用者が教育に数カ月かかるのに対して、出向者は即戦力となった」(受入企業)、「同じ作業工程でも、使⽤する機械などが異なり、技術⾯で得るところが多かった」(出向者)といった声がありました。

➤ 今年4月以降の雇用調整助成金の特例措置について(22.02.27)

 今年4~6月分の雇用調整助成金の特例措置については、今年3月の内容を同じとする予定である旨、厚生労働省本省サイトで今月25日に公表されています。

 具体的には、
 〇 地域特例、業況特例に該当する場合は、

   中小企業、大企業ともに、助成率が4/5(解雇等がない場合は10/10)、
   1人1日当たり上限額が15,000円。

 〇 上記以外の原則的な特例措置は、

   中小企業が、助成率4/5(解雇がない場合9/10)、1人1日当たり上限額
   9.000円。
   大企業が、助成率2/3(解雇がない場合3/4)、同上限額9.000円。

 令和4年7月以降については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」に沿って、雇用情勢を 見極めながら具体的な助成内容を検討の上、5月末までに改めて公表される予定です。

 上記の地域特例の対象となる事業主は、緊急事態措置を実施すべき区域や重点措置区域において、新型インフルエンザ等対策特別措置法の基本的対処方針に沿った知事による要請を受けて営業時間の短縮等に協力する事業主。(遊興施設等、大学、学習塾等、運動、遊技施設、劇場等、集会・展示施設、商業施設で特措法施行令第11条で定めるものに限る。)
 その適用期間は、各区域での緊急事態措置や重点措置の実施期間が終了した月の翌月末まで。


 業況特例の対象となる事業主は、生産指標が最近3か月の月平均で前年又は前々年同期比30%以上減少している全国の事業主です。なお、令和4年4月以降は、毎月業況を確認する取り扱いとなります。
 助成率での解雇等の有無の判断については、原則的な措置、地域・業況特例ともに、令和3年1月8日以降の解雇等の有無で判断します。



 同じ日に小学校休業等対応助成金・支援金について、今年3月と同じ内容で今年6月まで延長する予定である旨も公表されています。

 今年3~6月に取得した特別の有給休暇や仕事を休まざるを得なかった日に対する支給内容は、
 〇 小学校休業等対応助成金(事業主が申請)は、

   助成率10/10で、1人1日当たり上限額は、原則的な措置が9,000円、特例は15,000円。
 〇 小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方が申請)は、

   1人1日当たり定額で、原則的な措置が4,500円、特例が7,500円。

 ここでの「特例」は、緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域に事業所のある事業主等に対するものです。
 また、小学校休業等対応支援金の対象には、小学校休業等対応助成金を活用しない事業主に雇用されている労働者が、休業支援金・給付金の仕組みにより自ら直接申請する場合を含みます。

➤ 2月からの業務改善助成金(通常コース)について(22.02.25)

 厚生労働省の業務改善助成金(通常コース)は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げと、生産性向上のための設備投資やコンサルティングなどを行った事業主に、その設備投資等の経費を助成するものです。
 当初は今年1月末が今年度の申請期限でしたが、3月末まで延長されています。
 また、申請期限延長のリーフレットに、新年度予算成立を前提として、令和4年度においても、「令和4年2月1日からのコース」を、引き続き実施する予定とのコメントがありました。
 これから3月末まででの取組はさすがに難しいですが、次年度を視野に入れてということで、現在の内容を見ていきます。

 この助成金では、最低賃金引上げ額別のコース区分と、賃金を引き上げた人数の組み合わせで支給される上限額が決まりますが、このうち最低賃金引上げ額別のコース区分については、現在、30円、45円、60円、90円の4コースとなっています。  例えば、30円コースの場合であれば、引上げ人数2~3人は上限額50万円、4~6人で70万円、7人以上で100万円です。

 また、①事業場内最低賃金900円未満、②売上高などの指標の直近3ヶ月平均値が前年又は前々年の同じ月に比べて30%以上減少のいずれかを満たす「特例事業者」については、昨年8月に特例で設けられたより上限額の高い「賃金引上げ人数10人以上」の区分での申請も可能です。

 助成対象となる経費は、機械装置などの購入据付費、専門家謝金や旅費、人材育成・教育訓練費、経営コンサルティング経費などで、生産性向上のためのものです。
 機器などの導入事例を見ると、業務用冷凍庫や冷蔵庫、スチームコンベクションオーブン、食器洗浄機、シュリンク包装機、フォークリフト、POSレジシステムや顧客管理システムといったものがあります。
 コロナ禍のもとでニーズの高い宅配用バイクや自転車、非接触型自動検温器、Web会議システムなども対象となります。
そして、前記②の売上高等30%減の要件を満たす特例事業者については、機械装置購入費の機器・設備類の範囲が昨年8月に拡大され、
 〇 乗車定員11人以上の自動車、貨物自動車の購入、製作又は改良の費用
 〇 パソコンの新規購入の費用(タブレット端末やスマートフォン及びその周辺機器を含む)
も対象となります。

 昨年10月に、専門家謝金の上限が5回、人材育成・教育訓練費の上限が50万円に緩和されていますが、その活用事例として、飲食店での多機能レジスターの導入とIT研修、建設業での経営コンサルタントによる社員教育と社内研修、理美容業での団体が実施する教育研修の受講などが挙げられています。

 助成金の支給額は、助成対象経費に助成率を乗じて算出した額で、上限額を超える場合は上限額となります。
 助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金(時給換算)で決まり、900円未満では4/5、900円以上は3/4です。
 仮に平成4年度の地域別最低賃金が今年度と同じ3%程度上昇すると、今年10月以降に900円未満の助成率4/5が適用できなくなる道県(地域別最低賃金900円以上)が複数出てくることが予想されます。

 Q&Aを見ると、外注業務の内製化のための設備投資や、老朽化や破損した機器設備等を同等性能のものではなく、既存のものより高能力のものに置き換える場合なども助成対象になり得ますので、計画的な賃上げが視野に入っているのであれば、活用できるところが多い助成金です。

➤ 小学校休業等対応助成金の個人申請での手続き改善について(22.02.21)

 小学校休業等対応助成金は、子どもが新型コロナ感染症に感染したり、通学する小学校等が休校したために、その子の看病や世話のために仕事を休まざるを得なくなった親を雇用している事業主で、その親に特別の有給休暇(年次有給休暇以外のもの)を取得させた者に支給されるものです。

 事業主がこのような休業について、欠勤扱いとしている場合が問題となります。
 このような場合に、対象となる従業員(労働者)自ら「休業支援金・給付金」として申請する仕組みがあります。(休業支援金・給付金の仕組みによる直接申請)

 その直接申請の手続きの運用が、以下のとおり改善されています。

 まず最初に、対象となる方から各都道府県の労働局に設置されている「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」に、休業の事実があることや有給の休暇として扱われなかったことなどを伝え相談します。

 続いて、相談窓口から事業主に対して以下の①、②の働きかけを順に行います。
 ① 特別休暇制度導入・助成金活用の働きかけ
 ② (①の働きかけに応じない場合に)対象となる方から直接、休業支援金・給付金の支給申請ができるよう必要な

   協力の働きかけ

 事業主が、①、②の働きかけのいずれにも応じなかった場合は、対象となる方からの直接申請について働きかけを行い、
 a) 対象となる方が学校休業などのために休んだこと
 b) 無断欠勤でないこと(上記 a)の休みを事業主として認めたこと)
の2点について確認がとれた場合は、直接申請で「休業させた」として取り扱うことになります。

 そして、上記 a)、b)の確認が取れなかった場合でも、労働局で直接申請を受け付けたうえで、確認を続けていくこととなります。(改善前の取り扱いでは、上記 a)、b)の確認が取れなければ、個人からの直接申請はできなかった。)

 このような取り扱いに変更されるということは、欠勤扱いとして直接申請にも協力しない事業主に関する相談が多くなっているものと考えられます。

 また、厚生労働省のリーフレットにあるQ&Aの回答では、
 〇 助成金について事業主との相談を経ずに労働局に相談することが可能
 〇 休業支援金の支給要件確認書の記載に事業主が協力しない場合には、労働局にそのまま申請書を提出して、

   労働局から事業主に確認を行うことも可能
とされています。

 休業支援金・給付金は、休業手当(平均賃金の60/100以上)が事業主から支払われないことを前提に組み立てられている制度であり、厚労省のリーフレットで言われているとおり、休業手当の支払い義務(労働基準法第26条)の有無の判断を伴うことはありません。
 また、小学校休業等対応助成金や雇用調整助成金のように事業主が休業した日について賃金や休業手当を支払ったことに対する助成とは異なり、事業主の金銭的な負担はありません。

➤ 人材確保支援助成金でのコースの休止・廃止について(22.02.17)

 フルタイムの正規従業員(正社員)などを対象とした雇用環境の整備等の取り組みを行った事業主を支援する人材確保等支援助成金(厚生労働省所管)において、今年3月31日で2つのコースが休止、1つのコースが廃止となります。このうち、休止となるコースは廃止の予定はないものの、再開時期は未定とされています。

 なお、いずれのコースについても、3月31日までに整備計画等を労働局に提出した場合は、計画の認定後、令和4年度に制度整備や改善の実施をして、その他必要な要件を満たせば助成金を受給できます。

 今回休止または廃止される3つのコースの場合、整備計画等の提出は、整備計画期間の開始日からさかのぼって6か月前~1か月前の日の前日までとなっていますので、実務上は3月に計画提出、8月に計画期間開始といったことも可能です。

 以下のコースの内容に合致する労務管理の改善やテコ入れの計画が既にあるのであれば、これらのコースの活用を検討する余地はまだあります。
  

【休止】雇用管理制度助成コース

 雇用管理制度を導入・実施して、その後12か月間の離職率が、計画認定時に示した目標値を達成していた場合に助成金が支給(57万円)されます。

 雇用管理制度は、次の制度のうちから選択します。
 ・新たな諸手当等制度(退職金制度、賞与を含む)の導入
 ・新たな教育訓練制度、研修制度の導入
 ・法定の健康診断に加え、健康づくり制度としてがん検診、歯周病検診、腰痛健康診断などのいずれかを実施
 ・新たなメンター制度の導入
 ・新たな短時間正社員制度の導入(保育事業主限定の項目)
(3月31日で雇用管理制度整備計画の受付を休止)

  

【休止】人事評価改善等助成コース

 人事評価制度と2%以上の賃金のアップを含む賃金制度を整備・実施した上で、3年経過後に生産性の向上、労働者の賃金の2%以上のアップ、離職率の低下に関する目標のすべてを達成した場合、助成金(80万円)が支給されます。
 昨年度までは、当初の人事評価制度と賃金制度の整備と、2%の賃金アップの達成時点でも助成金が支給(50万円)されていましたが、今年度からは3年後の目標達成助成の1回のみとなっています。
(3月31日で人事評価制度等整備計画の受付を休止)

   

【廃止】雇用管理制度助成コース(建設分野)

 建設事業主限定の2つの助成があり、一つは目標達成助成で、上記の雇用管理制度助成コースの目標達成に加えて、若年及び女性労働者の入職率目標を達成した場合に2回にわたり助成金が支給されるものです。(助成額1回目:57万円、2回目:85.5万円)
 雇用管理制度助成コースの整備計画と同時または2カ月以内に雇用管理改善計画の提出が必要です。

 もう一つは登録基幹技能者等の処遇向上支援助成で、建設キャリアアップシステムのレベル4相当に該当する者の賃金引上げを、増額改定整備計画に基づく就業規則等の変更による、賃金テーブルの増額改定もしくは登録基幹技能者等手当の増額改定で行った場合に助成金が支給されるものです。(助成額は登録基幹技能者1人あたり、「10万円/年」以上の処遇向上の場合:6.65万円、「5万円/年」以上の処遇向上の場合:3.32万円)
(3月31日で雇用管理改善計画、増額改定整備計画の受付を終了)

➤ キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)(22.02.08)

 有期雇用労働者である障害者の正規・無期転換については、昨年度までは障害者雇用安定助成金で支援していましたが、昨年3月末にその助成金の整理・統廃合が行われて正規・無期転換の項目は、昨年4月からキャリアアップ助成金に移行して新たに「障害者正社員化コース」が設けられました。

 このコースでは、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者、難病患者または高次脳機能障害者である方が、次の①~③のいずれかの転換を行い、転換後の賃金の支払いで要件を満たした場合に助成対象となります。
 有期雇用、無期雇用のいずれも転換日までの継続雇用期間は6カ月以上です。
 つまり、無期雇用からの転換については、正社員化コースでの継続雇用期間3年以下の要件がないため、通算契約期間が5年を超える者(労働契約法のいわゆる「無期転換ルール」の対象者)でなければこのコースの対象となる転換が可能となります。

 ① 有期雇用から正規雇用(正社員)への転換
 ② 有期雇用から無期雇用への転換
 ③ 無期雇用から正規雇用(正社員)への転換

 なお、就労継続支援A型事業の利用者はこの助成金の支給対象外になります。

 転換後の賃金支払に関する要件は,正社員化コースと大きく異なっています。
 具体的には、転換後最初の6か月(第1期支給対象期間)、次の6か月(第2期支給対象期間)の賃金がいずれも転換前6か月の賃金額と同額かそれ以上であることが要件となります。(賃金アップは求められていない)

 このコースでは、正社員化と同じく、勤務地限定正社員、職務限定正社員および短時間正社員への転換を、正規雇用労働者への転換とみなして助成対象としています。

 中小企業の場合の助成金支給額は、次のとおりでいずれも第1期、第2期それぞれの支給額の合計となります。
(各期ごとに支給申請を行います。)

 a) 重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者
  ① 有期→正規 1人あたり120万円(各期 60万円×2期)
  ② 有期→無期 1人あたり 60万円(各期 30万円×2期)
  ③ 無期→正規 1人あたり 60万円(各期 30万円×2期)

 b) 重度以外の身体障害者及び知的障害者、発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者
  ① 有期→正規 1人あたり 90万円(各期 45万円×2期)
  ② 有期→無期 1人あたり 45万円(各期 22.5万円×2期)
  ③ 無期→正規 1人あたり 45万円(各期 22.5万円×2期)

 上記の支給額が対象労働者に対する賃金の額を超える場合には、その賃金の総額を上限額として支給します。
 なお、このコースでは、加算措置の設定、生産性要件での加算はありません。

 助成対象となる取り組みを行うにあたっては、事前に管轄の労働局に「キャリアアップ計画書」を提出して認定を受ける必要があります。
 この計画書には、計画期間内(3年以上5年以内で事業主が定める)に実施する取り組みを次の7つのコースから1つ以上選択し、対象者の範囲や措置内容などを記載します。
 ・正社員化コース
 ・障害者正社員化コース
 ・賃金規定等改定コース
 ・賃金規定等共通化コース
 ・諸手当制度等共通化コース
 ・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
 ・短時間労働者労働時間延長コース

 この助成金コースでは、有期雇用から無期雇用、無期雇用から正規雇用と2回に分けて転換できますので、例えば、まず、有期雇用から週所定20時間台の無期雇用に転換してから、仕事の習熟の度合いや、継続できるかどうかという視点で1日の所定労働時間と週の勤務日を見極めて、可能であれば限定正社員も含めた正社員化という方法を取ることもできます。

➤ 小学校休業等対応助成金(22.02.05)

 この助成金は、子どもが新型コロナ感染症に感染したり、通学する小学校等が休校するなどしたために、その子の看病や世話のために仕事を休まざるを得なくなった親を雇用している事業主で、その親に有給休暇を取得させた者に支給されるものです。

 支給対象となる有給休暇は、昨年8月1日から今年の3月31日までに取得されたもので、


〇 新型コロナ対応として臨時休業など措置を行った小学校等に就学などして

  いる子ともの世話をその保護者として行うためのもの

〇 小学校等に就学するなどしている子どものうち、新型コロナウイルス感染

  症に感染もしくは感染したおそれがある子ども、日常的な医療ケアが必要
  であったり、感染した場合の重症化リスクが高い基礎疾患を持つ子どもの
  世話をその保護者として行うためのもの
が対象となります。

 世話をする保護者は、親権者に限らず、未成年後見人等で子どもを現に監護する者、そして、子どもの世話を一時的に補助する親族として6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族まで範囲が拡げられています。

 子どもが就学などする「小学校等」の範囲については、小学校、保育園、幼稚園に限らず、認可外保育施設や一時預かり事業なども含めた設定となっています。
 臨時休業などの措置には、小学校等全体の休業のみでなく、学年・学級単位の休業や、オンライン授業、分散登校も含まれます。 

 そして、ここでの有休休暇は、年次有給休暇とは別個の制度であり、休暇取得日の賃金について、年次有給休暇と同等の扱いとする必要があります。(同じ賃金を支払う、勤務したものとみなす)
 ですから、年次有給休暇を取得した場合は、原則では助成金の支給対象外となりますが、対象労働者の同意を得た上で、年次有給休暇や欠勤したものを事後的に対象となる有給休暇に振り替えた場合は、対象となります。

 この助成金では、雇用保険の被保険者でない者についても、雇用関係の確認ができない者や、法人の取締役及び合名会社等の社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員などを除いて、対象労働者となりますし、支給額算出の考え方や方法も雇用保険被保険者のそれと同じです。

 助成金受給の手続きは、受給者である事業主(企業)が行いますが、申請対象となる有給休暇取得者が、雇用保険被保険者である者か、雇用保険被保険者でない者かで書類の様式や添付書類が変わるため、注意が必要です。(それぞれについて、別の助成金制度で対応しているため)
 申請期限は、昨年の11~12月の有給休暇取得分が今年2月末まで、今年1~3月の有給休暇取得分が今年5月末までとなっています。

 支給額は、各対象労働者について、その通常の賃金の日給換算額に有給取得日数を乗じた額となります。
 日給換算額については、有給取得日が属する期間ごとに上限額が定められています。
(例えば、今年1~2月の場合は、1人1日当たり11,000円)
 その他に、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に関連してのより高い上限額も設定されています。

 受給を検討するにあたっては、子どもが就学などする「小学校等」や、臨時休校などの範囲で迷うケースが多くなることが考えられますが、まずは、厚生労働省本省サイトのページ「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について」に掲載されているリーフレットやQ&Aでの確認や、コールセンター(フリーダイヤル:0120-60-3999)のへ問い合わせを早めにしておくことをおすすめします。

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)(22.02.04)

 この助成金コースは、育休復帰支援プランに基づき育児休業の取得や職場復帰への支援を行った事業主を支援するもので、
 ・育児休業時(育休開始前から育休3か月目まで)
 ・職場復帰時(それ以降職場復帰6か月後まで)
 ・代替要員確保時(事業所内職員や新規雇用による代替要員の確保)
 ・職場復帰後支援(子育て支援の制度整備)
の4つの取り組みへの助成と関連する加算措置から成っています。

 対象となる事業主には、
 ・中小企業事業主であること
 ・育児・介護休業法の育児休業制度、育児のための短時間勤務制度を就業

  規則等に規定していること
 ・次世代法の一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局長への届出等

  を行っていること
が求められています。

 ちなみに、対象となる育児休業取得者は、育児休業開始日に雇用保険被保険者として雇用されていた者に限られます。

 まず、育児休業時(育児休業開始後3か月まで)の取組として、対象者の育児休業開始日の前日までに、
 ・育児休業の取得や職場復帰を、プランにより支援する方針の対象者への周知
 ・対象者の上司等と対象者が面談をして、その内容を考慮した育休復帰支援プランを作成し、業務の引継ぎまで
を行います。


 これらに加えて、連続3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業も含める)を取得することが、育児休業時の助成金受給(1人当たり28.5万円、1企業2人まで)の要件になります。

 続いて、職場復帰時(職場復帰後6か月まで)の取組として、
 ・対象者の育児休業中の職務や業務内容に関する情報や資料(業務データ、月報など)の提供
 ・育児休業終了前に対象者の上司等と対象者が面談をして、その後、対象者を休業前と同一部署、かつ同一職務への

  復帰を行います。
 そして、対象者を育児休業終了後6か月以上継続雇用することが、育児休業時の助成金受給の要件(1人当たり28.5万円、1企業2人まで)になります。
 また、育児休業取得者の業務を事業所内の他の労働者が代替して、要件を満たす取り組みが行われた場合には、職場支援加算があります。

 育児休業取得者の業務に対応するため、新たな直接雇用や派遣労働者の受け入れを行い、要件を満たすよう勤務させた場合には、代替要員確保時の助成金支給(育休取得者1人当たり47.5万円)の対象となり、育休取得者が有期雇用労働者の場合は、さらに加算があります。

 そして、職場復帰後支援として、有給・時間単位取得可能の「子の看護休暇制度」や、ベビーシッターや一時預かり保育サービスなどの臨時的・一時的な保育サービスの費用の一部を補助する「保育サービス費用補助制度」を新たに整備して、利用実績があった場合にも、制度導入、休暇取得時間数やサービス費用補助額に応じた助成がなされ
ます。

事業復活支援金の申請受付開始(22.02.02)

 個人事業主や中小法人等を対象とした事業復活支援金(経済産業省 中小企業庁)の申請受付が、1月31日から5月31日の日程で始まっています。

 今回の支援金は、コロナ禍による2021年11月から2022年3月まで(対象期間)の事業収入減少の影響を緩和して、事業継続や立て直しのための取組を支援することを目的としています。
 そのため、支援金給付の対象となるのは、2021年11月から2022年3月まで(対象期間)のいずれか任意の月(対象月)の売上高が、2019年から2021年までのいずれかの年の同じ月(基準月)の売上高との比較で30%以上減少した個人事業主、中小企業等です。
 なお、基準月を含むその年の11月から翌年3月までの5か月を「基準期間」といいます。(例:基準月が2019年12月の場合、基準期間は2019年11月から2020年3月まで)

 コロナ禍の売上高減少への影響の具体例として、個人消費の機会の減少などの需要の減少が5つ、業務上不可欠な財・サービスの調達難など供給の制約が3つ挙げられています。
(例:国や地方自治体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請に起因する個人消費の機会の減少)

 給付額は、「(基準期間の売上高)-(対象月の売上高×5)」の式で算出した額です。
 また、給付額の上限については、個人事業主と、中小企業等は年間売上高別の3区分(1億円以下、1億円超~5億円以下、5億円超)のそれぞれで、「売上高減少30%以上50%未満」と「売上高減少50%以上」の場合の額が設定されています。
 給付額算出方法については、上記の原則の方法の他に、事業承継特例、法人成り特例など特例の方法が7つ設定されています。

 今回の支援金の申請は1対象者、1回限りです。
 現時点(2月上旬)での事業の見通しに基づいて、昨年11月から先月(今年1月)までのいずれかの月の実績により「売上高減少30%以上50%未満」で給付申請した場合に起こりうる問題として、申請以降3月までの実績が見通しよりも大幅に悪くなり、その大幅に悪化した月の実績では「売上高減少50%以上」での給付申請が可能となったということが考えられます。
 そのようなことが実際に起こった場合に、「売上高減少50%以上」と「売上高減少30%以上50%未満」の給付額の差額を後日の追加申請により給付する仕組みが導入される予定です。

 手続面では、登録確認機関による事前確認について、昨年までの一時支援金もしくは月次支援金を受給している場合は、法人成り等がない限り不要となっています。

 今回の支援金では、申請書類の提出パターンが8つに細かく分かれるなどしていますので、事前に該当する事業形態の申請要領での確認が必要です。

事業再構築補助金の第5回公募(22.01.31)

 1月20日に第5回公募が始まり、公募要領なども公開されていますが、内容の主な見直しは3つとなっています。
     

1.新事業売上高10%要件の緩和

 この補助金では、事業再構築で新たに行う事業について全社売上シェアを10%以上とすることを要件としていますが、今回の公募からは、付加価値の全社シェア15%以上でも認められることとなりました。

 この要件緩和により、新事業で狙うニッチな市場の規模や、これから拡大していくことが見込まれる分野への先行投資といった理由で、売上シェアは10%に多少届かなくとも、粗利率は既存商品を大きく上回るようなケースでの取り組みがしやすくなると考えられます。         

 この他の要件緩和では、売上高が10億円以上の事業者が、その企業内の売上高 3 億円以上の事業部門において事業再構築を行う場合には、売上高10%要件はその事業部門の売上高で判断するというものがあります。
  

2.補助対象経費の見直し

 前回の公募までは、建物の単なる購入や賃貸は補助経費の対象外とされていました。
 今回の公募から、工場・店舗の改修や大規模な設備の入替えのために、貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費として、貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等が補助経費の対象に加えられました。

 確かに、このような一時的な貸工場等への移転関連経費は、事業再構築での付加価値創出に直接的には貢献しないものですが、多額になりがちなこれら経費への一定の支援があること、仮工場での生産や仮店舗での販売により新事業開始までのつなぎのキャッシュが確保しやすくなることは、事業再構築への資金確保のハードルを下げることにつながるものと考えられます。
   

3.農事組合法人の対象法人への追加

 事業再構築への一定のニーズがあることから、今回の公募から、農事組合法人が対象法人に追加されています。
 この農事組合法人は、農作業の共同化や生産物の運搬・加工・貯蔵のための共同利用施設の設置、農畜産物の加工などを目的とするものです。
 事業再構築補助金公式サイトの「よくある質問」のうちで関連するものを見る限りでは、この組合法人が行う事業のうち補助対象となるのは、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供といった2次又は3次産業分野の事業であり、加工や料理提供の材料である農作物の生産自体は対象外となります。

 ちなみに、この補助金での対象者は、中小企業者や中堅企業などに限らず、非営利型法人ではない一般財団法人や一般社団法人、医療法人(社会医療法人)なども収益事業を行う場合には対象者となります。

 今回の公募での申請受付開始は2月中旬の予定で締め切りは3月24日となっています。
 来年度の公募継続については、今年度の補正予算で6,000億円超の予算計上がなされています。また、この次の第6回公募では、補助枠の新設・廃止や要件の見直しなど、大きな変更が行われる予定となっています。

令和4年度予算案での厚生労働省助成金を見てみる(22.01.29)

 現在国会で審議中の令和4年度予算案での厚生労働省助成金について、公表された資料から分かる範囲で変更点をいくつか見ていきます。

 ※現時点ではあくまでも予算案であるため、今後、支給要件などが
  変更される可能性があります。
   

両立支援等助成金】

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

 男性社員の育児休業取得などを支援する事業主に対して助成するこのコースでは、これまで大企業(中小企業以外)も対象でしたが、公表資料を見る限りでは、令和4年度以降は「中小企業主」だけが対象となるようです。

 大きな変更点は、助成の体系が、
 ・雇用環境の整備措置、業務体制整備を行い、休業取得の実績が生じた事業主への1回目の助成金支給(第1種)
 ・第1種を受給した事業主を対象に、その後一定の年数で、男性従業員の育児休業取得率を30%以上上昇させた場合
  にその成果達成に対する2回目の助成金支給(第2種)
の2本立てとなったことです。

 このうち第2種については、育休取得率達成に要した期間によって助成額に差が付けられています。
(1年以内が60万円、2年40万円、3年20万円)
 なお、生産性要件での増額は、第2種のみ対象となります。

 第1種については、育児休業取得が一律20万円となっています。また、現行の個別支援加算、育児目的休暇の導入・利用への助成は廃止され、新たに代替要員加算(派遣を含めた代替要員の新規雇用が対象)が助成額20万円(3人以上45万円)で設定されます。

 第1種の要件のうち「育児休業を取得しやすい環境の整備」について、改正育児・介護休業法では、研修の実施や相談窓口設置など4つの取り組みのうち1つ以上の実施を義務付けているのに対して、このコースでは2つ以上の実施を助成の要件としています。
 また、「労使で合意された代替する労働者の残業を抑制するための業務見直しなどが含まれた規定に基づく業務実施体制」は。法で義務付けられているものではありません。
 つまり、法を上回る措置をした中小企業主を支援するコースとなっています。
  

出生休業等支援コース

 このコースでは、育休復帰支援プランを作成し、それに沿って育児休業取得と職場復帰を支援する事業主に対して助成を行います。
 予算案では、現行の「代替要員確保時」の助成が「業務代替支援」に名称変更しています。そして、そのうち「新規雇用」の対象について、現行は事業主が雇用する者に限られていますが、予算案では派遣労働者も含むとなっています。
 また、業務代替支援に、「手当支給等」で10万円支給の項目が追加されています。これは、代替要員を新規雇用することなく、職場内の他の労働者で業務を代替した場合の手当支給などに対するものと考えられます。
 この他予算案では、現行の職場復帰時の「職域支援加算」が廃止されていますが、新たな「手当支給等」の項目と内容が重なる部分があるものと見られます。
   

65歳超雇用推進助成金

65歳超継続雇用促進コース

 定年や継続雇用の上限を66歳以上に引き上げるなどした事業主を助成するこのコースでは、今年度、助成額設定での対象者数(60歳以上被保険者数)ごとの区分が、「10人未満」、「10人以上」の2区分に変更されていました。
 予算案では、現行の「10名未満」の区分が、①「1~3人」、②「4~6人」、③「7~9人」の3区分に再度変更されています。そして、新たな区分ごとの助成額は、③「7~9人」の区分が現行の「10人未満」と同額で、①と②の区分では、③の額から見て人数見合いの額に設定されています。

 例を挙げると、
 ・70歳以上への定年引き上げが、①30万円、②50万円、③85万円
 ・70歳以上への継続雇用の上限年齢引き上げが、①30万円、②50万円、③80万円
となっています。
   

キャリアアップ助成金

正社員化コース

 現行では助成対象となっている「有期雇用から無期雇用への転換」が、予算案では助成対象から外され、有期雇用もしくは無期雇用から正社員(正規雇用)に転換した場合のみが対象となっています。
  

賞与・退職金制度導入コース

 このコースでは、有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入して、支給または積立を実施した事業主を助成します。(令和4年度新設コース)
 助成額は、1事業所あたり38万円で、賞与・退職金の両制度を同時導入した場合は、16万円加算されます。(このコースは生産性要件の対象となります。)
 なお、現行の「諸手当制度等共通化コース」は、令和3年度末で廃止されます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース) (22.01.15)

 キャリアアップ助成金は、パート・有期契約社員の正社員転換や、給与をはじめとする処遇改善に取り組む事業主を支援するものであり、その中でも広く知られているのが「正社員化コース」です。

 このコースでは、次の①~③のいずれかの転換を行い、転換前に比べて3%以上アップした賃金を6か月間支給した場合に助成対象となります。

 ① 有期雇用(継続雇用6か月以上3年以下)から正規雇用(正社員)への
   転換
 ② 有期雇用(継続雇用期間は①と同じ)から無期雇用への転換
 ③ 無期雇用(継続雇用6カ月以上)から正規雇用(正社員)への転換

 転換後の賃金アップの要件は、昨年4月に5%から3%に変更され、より取り組みやすくなっています。そして、転換前後の賃金額の比較では、基本給及び定額で支給されている諸手当の額を用います。(賞与や時間外の割増賃金などは含まない)

 このコースでは、「多様な正社員」(勤務地限定正社員、職務限定正社員および短時間正社員)への転換を、正規雇用労働者への転換とみなして助成対象としています。

 中小企業に対する、転換した者1人当たりの助成額は、①が57万円、②と③は28.5万円で、生産性要件を満たすと別途加算があります。
 上記に加えて、転換者の世帯状況や転換前の就業経験等、企業としての新制度導入による加算事項が設定されています。
(以下の項目の( )内は中小企業での加算額で、c)以外は生産性要件での加算の対象です。)

 a) 派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として直接雇用した場合
    (前記①または③の転換で1人あたり28.5万円)
 b) 母子家庭の母等または父子家庭の父を転換等した場合
    (1人当たり ①9.5万円、②③4.75万円)
 c) 人材開発支援助成金の特定の訓練修了後に正規雇用労働者へ転換した場合
    (1人当たり ①9.5万円、③4.75万円)
 d) 多様な正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者等を当該雇用区分に転換または直接雇用した場合
    (1事業所当たり9.5万円)

 また、紹介予定派遣労働者が派遣先の事業所に正社員として直接雇用された場合にも特例があります。
 具体的には、その紹介予定派遣労働者が、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、就労経験のない職業に就くことを希望する場合に、直接雇用前の派遣労働期間が2か月以上6か月未満でも支給対象(通常6か月以上)とするというものです。

 助成対象となる取り組みを行うにあたっては、事前に管轄の労働局に「キャリアアップ計画書」を提出して認定を受ける必要があります、
 この計画書には、計画期間内(3年以上5年以内で事業主が定める)に実施する取り組みを次の7つのコースから1つ以上選択し、対象者の範囲や措置内容などを記載します。
  ・正社員化コース
  ・障害者正社員化コース
  ・賃金規定等改定コース
  ・賃金規定等共通化コース
  ・諸手当制度等共通化コース
  ・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  ・短時間労働者労働時間延長コース

 この助成金は、フルタイムでの雇用にこだわらず、短時間や週所定4日以下での雇用をうまく組み合わせてマンパワーの確保をしていこうという企業にとっての支援にもなり得るものです。

➤ 業務改善助成金(特例コース)の申請受付開始(22.01.14)

 厚生労働省の業務改善助成金については、令和3年度補正予算にその特例的な拡充(予算:135億円)が盛り込まれていましたが、1月13日にこれまでのコース(通常コース)とは別に、「特例コース」として交付申請の受付が開始されました。
 このコースでの「特例的な拡充」とは、助成対象経費を通常コースでは対象外となってしまう「設備投資等の関連経費」にまで拡げていることです。

 厚生労働省のペーパーでは、関連経費の活用例として、

〇 デリバリーサービス拡大のためのデリバリー用バイクの導入(本来の助成

  対象である設備投資等)に対して、その関連経費(特例的な助成対象)と
  して、広告宣伝費を支出して、デリバリーサービスの宣伝を行う場合

〇 サテライトオフィス新設に伴うテレワーク機器の新規導入(本来の助成対
  象)に対して、その関連経費(特例的な助成対象)として、コピー機、プリ
  ンター、事務机・椅子等の備品等購入費を支出して、サテライトオフィス
  の業務環境を整備する場合
の2つが挙げられています。

 助成額は、対象経費の3/4で、賃金を引き上げた人数により上限額が設定されています。また、通常コースのように最低賃金の引上げ幅による上限額の差は付けられておらず、シングルレートとなっています。
(1人 30万円、2~3人 50万円、4~6人 70万円、7人以上 100万円)

 このコースの助成対象となるのは、次の①売上高減少、②事業場内最低賃金引き上げの要件をいずれも満たした事業主です。

① 新型コロナウイルス感染症の影響により、「売上高または生産量等を示す指標の令和3年4月から同年12月までの間

  の連続した任意の3か月間の平均値」が、前年または前々年同期に比べ、30%以上減少している事業者
② 令和3年7月16日から同年12月31日までの間に事業場内最低賃金を30円以上引き上げていること
  (引き上げ前の事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業場に限ります。)


 なお、②の引き上げについては、令和3年7月16日から同年12月31日までの間の特定の日に遡って引き上げて、交付申請書提出日以前に引き上げ相当額を支払えば要件を満たしたことになります。

 1月13日から始まった交付申請は、今年3月31日が締め切りで、同じ日までに助成対象の事業(設備投資の実施、関連経費の執行及び支払いまで)を完了しておく必要があります。

 補正予算で新設される事業で時たま見受けられることですが、事業完了までの期間が短期間であることが取り組みを難しくする方向に働くところはあるようです。

➤ 人材確保等支援助成金(テレワークコース)の助成内容の拡充(22.01.09)

 人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、中小企業主限定の厚生労働省助成金で、在宅またはサテライトでのテレワーク導入を対象としています。

 事業の流れは、次のとおりですが、テレワークの実施状況の評価と助成金の受給申請を2回ずつ行うことになります。

① 最初に、助成要件を満たすテレワーク制度導入の内容を「テレワーク実施
  計画」にまとめて管轄の労働局に提出して認定を受けます。

② 認定された実施計画により、1回目の評価期間(連続する3か月)内の
  テレワークを実施し、加えて、助成対象となる「テレワークを可能にする
  事業」を行います。

③ ②の実施後に1回目の助成金受給申請(機器等導入助成)を管轄労働局に提出します。提出後、審査を経て受給。
  (受給申請の提出は、実施計画の認定日から7か月以内に行います。)
  また、受給申請の提出までに、就業規則または労使協約にテレワーク制度を規定して(企業のテレワーク制度整備)、
  就業規則については労働基準監督署長への届出までの手続きを行います。

④ 1回目評価期間の翌年の同じ連続する3か月を2回目の評価期間としてテレワークを実施します。
  (1回目の評価期間が令和4年1~3月であれば、2回目は令和5年1~3月)
  なお、2回目の評価期間の開始までに、③の就業規則または労使協約を施行しておく必要があります。

④ 1回目の評価期間終了から1年間の離職率が要件を満たしたことを確認して、2回目の助成金支給申請(目標達成
  助成)を管轄労働局に提出します。提出後、審査を経て受給。
  (1回目の評価期間が令和4年1~3月であれば、離職率は令和4年4月~令和5年3月の1年間で評価)

 この助成金の申請マニュアルでの例示では、①のテレワーク実施計画の提出から、⑤の2回目の受給申請(目標達成助成)の提出まで1年6か月余りですが、このほかに労働局での2回目の受給申請の審査と支給に必要な期間もあります。

 対象となる事業主は、これまでは、テレワークを新規に導入する者に限られていましたが、補正予算成立(令和3年12月21日)以降に実施計画が提出される案件では、「試行的に導入中の事業主」、「過去に試行的に導入していた事業主」も対象に加えられています。
 ここでいう「試行的」とは、
 〇 テレワークの対象が、一部の部門や一部の労働者であること
 〇 テレワークの内容や対象労働者について、就業規則や労働協約に規定していないこと
のいずれにも該当する場合のことです。

 助成対象となる「テレワークを可能にする事業」(1つ以上実施が必須)は、
 〇 就業規則、労働協約又は労使協定の作成・変更
 〇 外部専門家によるコンサルティング
 〇 テレワーク用通信機器等の導入・運用
   (ネットワーク機器、サーバ機器、NAS機器及びセキュリティ機器など) 
 〇 労務管理担当者に対する研修
 〇 労働者に対する研修
であり、このうちテレワーク用通信機器等の導入・運用について、補正予算成立後は、次のテレワーク用サービス利用料が追加されています。
  ・リモートアクセス及びリモートデスクトップサービス
  ・仮想デスクトップサービス
  ・クラウドPBXサービス
  ・web会議等に用いるコミュニケーションサービス
  ・ウイルス対策及びエンドポイントセキュリティサービス

 この助成金では、サテライトオフィスでのテレワーク導入も対象としていますが、その関連経費のうち、自社のサテライトオフィスとして利用する物件の賃料等や、サテライトオフィスに設置する機器等の購入費用は助成対象外とされています。

 助成対象とされるテレワークの取組は、評価期間内の実績が、
 〇 テレワーク実施対象労働者全員が1回以上テレワークを実施
 〇 テレワーク実施対象労働者のテレワーク実施回数の週間平均が1回以上
のいずれかに該当するものです。

 受給額は、支給対象経費に対して
① 機器等導入助成(1回目の受給申請) 30%
② 目標達成助成(2回目の受給申請)  20%(生産性要件を満たすときは、35%に嵩上げ)
で算出して、①、②ともに「100万円」、「20万円×対象労働者数」のいずれか低い額が受給の上限額となります。

 これまでの第5波までのコロナの流行への緊急避難的な対応として、すぐにテレワークが可能な業務と一部の社員に限定して「試行的なテレワーク」を実施したものの、準備不足による不具合などもあり、それ切りになってしまっている企業でのテレワークの本格的立ち上げなどにも使える助成金です。

➤ 補正予算でのキャリアアップ助成金、人材開発支援助成金の制度変更(21.12.21)

 今回の補正予算で、雇用調整助成金以外の厚生労働省助成金では、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善で「キャリアップ助成金」に251億円、デジタル人材の育成などで「人材開発支援助成金」に216億円の計上が目立ちます。

 厚生労働省の補正予算事業で、コロナ禍で影響を受けた非正規労働者について、求職支援制度や紹介派遣、民間会社でのカウンセリングや短期間の研修といったツールを組み合わせて支援することで早期の再就職につなげる枠組みができます。

 この事業を活用して再就職した方の処遇改善を支援するのがキャリアアップ助成金の役割といえ、補正予算では2つのコースで制度変更が行われています。

【正社員化コース】

〇人材開発支援助成金の特定の訓練修了後に正社員化した場合の助成額加算措置を新設
 有期→正社員転換は95,000円加算(無期→正社員はその半額)で他の加算措置との併給も可能です。

〇紹介予定派遣労働者の要件緩和措置を延長
 正社員転換後の雇用期間6カ月以上の助成金受給要件を、コロナ禍による離職者の紹介予定派遣(就労経験のない職業に就くもの)では、2か月以上6か月未満に緩和する措置です。もともと令和3年度末までだった緩和期間を延長して、対象者を紹介派遣を利用する求職者全体にまで拡大しています。

【賃金規定等改定コース】

 このコースは、賃金規定を改定するなどして有期雇用労働者の基本給を2%以上増額すると助成対象になります。これまで、基本給の増額対象を事業所内の有期労働者の一部に限定した場合には、すべての有期雇用労働者を対処とする場合の半額程度の助成額でしたが、今回の制度変更により、全事業者対象の場合と同額となりました。
 併せて、これまで、人数区分別に1事業所あたりの支給額としていたのを1人あたりに変更しています。

 

 人材開発支援助成金については、特定訓練コースの対象拡充、特別育成訓練コースの助成限度額引上げ等が行われています。

【特定訓練コースの対象拡充】

 IT技術の知識・技能を習得するための訓練のうち「ITSSレベル2」の訓練について、これまで一般教育訓練(OFF-JTのみ20時間以上で助成対象。経費助成率30%、賃金助成1時間あたり380円)であったものを、特定訓練コースの生産性向上訓練(OFF-JTのみ10時間以上で助成対象。経費助成率45%、賃金助成1時間あたり760円)としました。

 今回の拡充で、IT技術の知識・技能を習得するための訓練のうち「ITSSレベル2~4」が特別教育訓練、レベル1のみが一般教育訓練という形になります。

【特別育成訓練コースの助成限度額引上げ等】

 有期契約労働者を対象とする特別訓練育成コースのうち、一般職業訓練(OFF-JTのみ)、有期実習型訓練(OFF-JT+OJT)について、経費助成限度額の引き上げや、訓練受講者を支給申請時までに正社員化した場合とそうでない場合で経費助成率に差を付けるなどの見直しをしています。

 この見直しで、経費助成率は、正社員化を行い、生産性要件を達成した場合以外はこれまでより低くなり、限度額引き上げとあわせて、経費と時間をかけてレベルの高い訓練を受けさせた事業主にこれまでより手厚い給付がされる形になっています。

➤ 助成金と補助金の違いとは?(21.12.17)

 申請の採択までのプロセスの違いに着目すれば、その違いは、

〇 助成金
 助成の条件を満たしていて、事業実施計画などに問題がなければ、先着順に申請が採択されます。
 そのため、締切日前でも予算枠が無くなれば申請の受付を終了します。実際に令和3年度にも複数の助成金・コースで、当初予定の締切日前に予算枠が無くなり申請の受付を終了しています。

〇 補助金
 締切日までに申請されたすべての案件(申請書類の不備などは除く)を審査して評価の高いものから順に採択して、予算枠が無くなった時点で採択終了となります。

  つまり、助成金と異なり申請提出の前後は採択に影響しません。

 ちなみに、採択率を見てみると、経済産業省補助金は、公募回ごとに見れば30%台ということもあり、60%台であれば高めといえるのではないでしょうか。厚生労働省助成金の採択率は公表されていませんが、経産省補助金よりは高いというのが私の実務上の感覚です。

 次に、支給対象と支給額の関係ということになると、主に2つ挙げられます。
 (ここでは、コロナ関係の給付金は除いて考えます。)

① その事業の目的に合った対象経費の合計額に補助率(助成率)を乗じた額を支給するタイプ
 (その額が補助等の上限額を超えるときはその上限額)

 設備投資に重点を置く経産省補助金は主にこのタイプです。中には、設備投資の関連経費について、個別に上限額を設けたり、補助率を本則より低くすることもありますし、逆に、小規模持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠のように、国として緊急性や重要性が高い政策課題に関するものに対して、本来の補助枠と別枠で補助率も嵩上げすることもあります。
 厚労省助成金では、雇用調整助成金がこれに該当しますし、他には、テレワーク、最低賃金引上げ関連などで生産性向上のための機器購入やコンサルティングなどをその内容とするものが該当します。

② 一定の要件を満たした場合に定額を支給するタイプ

 こちらは、厚労省助成金に見られ、事業所あたり、対象者1人あたりでの支給となります。

 例えば、有期契約社員を正社員に転換して要件を満たした場合に1人あたり定額を支給する、法定の健康診断以外に独自の検診制度を導入した場合に事業所あたり定額を支給するといったものです。

 また、厚労省の一般訓練・特別訓練関連の助成金は、OJT、OFF-JTへの1人時間当たり定額の実施助成・賃金助成と、研修経費に対する定率助成から成るので、①と②の混合型といえます。

➤ くるみん助成金(21.12.16)

 中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業(くるみん助成金)の令和3年度分の申請受付が今月1日に始まっています。
 この事業(内閣府所管の助成金)は、「くるみん認定」もしくは「プラチナくるみん認定」の取得を要件として、子育て支援に積極的に取り組む中小企業を支援することを目的としています。


 対象となる事業主は、次の①~③すべてに該当する事業主です。

① 子ども・子育て支援法に規定する一般事業主(事業主拠出金を納付

  している)であること

② 次世代支援対策推進法に規定する中小企業事業主(常時雇用する労働者数300 人以下)であること)
③ 上記①、②に加えて、次のいずれかに該当すること
   a) 前年度または当年度にくるみん認定を受けていること
     (助成申請期間末日までに認定を受ける場合を含む) 
   b) 前年度の3月31 日時点においてプラチナくるみん認定を受けていること

 助成対象となる具体的な取り組み(事業内容)は、次の4つです。

①労働者の育児休業等の取得を促進するための取組
②労働者の子育てを支援するための取組
③労働者の業務負担の軽減や所定外労働の削減などを図るための取組

④その他労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な取組

 助成対象となる経費は、使用目的が事業の遂行に必要なものと明確に特定でき、助成対象年度に実施し、完了報告期日までに支払が完了するものに限ります。
 その項目は次のとおりです。


 〇 職員給与 〇 各種手当
 〇 社会保険料事業主負担金
 〇 厚生費等(役員報酬を除く)
 〇 諸謝金
 〇 備品費(単価50 万円以上の備品を除く)
 〇 消耗品費 〇 印刷製本費
 〇 通信運搬費 〇 光熱水料
 〇 借料及び損料 〇 会議費
 〇 賃金 〇 雑役務費及び委託料

 令和3年度分の申請受付期間は、令和3年12月1日~令和4年2月15日、申請方法は、くるみん助成金ポータルサイトからの電子申請、もしくは郵送となっています。

 これから令和3年度分の申請に向けた取組を立ち上げて申請までもっていくのは、時間的余裕がないケースが多いと考えられますが、この先も続く支援事業ですので来年度以降を視野に入れて検討を始めるのも一案です。

➤ 厚生労働省助成金の生産性要件(21.12.15)

 厚生労働省助成金で、生産性向上の取組み支援を目的に、生産性を向上させた事業所に対して、助成額もしくは助成率の割増を行う制度があります。

 この制度では、基準となる会計年度の生産性が、その3年度前の生産性より6%以上伸びている場合には「生産性要件を満たす」として、割増の対象になります。

 生産性の値は、対象となる企業などの活動の結果生み出された「付加価値」を、その会計年度末の「雇用保険被保険者数」で除して算出します。企業の場合の付加価値は、営業利益+人件費(役員報酬等は除く)+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課の合計です。

 2つの会計年度の比較の方法には、

① 対象となる助成金の支給申請の前会計年度とその3会計年度前
対象となる助成金の支給申請の翌々会計年度とその3会計年度前(助成金申請の前会計年度)
  の2パターンがあり、申請予定の助成金がいずれのパターンなのか事前の確認が必要です。
 (生産性要件がない助成金もあります)

 生産性要件に該当する場合の助成金支給申請は、①のケースでは1回(対象となる助成金の申請と生産性要件での加算分をまとめて)、②のケースでは、助成金支給申請が2回(対象となる助成金での1回目申請、生産性要件での加算分での2回目申請)となります。

 なお、生産性要件の比較対象となった期間内に事業主都合による離職者等(退職勧奨を含む)がいた場合には、生産性要件を満たしていても助成額、助成率割増の対象外になってしまうことに注意が必要です。


 実際の助成金加算例ですが、

〇 キャリアアップ助成金の正社員化コース
  有期雇用から正社員への転換で本来1人57万円のところ、生産性要件概要で15万円加算(加算後72万円)


〇 業務改善助成金
   事業所内最低賃金900円の場合、本来補助率2/3のところ、生成性要件該当で4/5にかさ上げ
  といった形になります。

 最後に、生産性を比較して伸び率が6%未満の場合には、申請者と与信取引がある金融機関にその企業の「事業性評価」を労働局が確認して生産性要件を判断する仕組みもありますが、金融機関の了解を得なければならないなど手間はかかります。

➤ 50代有期契約社員の無期転換への助成金(21.12.11)

 有期契約社員の無期転換への助成金としては、キャリアアップ助成金の正社員化コースがよく知られていますが、これとは別に特定の有期契約社員を対象としたコースが厚生労働省の助成金で設定されています。

 その「65歳超雇用推進助成金の高年齢者無期雇用転換コース」の対象となるのは、
・有期雇用期間が通算6か月以上5年以内
・50歳以上定年年齢未満であること
・無期転換日に64歳以上でないこと
・その職場で65歳までの高年齢者雇用確保措置(再雇用、定年延長など)を導入済みであること
 などの要件を満たした方です。

 余談になりますが、2017年の調査では、一律定年制を導入している企業で、60歳定年が79.3%、61~63歳定年が2.5%ですから、この助成金は、主に50歳代が対象という形になっているといえます。(平成29年就労条件総合調査/厚生労働省)

 この助成金での手続きの流れは、次のとおりです。
① 高齢者雇用等推進者の選任、高齢者雇用管理に関する措置の実施
② 計画書(無期雇用転換計画書)を(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構に提出して認定を受ける
③ 計画に沿って無期転換を実施
④ 転換後6か月の継続雇用と給与支払
⑤ 支給申請
⑥ 支給決定・助成金の口座振り込み

 ここでいう「高齢者雇用管理に関する措置の実施」とは、
・高齢者(55歳以上)を対象とした短日数勤務・短時間勤務等(勤務時間等の弾力化)
・高齢者対象の人間ドック純真制度、生活習慣病予防検診制度等(健康管理、安全衛生の配慮)
・高齢者を対象とした技能講習・資格取得講座の受講等(職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等)
 など、7つの措置のうちいずれか一つ以上を就業規則等に定めて制度化した上で実施することです。

 また、転換後6か月の給与支払いについては、キャリアアップ助成金の正社員化コースとは異なり、昇給は求められていません。

 例えば、50代の契約社員が在籍し、会社としては正社員化して長期雇用したいが、その社員自身が正社員という働き方を望まない場合の定着促進策としても活用できる助成金です。

➤ 補正予算での業務改善助成金の特例的な拡充 (2021.12.03/12.21加筆)

 12月20日に成立した令和3年度補正予算に業務改善助成金の特例的な拡充(予算:135億円)が盛り込まれました。

 業務改善助成金では、今年度の最低賃金の引き上げ(全都道府県で28円以上、3%以上の増) への対応を支援するため、①今年8月から「45円コース」の新設、②コロナ禍で特に業況が厳しい事業者に限り設備投資の範囲を、乗車定員11人以上の自動車及び貨物自動車等、パソコン、スマホ、タブレット等の端末及び周辺機器(新規導入に限る)まで拡げる措置が行われています。
 今回の補正予算案での「特例的な拡充」では、助成対象経費を現在の生産性向上に資する設備投資などに加えて、「生産性向上に資する設備投資等に関連する費用」まで拡大することとしています。


 具体例として挙げられているのは、
 〇広告宣伝費
 〇執務室の拡大、机、椅子等の増設
 〇汎用事務機器購入費 等です。


 厚生労働省の助成金としては、他に例がないところまで思い切った内容といえます。

 ただ、対象となる事業者の要件は、
 〇前年又は前々年同期比較で売上高や生産量等の指標が30%以上減少していること
 〇事業場内最低賃金を、令和3年7月16日から同年12月までの間に30円以上引き上げること

であり、いずれも満たすことができる事業者は自ずから限られてくると考えられます。

令和4年1月以降の雇用調整助成金の特例措置について(21.12.01/12.21加筆)

 11月19日に令和4年1~3月の補助率、上限額の特例措置(予定)が公表されていますその後、12月20日成立の令和3年度補正予算で8,222億円が措置され財源の裏付けはできています。

 補助率は、原則的な措置、地域特例、業況特例のすべてで令和3年12月までと同じであり、中小企業の原則的な措置の場合でも、2/3(解雇がない場合は4/5)と、通常の補助率1/2から3割強上乗せされた形です。
 1人1日当たり上限額は、地域特例、業況特例に該当する場合は、15,000円が維持されますが、原則的な措置では、令和4年1~2月が11,000円、同3月が9,000円と段階的に引き下げられ、通常の額である日8,265円(雇用保険の基本手当の日額上限と同額)にかなり近づきます。
 また、業況特例に該当して令和3年12月までに業況の確認をした事業主については、令和4年1月1日以降に判定基礎期間の初日を迎えるものが出てきたときに、業況の再確認を受けることとなります。

  令和4年4月以降については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」に沿って、雇用情勢を見極めながら具体的な助成内容を検討の上、2月末までに改めてお知らせするとしています。