68 特定一般教育訓練給付について

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 特定一般教育訓練とその給付金制度は、2019(令和元)年10月に新設されたばかりの制度です。その経緯は、2018(平成30)年の「人づくり革命 基本構想」や「経済財政運営と改革の基本方針2018」などで、「(雇用保険法の)一般教育訓練給付については、対象を拡大するとともに、ITスキルなどキャリアアップ効果の高い講座を対象に、給付率を2割から4割へ倍増する」とされたことから始まり、労働政策審議会の分科会で検討が加えられ今の形になったというものです。また、社会人の学び直しである「リカレント教育」という観点もあります。

 従来の一般教育訓練の対象講座から、特定一般教育訓練に移すものを選定するためのコンセプトは、①即効性のあるキャリア形成、②高い社会的ニーズ、③就職・キャリアップとの関連性を客観的に評価可能であることです。

■対象となる講座・訓練

 特定一般教育訓練の対象講座は、次の4つのカテゴリーのいずれかに該当し、受講者の受験率80%以上かつ合格率全国平均以上、就職率・在職率80%以上のものが指定されます。

 上の表での、「業務独占資格」は、資格保持者以外が特定の業務を処理することを法律で禁止しているもの、「名称独占資格」は、資格保持者以外の者がその資格名称を使用することを法律で禁止しているもの、「必置資格」は、特定の業務を実施する事業所に配置が義務付けられている資格者などに関するものです。

 特定一般教育訓練の対象となりうる主な資格・講座を職種別に整理すると次のとおりになります。

■支給対象となる方

 次の1、2をいずれも満たした方が支給対象となります。

  1. 雇用保険の被保険者、または被保険者であった方で被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)から受講開始日まで1年以内(離職日の翌日から1年の期間を「適用対象期間」といいます)
  2. 受講開始日までの雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての受給では特例で1年以上)

■教育訓練給付の適用対象期間の延長

 支給対象の要件1について、次のいずれかの理由で、適用対象期間中に対象講座の受講開始ができない状態が30日以上続いた場合は、住所地を管轄するハローワークに申請をして適用対象期間を最大20年まで延長することができます。ハローワークへの申請方法には、本人の来所のほか、電子申請、郵送及び代理人の来所があります。

  • 妊娠、出産、育児(18歳未満の者の育児に限る)
  • 疾病、負傷 など

■支給申請手続・支給額

 支給に関する手続は、受講前、受講後のそれぞれで必要であり、住所地を管轄するハローワークで行います。

  • 「受講前の手続き」は、受講開始日の1カ月前までに行います。まず、訓練対応キャリア・コンサルタントから訓練前のコンサルティングを受け、「ジョブ・カード」を作成して、受給資格確認票(ハローワークなどで配布)とあわせて提出して受給資格の確認を受けます。(電子申請も可)
  • 「受講後の手続き」は、受講修了日の翌日から1か月以内に行います。提出書類は、受給資格確認通知書(受給資格確認時にハローワークから交付)、支給申請書、教育訓練修了証明書、特定一般教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に関する領収書などです。

 支給額は、特定一般教育訓練の受講者本人が指定教育訓練実施者に支払った教育訓練経費の40%相当額です。なお、40%相当額が支給上限の20万円を超えたときは、その超えた額にかかわらず20万円の支給となります。

■教育訓練経費となるもの

 申請者自らが教育訓練実施者に対して支払った入学料、受講料の合計が、支給額算定に使う教育訓練経費です。次の費用は経費対象外となります。

  • 検定試験の受験料  受講に必ずしも必要がない補助教材費
  • 教育訓練の補講費  訓練施設実施の行事参加費用
  • 学債などの将来受講者に対して現金還付が予定されている費用
  • 受講のための交通費 パソコンなどの器材の費用
  • クレジット会社手数料  支給申請時点での未納額
  • 事業主などから受けた受講関連の手当のうち入学料、受講料に充当した残額

 特定一般教育訓練+給付金となると一見ハードルが高いように見えますが、一般教育訓練給付金の平成29年度の受給者は10万人、平均支給額は3万8千円です。その前年28年度の受給者属性を見ると、男女比率は半々、年齢層別は30代までが5割を占めますが、50代以上も2割に達しています。また、8割以上が在職中の受講となっています。