厚生労働省の労働関係助成金のうち下表の助成金、コースで、生産性向上の取組み支援を目的に、生産性を向上させた事業所に対して、助成額もしくは助成率の割増を行う制度があります。この制度で生産性向上の度合いを判定する基準が「生産性要件」です。
 雇用調整助成金の支給要件である「生産指標要件」とは別個のものです。なお、3月28日に新型コロナウイルス感染症特例措置としてこの要件を緩和すると厚生労働省から発表されています。厚生労働省本省サイトの関連情報に下のリンクから移動できます。

※生産性要件の判定対象期間、割増の内容については、補助金、コースごとの確認が必要です。

■生産性要件

 この要件の判定に使う「生産性」の指標は、次の式で算出します。

 算定式の付加価値の計算には財務諸表(損益計算書など)が必要となりますが、これはもっぱら企業単位で作成するものなので、生産性要件の算定も企業単位となります。ただし、支店単位など事業所により近い組織単位で作成している場合はそちらを採用します。生産性要件を算定するための「生産性要件算定シート」は厚生労働省の本省ウェブサイトからダウンロードできます。

 そして、助成金の支給申請をした直近の会計年度の生産性が、その3年度前の生産性より6%以上伸びている場合は「生産性要件を満たす」として、助成額もしくは助成率の割増が行われます。(下のイメージを参考としてください。)

例えば、事業改善助成金であれば、地域内最低賃金、事業場内最低賃金がともに850円未満の事業所は本則の助成率4/5が9/10に、事業場内最低賃金が850円以上の事業所は3/4が4/5にそれぞれ割増されます。

 なお、3年度での生産性の伸びが1%以上6%未満にとどまる場合でも、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていれば生産性要件を満たすとされます。一方、生産性要件の算定対象となった期間中、上の図でいうと直近会計年度の3年度前(B、平成27年度)から直近会計年度(A、平成30年度)の間に事業主都合による離職者がいた場合には、生産性要件を満たしていても助成額、助成率割増の対象外になってしまいます。

■事業性評価

 「事業性評価」とは、都道府県労働局が助成金申請者の承諾のもと、与信取引などがある金融機関に事業の見立て(市場での成長性、競争優位性、事業特性及び経営資源・強み等)を照会して、その回答を参考に割増支給の可否を判断するものです。ここでいう「与信取引」は、金融機関から実際に借入をしている場合に限らず、借入限度額は設定しているが実際の借入はない場合なども該当します。