41 有期労働契約の雇止め(無期転換ルールとの関係で見る)

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 前回の無期転換ルールに関連して出てくるのが、通算契約期間5年以上の要件を満たす前に行われる「雇止め」の問題です。

 契約で更新年限や更新回数の上限を設けたとしても、そのことについて使用者と労働者との間で合意があれば、その契約は成立します。ただし、合意があるからといっても、その契約に基づく雇止めがいかなる場合にも有効なものになるという訳ではありません。

 まず問題となるのは、就業規則との関係です。就業規則に「有期契約は○年(5年を超えない範囲の期間)を更新年限とする」もしくは「有期契約の期間は1年とし、更新回数は○回(4回以内の回数)を上限とする」旨の規定を置くのであれば、その内容を事業所内の労働者に周知することに加えて、次の点を満たす必要があります。

  • 対象となる有期契約労働者の雇入れ前から規定がある場合は、その内容が合理的なものであること
  • 対象となる有期契約労働者の雇入れ後に就業規則を変更して規定を設けた場合は、有期契約労働者の不利益となる更新年限や更新回数の上限を新たに設けること(不利益変更)が合理的であること

 前記の2つの「合理性」については、対象となる有期契約労働者の処遇について、均衡待遇(パートタイム・有期雇用労働法第8条)または均等待遇(同第9条)が遵守されていれば認められやすいといえ、また、契約期間が限定されていても、他のより良い雇用区分への転換制度があるのであれば、合理性が認められやすいであろうとされています。(菅野和夫「労働法第十二版」p325)

※均衡待遇、均等待遇に関する同一労働同一賃金ガイドラインについては、当ブログ27~29の投稿で触れています。

 次に問題となるのは、雇止めの有効性についての争いが、最終的には「雇止め法理」(労働契約法第19条)に基づく司法判断にゆだねられることです。雇止め法理による判断は下図の過程により行われます。