40 事業再構築補助金について(8/30現在)

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 事業再構築補助金は、令和2年度第3次補正予算による新たな補助金で、コロナの影響によって本業に打撃を受けた中小企業の新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、事業再編といった取り組みや、それらによる企業規模の拡大への挑戦を支援するものです。
 この補助金の事業計画は、事業再構築指針に示された再構築の5つの定義のいずれかに当てはまるものであることが求められます。
 株式会社パソナがこの補助金の事務局となっています。
  

補助枠・要件・補助内容

 この補助金は、次の6つの枠(補助金コース)が設けられています。
 ● 通常枠
 〇 大規模賃金引上枠
 ● 卒業枠
 ● グローバルV字回復枠
 ● 緊急事態宣言特別枠
 〇 最低賃金枠

 6つの枠のうち、最低賃金関連の2つの枠(〇印)は、第3回公募から設けられた枠です。
 比較的多くの中小企業や個人事業主に該当しそうなのが、通常枠、緊急事態宣言特別枠の2つとみられます。

▼各枠の要件、補助額、補助率などを下表にまとめています。




   

【上表の事業再構築以外の要件①の売上高減少等要件について

 第3回公募で変更のあった売上高減少等要件について、3つのケースに分けて図示しています。
 

 ケース①は、要件どおりでひねりのないパターンです。
 (a)は2020年4月、(b)は2020年10月からそれぞれ6か月間で設定して、減少率の要件は(a)が10%以上、(b)が5%以上で、両方とも判定します。
 ケース②では、(a)の期間が2020年10月以降にまたがっていますが、減少率の要件は、ケース①と同じく(a)、(b)両方を見ます。
 ケース③では、(a)の期間がすべて2020年10月以降で、10%以上減少していました。この場合は、(b)をしても、実質的に(a)と重複しますので、申請の際の資料提出は(a)の分だけとなります。

 第3回公募からは、売上高に加えて付加価値額(営業利益、人件費、減価償却費の合計)でもこの要件を判定できるようになっています。

上表の事業再構築以外の要件のうち各枠独自のものについて

 上表の事業再構築以外の要件のうち、すべての枠に適用される要件以外の各枠独自のものを次の表にまとめています。
 

    

対象となる事業者等の範囲

中小企業者の範囲

 業種ごとに右表の資本金、従業員数要件のいずれかを満たす会社及び個人がその範囲です。
(個人事業者もこの補助金の対象です。)
このほかに、企業組合、協業組合及び事業協同 組合、収益事業を行うなどの要件を満たすNPOも対象となります。
 いわゆる「みなし法人」(大企業の子会社、大規模法人の支配下にある法人など)は、この補助金での支援の対象外となります。

■ 中堅企業の範囲

 上表の中小企業の範囲に入らない企業のうち、資本金10億円未満の法人です。
 上表の中小企業の範囲にある会社であっても、申告済みの過去3年(事業年度)の課税所得の平均額が15億円超の会社及び個人は、中堅企業として支援の対象となります。

 

■ いわゆる「みなし法人」に該当するもの

 大企業とみなされ対象外となるのは、次の①~⑤のいずれかに該当するものです。
 

  
  

■ 中小企業者等、中堅企業等の「等」について

 次のいずれかに該当するものを指します。

 ● 中小企業等経営強化法第2条第1項から第8号に定める法人
    (企業組合、協業組合、事業協同組合など)
 ● 法人税法別表第二に該当する法人
    (一般社団法人、一般財団法人は、非営利型法人に該当しないものも対象)    
 ● 法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人
    (収益事業を行う等の要件を満たすNPO法人) 

 

■ 資本金の額が定められていない場合の取り扱い

  常勤の従業員数が、300人以下は中小企業者等、300人超2,000人以下は中堅企業等。   
 

補助対象経費

 この補助金の概要ペーパーでは、「事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資をしていただくこととなります」と明記されています。
 ですから、資産性のない経費が設備投資の経費を上回るような事業計画は策定できないということです。


  

  
   

各経費区分での注意点

   
  

■単価50万円(税抜)以上の物件について

  原則として同一条件による相見積もりを取ることが必要
  

事業計画

 事業計画書の策定は、認定経営革新等支援機関が関与して行います。
 補助金額3,000万円を超えるものは、金融機関の関与も必要となります。


 事業計画の内容は、次の4つの項目を含み、
 A4で最大15ページ(補助金額1,500万円以下は10ページ以内)で作成します。

 ● 補助事業の具体的取り組み内容
 ● 将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
 ● 本事業で取得する主な資産
 ● 収益計画

 

■ 不採択または交付取消となる事業計画

 公募要領では、12のケースが挙げられていますが、公募要領にそぐわない事業、重複案件、暴力団員との関係といったもの以外には、次のようなものがあります。

 ● 具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注または委託し、企画だけを行う事業
 ● もっぱら資産運用的性格の強い事業
 ● 建築または購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の

   第三者に長期間賃貸させるような事業
 ● 主として従業員の解雇を通じて付加価値額要件を達成させるような事業
 

事前着手制度

 この制度は、「交付決定後の補助事業着手(購入契約の締結など)という原則」の例外です。
 この補助金では、補助金の交付決定前でも、事務局に事前着手届を提出して承認を受けた場合に限り、令和3年2月15日以降の購入契約や発注などを、申請の際に補助対象経費に含めることができます。ただし、事前着手届の提出は採択を保証するものではありませんし、契約にあたって入札や相見積が必要となる場合があることにも注意が必要です。

    

概算払制度

 補助金の支払い(指定口座への振り込み)は、原則として事業完了後に、
「実績報告に基づく確定検査 ➤ 補助額の決定 ➤ 事業実施者からの請求 ➤ 口座振り込み」という流れで行われます。
 この概算払は、その例外として、補助事業実施期間中のある時点における、実施・支払済の経費の一定割合を事業実施者からの請求により先行して支払うものです。

     

申請とその方法について

■ 申 請

 事業者自身が行います。事業計画作成を支援した認定経営革新等支援機関などに申請を代行させることはできません。

 ● この補助金を複数回申請することはできない
 ● 一つの申請に複数の事業を記載することは可能
 ● 複数の事業者の取り組みを束ねて代表となる事業者が申請する
   ことも可能 (上限額は、一法人で申請した場合と同額)  

■ 申請方法

 電子申請(jGrants利用)に一本化されています。
 jGrants(Jグランツ)利用のためのアカウント(gBizIDプライムアカウント)の申請から発行までは申請書類に問題がなければ、1週間程度となっています。

              
  

 

事業再構築指針と指針の手引き

 この指針と手引きでは、事業再構築の定義を、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換または事業再編のいずれかを行う計画に基づく中小企業等の事業活動であるとしています。

 この補助金の事業計画は、次の事業再構築の定義のいずれかに該当している必要があります。

 その事業計画における「事業」とは、
 ●新分野展開、事業転換及び業種転換

   ……新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供すること
 

 ●業態転換
   ……製品又は商品若しくはサービスについて、製造方法又は提供方法を相当程度
     変更すること

 ●事業再編は、合併、株式譲渡、事業再編などの組織再編を実施した上で、新分野展開、
  事業展開、業種転換、業態転換のうちのいずれかを行うという合わせ技的な作りになっ
  ています。
  ですから、新商品や新サービスの提供、製造方法や提供方法の相当程度の変更のいずれ

  もあり得ます。

 事業再構築として行う5つの活動の定義とその要件を以下の表にまとめました。
 事業再構築指針の手引きでは、これらの定義それぞれについて、要件を満たす場合と満たさない場合を例示しています。


 
▼以下で、上表の要件について説明します。

日本標準産業分類

 統計調査の結果を産業別に表示するための区分で、総務省が定めているものです。
 生産される財又は提供されるサービスの種類などに着目した分類で、大分類、中分類、小分類、細分類の4つのレベルで設定されています。

 

 上表の「主たる業種or事業」とは、申請者の企業などで、現時点の売上シェアが最大である製品やサービスが属する分類のことです。

   

新規性要件

 5つある新規性要件のうち、市場の新規性要件以外は、

  ● 過去に製造などをした実績がないこと
  ● 主要な設備を変更すること(従来の設備での製造等は不可)
  ● 定量的に性能または効能が異なること(計測して数値化できる場合のみ適用される項目)
 の3つの項目で内容は共通しています。


 ここでいう「新規性」とは、あくまでも申請企業での新規性であり、国内初といったものや、ものづくり補助金における新製品・新サービスが地域内での革新性を求められているのとは異なります。また、時期的には、2020年4月以降に新たに取り組んでいる事業でこの補助金の事業計画を組み立てた場合は「新規性」があるとみなされます。
 
   

設備撤去等要件

 業態転換において、商品又はサービスの提供方法を変更する場合の要件で、次のいずれかに該当すれば、要件を満たします。

 
新たな方法で提供される商品又はサービスが新規性を有するものであること
 ● 既存設備の撤去や既存店舗の縮小等を伴うものであること  

   

売上高要件

 
    

 ▼事業再構築指針などには以下のリンクボタンからアクセスできます。

  

再構築補助金のFacebook投稿記事を
事務所コラムでまとめて公開しています
(事業再構築補助金のちょっとした話
)







  

【この投稿の執筆者】
  
 札幌・新道東コンサルオフィス代表
    特定社会保険労務士 塚田 秀和

代表 塚田秀和