40 無期転換ルールをもう一度見てみる(JILPTの調査結果)

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 今年9月に独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)が「無期転換ルールへの対応状況等に関する調査」結果を公表しました。

 主な調査結果は、次のようになっています。

■企業等に関する調査(有期雇用をしている企業のデータ)

  • 無期転換ルールの具体的な内容(5項目)のうち1つでも知っているのは4社に3社(77.9%)
  • 無期転換の機会を設けている企業は4社に3社(76.0%)。そのうち、転換の機会を有期契約労働者に説明しているのは3社に2社(60.8%)、就業規則に規定しているのは、2社に1社(52.5%)に止まる
  • 無期転換ルール対応の課題について、4社に1社(26.3%)が「有期労働契約と無期転換後、正社員との間の仕事や働き方、賃金・労働条件のバランスと納得感の醸成」と回答、また、5社に1社(21.7%)が「業務量の変動などに伴う人員数や労働時間、労働条件等の調整」と回答

■労働者に関する調査(有期契約労働者のデータ)

  • 無期転換ルールの具体的な内容(5項目)のうち1つでも知っているのは、3人に1人(35.5%)
  • 具体的な内容を1つでも知っている労働者への情報提供者について、勤務先は5割未満(45.1%)で新聞報道やテレビ、雑誌や本とほぼ同じ割合
  • 無期転換ルールによる無期労働契約への転換を「希望する」のは、4人に1人(26.6%)
  • 現在の会社で無期労働契約(正社員を含む)への移行を申し込む権利(無期転換権)について、自身の権利の状態 (権利の有無など) が「分からない」との回答が2人に1人(44.1%)

無期転換ルールの内容について

 新聞報道やテレビ、雑誌や本でも既に頻繁に出ていますが、内容を改めて見てみます。

 有期雇用契約で働く方が、契約更新により同一の使用者のもとでの通算契約期間が5年を超えた場合に、無期労働契約への転換を申し込む権利(無期転換申込権)が発生します。この権利により無期転換の申込みをすると、使用者は申し込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約が成立します。

 厚生労働省の無期転換ルールハンドブックでは、次のような例が示されています。

  • 1年契約を更新し続けた場合に、6年目の契約期間内に請求できる場合
  • 3年契約を更新した場合に、更新契約の期間内(4~6年目)に請求できる場合

 このルールの対象となるのは、有期契約(契約期間に定めのあるもの)で雇用されている方です。これはその会社独自の雇用形態の名称などには影響されません。なお、定年後に有期契約で再雇用をしている場合は、雇用管理に関する計画を作成して都道府県労働局長の認定を受けることで再雇用期間中の無期雇用転換請求権の発生はなくなります。

 通算契約期間のカウント対象は、2013(平成25)年4月1日以降に開始した契約であり、契約の空白期間が生じたときも、それが一定の期間までであれば、契約期間の通算には影響しないとする規定があります(クーリング期間)。また、同一の使用者のもとで職種や職務内容の変更があっても通算には影響しません。 

 転換後の労働条件については、その会社の労働協約や就業規則、個々の労働契約での定めがある部分を除いては、無期転換前の有期労働契約でのものがそのまま引き継がれることになります。

※ご参考に、JILPTの調査結果、厚生労働省の無期転換ルールハンドブックへのリンクを置いておきます。