33 36協定の新様式について

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 2020年(令和2)年4月1日の協定分から中小企業にも適用されている36協定の新様式ですが、次の7種類に分かれています。今回はこのうち、労働時間上限規制が適用済みの企業で使う様式第9号、第9号の2の2つについて説明します。

 ・様式第9号   時間外労働・休日労働に関する協定届(一般条項)
 ・様式第9号の2 時間外労働・休日労働に関する協定届(特別条項)
 ・様式第9号の3 時間外労働・休日労働に関する協定届(新技術・新商品等の研究開発業務)
 ・様式第9号の4 時間外労働・休日労働に関する協定届
          (適用猶予期間中における適用猶予事業・業務。自動車運転者、建設業、医師等)
 ・様式第9号の5 時間外労働・休日労働に関する協定届
          (適用猶予期間中における適用猶予事業・業務において、事業場外労働のみなし
           労働時間に係る協定の内容を36協定に付記して届出する場合)
 ・様式第9号の6 時間外労働・休日労働に関する労使委員会の決議届
 ・様式第9号の7 時間外労働・休日労働に関する労働時間等設定改善委員会の決議届
   

協定の有効期間、起算日 (第9号、第9号の2の1枚目)

 ・起算日……時間外労働上限規制の年360時間(特別条項付では年720時間)のカウントの起算日
 ・協定の有効期間……上記の起算日の年月日から1年間
  

時間外労働、休日労働をさせる必要のある具体的事由 (第9号、第9号の2の1枚目)

 新旧様式の記載例での具体的事由を下表にまとめています。
 
  
   

臨時に限度時間を超えて労働させることができる場合
                (特別条項適用の理由/第9号の2の2枚目)

 旧様式では、特別条項の内容は余白などに文章で記載していましたが、様式第9号の2の新設でより細かい記載が求められるようになりました。旧様式の文例での理由は、「通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、特に納期がひっ迫したとき」でしたが、 これは新様式では前述の具体的事由の記載例で「受注の集中」として既に挙げられています。 新様式の記載例では、突発的な仕様変更、製品トラブル・大規模なクレームへの対応、機械トラブルへの対応といった時間的余裕がない又は大規模な顧客対応、生産プロセスの大きな支障となるものが挙げられています。
 時間外労働上限規制の法制化に加えて、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康福祉確保措置もあるので、この理由と前述の具体的事由の間の明確な線引きをこれまで以上に意識しておくことが勤怠管理の円滑な運用につながります。
   

延長することができる時間数(第9号、第9号の2のすべて)

 新旧様式での記載する時間単位と内容を下表にまとめています。
表中の時間外労働は、法定労働時間を超えて行う労働を指しています。

  

  • 所定労働時間ベースでの協定の届出の取扱い

 旧様式では、所定労働時間を超えて労働した時間での協定、法定休日・法定外休日の労働時間を含めた協定の届出も、労使慣行などを考慮して、やむを得ないものとして取り扱ってきていました。
 新様式では、法定労働時間を超える時間外労働の上限規制が法制化されたことを受けて、所定時間外労働の時間数記載欄(任意記載)を設けて、旧様式での取り扱いをしないこととなっています。
  

  • 労働時間上限規制に反した内容の協定届の取扱い

 新様式の1箇月、1年の各欄に届出事業所の36協定に基づいて上限時間数を超える時間数を記載した場合は、その36協定は全体として無効となります。また、100時間未満など時間数が特定できない記載をした場合は、その届出事業所の36協定は有効なものとは認められません。
   

限度時間を超えて労働させる場合における手続(第9号の2の2枚目)

 特別条項を適用して月45時間の限度時間を超えて労働を行わせる場合に労使が行う手続の概要(労使当事者が合意した協議、通告など)を記載します。
  

限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置
                          (第9号の2の2枚目)

 特別条項を適用して月45時間の限度時間を超えた労働を行った労働者に対する健康福祉確保措置について、次の措置のうち実施するものの丸番号とその具体的内容を記載します。

 ① 労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること。
 ② 労働基準法第37条第4項に規定する時刻の間において労働させる回数を1箇月について一定回数
   以内とすること。(深夜業の制限)
 ③ 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること。
 ④ 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること。
 ⑤ 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること。(法定外健康診断の実施)
 ⑥ 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること。
 ⑦ 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。
 ⑧ 労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。
 ⑨ 必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は労働者に産業医等による保健指導を受けさ
   せること。
 ⑩ その他

 ①~⑩のうちから選択して協定で定めた措置については、原則として、限度時間を超えるたびに講じる必要があります。そして、その実施状況に関する記録を協定の有効期間中及び有効期間満了後3年間保存しなければならないとされています。

※健康福祉確保措置の内容は以下のリンク先の別投稿で解説しています。

  

チェックボックス (第9号、第9号の2のすべて)

 このチェックボックスにチェックを入れるのは、時間外労働及び休日労働の上限規制について労使で確認の上でとされています。ですから、チェックがない場合は、有効な協定届とはみなされません。