中小企業への新様式の適用は、2020年(令和2)年4月1日の協定分からですが準備が終わった会社も多くなっていることと思います。 以前、36協定関係の投稿で新様式について書いていますが、今になって見るとかなりあっさりした書きぶりでしたので今回改めて投稿します。

 新様式は7種類ありますが、様式第9号(一般の労働者について、時間外・休日労働を行わせる場合)、特別条項に対応する様式第9号の2(1枚目が第9号と同じもの、2枚目が特別条項の2枚組)の2種類を説明します。

■協定の有効期間、起算日 (第9号、第9号の2の1枚目)

 「起算日」は、時間外労働上限規制年360時間のカウントの起算日です。「協定の有効期間」は、この起算日の年月日から1年間となります。

■時間外労働、休日労働をさせる必要のある具体的事由 (第9号、第9号の2の1枚目)

 新旧様式の記載例での具体的事由を下表にまとめています。

※1年単位の変形労働時間制での時間外労働欄に記載するのは、対象期間が3箇月を超える労働者のみ。

■臨時に限度時間を超えて労働させることができる場合(特別条項適用の理由/第9号の2の2枚目)

 旧様式では、特別条項の内容は余白などに文章で記載していましたが、様式第9号の2の新設でより細かい記載が求められるようになりました。旧様式の文例での理由は、「通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、特に納期がひっ迫したとき」でしたが、 これは新様式では前述の具体的事由の記載例で「受注の集中」として既に挙げられています。 新様式の記載例では、突発的な仕様変更、製品トラブル・大規模なクレームへの対応、機械トラブルへの対応といった時間的余裕がない又は大規模な顧客対応、生産プロセスの大きな支障となるものが挙げられています。

 時間外労働上限規制の法制化に加えて、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康福祉確保措置もあるので、この理由と前述の具体的事由の間の明確な線引きをこれまで以上に意識しておくことが勤怠管理の円滑な運用につながります。

■延長することができる時間数(第9号、第9号の2のすべて)

 新旧様式での記載する時間単位と内容を下表にまとめています。表中の時間外労働は、法定労働時間を超えて行う労働を指しています。

 旧様式では、所定労働時間を超えて労働した時間での協定、法定休日・法定外休日の労働時間を含めた協定の届出も労使慣行などを考慮して、やむを得ないものとして取り扱ってきています。新様式では、法定労働時間を超える時間外労働の上限規制が法制化されたことを受けて、所定時間外労働の時間数記載欄(任意記載)を設けて、旧様式での取り扱いをしないこととなっています。

 新様式の1箇月、1年の各欄に36協定に基づいて上限時間数を超える時間数を記載した場合は、その36協定は全体として無効となります。また、100時間未満など時間数が特定できない記載をした場合は、その36協定は有効なものとは認められません。

■限度時間を超えて労働させる場合における手続(第9号の2の2枚目)

 特別条項を適用して月45時間超の労働を行わせる場合に労使が行う手続の概要(労使当事者が合意した協議、通告など)を記載します。

■限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置 (第9号の2の2枚目)

 特別条項を適用して月45時間超の労働を行った労働者に対する健康福祉確保措置について、次の措置のうち実施するものの丸番号とその具体的内容を記載します。

※健康福祉確保措置の内容は別投稿で解説しています。リンクを置いておきます。

 なお、選択する(協定で定める)措置については、原則として、限度時間を超えるたびに講じる必要があります。また、その実施状況に関する記録を協定の有効期間中及び有効期間満了後3年間保存しなければならないとされています。

■チェックボックス (第9号、第9号の2のすべて)

 このチェックボックスにチェックを入れるのは、時間外労働及び休日労働の上限規制について労使で確認の上でとされています。ですから、チェックがない場合は、有効な協定届とはみなされません。