31 在職老齢年金(支給停止の基準額引上げ)

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 在職老齢年金制度について、今月13日の第14回社会保険審議会年金部会(厚生労働省に設置)で支給停止の基準額の見直し案が再度示されました。今回の案では、基準額を51万円(60~64歳の低在老は47万円との両案併記)で検討するとなっています。

 在職老齢年金制度は、60歳以上で厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受ける方について、老齢厚生年金額、給与及び賞与額(総報酬月額相当額)と支給停止の基準額を比較して、一定の場合に年金の一部または全部を支給停止する仕組みです。

 また、この制度は、60~64歳を対象とする「低在老」(低賃金の在職者の生活を保障するために特別支給の老齢厚生年金を支給/低所得者在職老齢年金)と65歳以上の「高在老」(高賃金の在職者の年金を支給停止/高齢者在職老齢年金)に分かれており、支給停止額の計算方法も下図のとおり異なっています。(現行制度)

 これまで出てきた3つの金額、28万円、47万円、51万円の根拠は次のとおりです。

 現制度での支給停止(一部または全部)の対象者は、60~64歳の低在老が約67万人(在職受給者の約55%)、65歳以上の高在老が約41万人(同約17%)ですが、仮に基準額が51万円に見直された場合には、低在老が約17万人(約14%)、高在老が32万人(約13%)に減少すると見込まれています。

 最後に余談となりますが、65歳以降も厚生年金に加入して働いて年金の繰下げ受給をした場合に繰下げ加算額の計算に使われるのは、支給停止後の年金額(全部停止の場合は経過的加算額のみ)になります。加給年金額は繰下げ期間中には支給されませんし、繰下げ加算の対象にもなりません。老後の資金プランを考えるときには 、65~70歳までの厚生年金加入期間の報酬がどれだけ年金支給に反映されるということに加えてこれらの点も考慮に入れておくとよいでしょう。

※この投稿後に低在老の支給停止の基準額を47万円に、高在老は据え置き(47万円)として2020年の通常国会に関連法案を提出するとの報道がなされています。