今回の文中で「通達」というのは、平成31年1月30日付の「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について」(厚生労働省労働基準局長、職業安定局長、雇用環境・均等局長及び人材開発統括官から都道府県労働局長あて)のことです。

 福 利 厚 生

■福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)

 同一の事業所で働く場合には、同一の福利厚生施設の利用を認めなければならない。

 通達では、福利厚生施設(パートタイム・有期雇用労働者法第12条関係)について、次のとおりとしています。(通達原文のとおり)

  • 短時間・有期雇用労働者の従事する業務には更衣室が必要でなく、当該業務に従事している通常の労働者も同様の実態にある場合には、他の業務に従事している通常の労働者が更衣室を利用しているからといって当該短時間・有期雇用労働者に更衣室の利用の機会を与える必要はないことが通常であること。
  • 施設の定員の関係等で利用が制限されている場合においても、定員を理由としてその利用を通常の労働者に限定することは本条に違反することとなるものであること。
  • 短時間・有期雇用労働者が雇用される事業所には給食施設がなく、当該事業所に雇用される通常の労働者にも給食施設の利用の機会が付与されていない場合には、給食施設がある他の事業所に雇用される通常の労働者にはその利用の機会が付与されているからといって、当該短時間・有期雇用労働者に給食施設の利用の機会を与える必要はないことが通常であること。

■転勤者用社宅

 同一の支給要件を満たす場合には、同一の転勤者用社宅の利用を認めなければならない。

ここでいう支給要件とは、転勤の有無、扶養家族の有無、住宅の賃貸又は収入の額などを指します。

■ 「慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除」「勤務時間中の健康診断受診時間の給与の保障(有給の保障)」

 同一の慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除、有給の保障を行わなければならない。

 相違に応じた支給が問題とならない例として、下表のとおりの事例が示されています。(ガイドラインは、週勤務日が2日と少ない者にまで通常の労働者と同一の付与を求めているのではなく、そのような者について、勤務日の振替を基本とするのは不合理な待遇の相違にはあたらないということ)

 健康診断については、例えば、同一の健康診断を受診するときに、通常の労働者は有給、短時間・有期労働者は無給という扱いをすることは、短時間・有期雇用労働法第8条で禁ずる不合理な待遇の相違にあたると考えられます。

■病気休職

  • 短時間労働者(有期雇用を除く)……同一の休職の取得を認めなければならない
  • 有期雇用労働者……契約終了までの期間を踏まえて、休職の取得を認めなければならない。

 相違に応じた支給が問題とならない例として、有期雇用労働者について、休職をその契約期間の終了日までとすることが示されています。

■「法定外の有給の休暇」「その他の法定外の休暇」(慶弔休暇を除く)であって、勤続期間に応じて取得を認めているもの 

 相違に応じた支給が問題とならない例として、長期勤続者が対象のリフレッシュ休暇(業務従事時間全体での貢献への報償)について、下図のとおり示されています。

 そ の 他

■教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するために実施するもの

 通達では、教育訓練(パートタイム・有期雇用労働者法第11条関係)について、次のとおりとしています。(職務の内容が通常の労働者と同じである場合は上表と重複するので割愛)

  • 教育訓練を実施する場合には、短時間・有期雇用労働者の勤務時間帯などの事情も考慮して実施する必要がある。
  • 事業主は、次の教育訓練についても、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じて、短時間・有期雇用労働者に対して実施するよう努める必要がある。具体的には、①職務の遂行に必要な能力を身に付けさせるための教育訓練以外の教育訓練、②職務の内容が通常の労働者と異なる短時間・有期雇用労働者に対する職務の遂行に必要な能力を身に付けさせるための教育訓練の2つである。

■安全管理に関する措置及び給付

 同一の業務環境に置かれている場合には、同一の措置及び給付をしなければならない。