29 同一労働同一賃金ガイドライン その3(福利厚生、休暇、休職、健康診断など)

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  3. 29 同一労働同一賃金ガイドライン その3(福利厚生、休暇、休職、健康診断など)

 
 今回の文中で「通達」というのは、平成31年1月30日付の「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について」(厚生労働省労働基準局長、職業安定局長、雇用環境・均等局長及び人材開発統括官から都道府県労働局長あて)のことです。 

 福 利 厚 生

福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)

(ガイドライン)
 通常の労働者と同一の事業所で働く短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の福利厚生施設の利用を認めなければならない。

 通達では、職務の遂行に関連の深い福利厚生施設の利用については、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で差を設けるべきではないとしています。
 パートタイム・有期雇用労働者法第12条は、給食施設、休憩室及び更衣室について、その旨を明らかにしたもので、通達で示している事例を整理すると以下のとおりとなります。
 

  • 従事する業務での必要性での判断

 従事する業務には更衣室が必要でないことは、短時間・有期雇用労働者も通常の労働者も同様である場合には、他の業務に従事する通常の労働者が更衣室を利用しているからといって、当該短時間・有期雇用労働者に更衣室の利用の機会を与える必要はないのが通常である。
 

  • 施設の定員から利用に制約がある場合の判断

 このような場合に、施設の拡充などにより労働者全員が利用できるようにすることまで法は求めていないが、その事業所の労働者全員への同一の利用規定の適用、利用時間帯の工夫など短時間・有期雇用労働者も通常の労働者と同様に利用する権利を確保することは求めている。また、定員を理由として利用を通常の労働者に限定することは、パートタイム・有期雇用労働者法第12条に違反するものである。
 

  • 事業所にそもそも施設がない場合の判断

 該当の事業所にそもそも給食施設がなく、その事業所の労働者全員に給食施設の利用の機会が与えられていない場合に、給食施設がある他の事業所の通常の労働者には利用の機会が与えられているからといって、そもそも給食施設がない事業所の当該短時間・有期雇用労働者には給食施設の利用の機会を与える必要はないのが通常である。
  

勤者用社宅

(ガイドライン)
 通常の労働者と同一の支給要件(※)を満たす短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の転勤者用社宅の利用を認めなければならない。

 (※) 転勤の有無、扶養家族の有無、住宅の賃貸又は収入の額など
  

慶弔休暇並びに健康診断に伴う勤務免除、勤務時間中の健康診断受診時間の給与の保障(有給の保障)

(ガイドライン)  
 通常の労働者と同一の慶弔休暇を付与し、健康診断については同一の勤務免除と有給の保障を行わなければならない。

  

  • 慶弔休暇

 相違に応じた支給が問題とならない例として、下表の事例が示されています。
 つまり、ガイドラインでは、週勤務日が2日と少ない者に通常の労働者と同一の慶弔休暇を与えることまでは求めてはおらず、そのような者について、勤務日の振替を基本とした対応をするのは不合理な待遇の相違にはあたらないとしています。

 

 通達では、ガイドライン(指針)のこの項目は、親族の葬儀等のために勤務しなかったことを理由として短時間・有期雇用労働者を解雇等するのは適当ではないことを明記したものであるとしています。
 ここでの「解雇等」には、労働契約の更新拒否なども含まれます。また、出勤率や欠勤日数などを解雇等の判断基準としている場合に、その勤務しなかった日を出勤率や欠勤日数などの算定に含めて、解雇等を行うことも含まれます。
  

  • 健康診断

 例えば、同一の健康診断を受診するときに、通常の労働者は有給、短時間・有期労働者は無給という扱いをすることは、短時間・有期雇用労働法第8条で禁ずる不合理な待遇の相違にあたると考えられます。
  

病気休職

(ガイドライン)
・短時間労働者(有期雇用を除く)……同一の休職の取得を認めなければならない
・有期雇用労働者……契約終了までの期間を踏まえて、休職の取得を認めなければならない

 相違に応じた支給が問題とならない例として、有期雇用労働者について、休職をその契約期間の終了日までとすることが示されています。
  

「法定外の有給の休暇」「その他の法定外の休暇」(慶弔休暇を除く)であって、勤続期間に応じて取得を認めているもの

(ガイドライン)
 通常の労働者と同一の勤続期間である短時間・有期雇用労働者には、同一の法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)を付与しなければならない。
 なお、有期労働契約を更新している場合は、当初の労働契約の開始時から通算して勤続期間を評価すること。

 相違に応じた支給が問題とならない例として、長期勤続者が対象のリフレッシュ休暇(業務従事時間全体での貢献への報償)を短時間労働者に対して、「通常の労働者の日数 × 所定労働時間の比」の日数を与えることが示されています。

 
  

 そ の 他

教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するために実施するもの

(ガイドライン)
・通常の労働者と職務の内容が同一……同一の教育訓練を実施
・通常の労働者とは職務の内容に一定の相違がある……その相違に応じた職業訓練を実施

 通達では、教育訓練(パートタイム・有期雇用労働者法第11条)について、次のとおりとしています。

・職務の内容が通常の労働者と同じである短時間・有期雇用労働者に、職務の遂行に必要な能力を
 身に 付けさせるための教育訓練を実施することは当然であることから、そのような場合の事業
 主の教育訓練の実施義務を定めた。
・職務の内容が通常の労働者と異なる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者との均衡を考慮
 しつつ、職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じ
 て、教育訓練を実施するよう努める必要がある。
・教育訓練を実施する場合には、短時間・有期雇用労働者の勤務時間帯などの事情も考慮して実施
 する必要がある。
・教育訓練の実施に当たって、通常の労働者との均衡を考慮した結果、実施内容やカリキュラム等
 が異なることもあり得る。
・短時間・有期雇用労働者がキャリアアップするための企業内での教育訓練の機会が乏しく、通常
 の労働者との待遇の格差の原因となっている現状を改善するため、短時間・有期雇用労働者に対
 しても積極的な教育訓練の実施を求める趣旨である。
  

安全管理に関する措置及び給付

(ガイドライン) 
 同一の業務環境に置かれている場合には、同一の措置及び給付をしなければならない。