26 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

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 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、育休復帰支援プランに基づき育児休業の取得や職場復帰への支援を行った事業主を支援する助成金コースで、
 ・育児休業時(育休開始前から育休3か月目まで)
 ・職場復帰時(それ以降職場復帰6か月後まで)
 ・代替要員確保時(事業所内職員や新規雇用による代替要員の確保)
 ・職場復帰後支援(子育て支援の制度整備)
の4つの取り組みへの助成と関連する加算措置から成っています。

(下図を参考としてください。)   

対象となる事業主

 以下の事項すべてに該当する事業主が支給対象となります。
 なお、育児休業時、職場復帰時、代替要員確保時、職場復帰後支援及び関連する加算措置での要件や取り組み内容については、この後個別にまとめています。

(1) 中小企業事業主であること
(2) 育児・介護休業法の育児休業制度、育児のための短時間勤務制度について、対象労働者の休業開始前に労働協約又は
  業規則に規定していること
(3) 次世代法の一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長に届け出ており、申請時において当該行動計画が
  有効なものであること。また、その行動計画を公表し、労働者に周知させる措置を講じていること

 なお、対象者(育児休業取得者)は、育児休業開始日(※)に雇用保険被保険者として雇用されていた者に限られます。

   (※) 産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業開始日

    

育児休業時(育児休業開始後3か月まで)

 支給対象となる育児休業の制度内容及び手続について、労働協約又は就業規則に規定した上で、育児休業開始(※)の前日までに次の取り組みを行います。

(1) 円滑な育児休業の取得や職場復帰を、プランにより支援する方針を対象者(育児休業取得者)に周知すること

(2) 対象者の上司又は人事労務担当者と対象者が面談を実施して、その結果を「面談シート」に記録すること
  そして、その面談内容を考慮して育児休業取得者のためのプラン(育休復帰支援プラン)を作成すること

(3) 育休復帰支援プランにより、業務の引継ぎを実施していること


  (※) 産前休業の終了後引き続き産後休業と育児休業をする場合には、産前休業開始日の前日 …… (2)、(3)
    産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業開始日の前日 …… (1)


 上記の取り組みを行ったうえで、連続3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業も含める)を取得させたことが、育児休業時の助成金受給の要件になります。

育休復帰支援プラン

 中小企業が、自社の従業員の円滑な育休の取得及び育休後の職場復帰を支援するために策定するプランであり、その内容として少なくとも次の事項をいずれも定めている必要があります。
 ・育児休業取得者の業務の整理、引継ぎに関する措置(円滑な育児休業取得のため)
 ・育児休業取得者の育児休業中の職務や業務内容に関する情報及び資料の提供に関する措置
  (職場復帰支援のため)

対面以外の方法での面談・引継ぎの実施

 対面での面談が難しい理由が対象労働者側であるときは、メールや電話など負担の少ない方法で行ってて差し支えないとされています。(引継ぎの場合は書面での実施も考えられる。)

対象者が休業開始日の直前に在宅勤務をしている場合の取り扱い

 在宅勤務規定を整備し、業務日報等により勤務実態(勤務日、始業終業時刻)が確認できることが必要です。(労働者との個別の取り決めによる単発・臨時の取り組みではなく、事業所として在宅勤務制度が導入されていることが必要)

    

職場復帰時(職場復帰後6か月まで)

 育休復帰支援プランによる措置等として、育児休業中及び職場復帰について次の取り組みを行います。

(1) 対象者の育児休業中(※)の職務や業務内容に関する情報や資料の提供を行うこと
  ・提供する情報として考えられるのは、業務データ、月報、業務マニュアル、企画書、業界紙など
  ・提供の方法は、郵送、電子メール、イントラネットの掲示板への掲載など


  (※) 産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業中を含む。

(2) 育児休業終了前に対象者の上司又は人事労務担当者と対象者が面談を実施して、その結果を「面談シート」に記録する
  こと(対象者が面談が困難な場合の取り扱いは、育児休業開始前の面談と同じ)

(3) 対象者を、上記(2)の面談結果を考慮して、原則として原職等(休業前と同一部署、かつ同一職務)に復帰させること


 上記の取り組みを行ったうえで、対象者を育児休業終了後、申請日まで、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用して、この間、雇用形態や給与形態の不合理な変更を行っていないことが、育児休業時の助成金受給の要件になります。
 ただし、対象者が育児休業時の助成金を受給していない場合は、上記の要件をすべて満たしていても職場復帰時の助成金を受給できません。

 なお、対象者の業務を事業所内の他の労働者が代替して、要件を満たす取り組みが行われた場合には、「職場支援加算」名目での加算があります。

対象者が原職等と異なる職務で復帰した場合の取り扱い

 対象者の希望により原職等と異なる職務で復帰する場合でも、その希望を面談記録により確認できる場合は助成金の対象になります。

対象者が原職等に復帰していても助成対象とならない場合

 職場復帰後6か月間について、就業予定日に対する実際の就業日の割合が5割未満の場合は、助成金の支給対象にはなりません。
(法に基づく休業や雇用調整助成金の対象となる休業は就業したものとみなします。)

復帰せずに、引き続き第2子に係る産前産後休業や育児休業を取得した場合

 この場合、第2子の産前産後休業や育児休業の期間は就労したものとみなされる。
 そのため、第2子の産前休業開始日を起算日とし て6か月以上継続雇用されていれば、支給対象とな
りうる。

職場復帰後、在宅勤務している場合の取り扱い

 休業開始日の直前に在宅勤務をしている場合と同様の考え方で就業したか否かを判断します。

【職場支援加算】

 対象者の業務を、以下に該当する事業所内の他の労働者が代替して、要件を満たす取り組みが行われた場合に行われる助成金支給額の加算です。

イ 対象者の業務を代替する者(業務代替者)
  ・雇用保険に加入していること
  ・対象者の育児休業中の業務代替要員として雇用された者でないこと
   (採用の時期が、対象者(又はその配偶者)の妊娠の事実等を事業主が知った日以前である者)
  ・業務を代替する期間について、連続1か月以上の期間が合計3か月以上となること。
   (業務代替者が複数の場合は、1人につき連続1か月以上の業務代替期間の実績が必要)

ロ 業務の見直し・効率化のための取組(以下のいずれも実施すること)
  ・対象者または業務代替者の業務について、次のいずれかの見直し・効率化の検討を行い、結果が確認できること

    a) 業務の一部の休止・廃止
    b) 手順・工程の見直し等による効率化、業務量の減少
    c) マニュアル等の作成による業務、作業手順の標準化
  ・対象育児休業取得者の育児休業中の業務分担を明確にし、業務代替者の上司又は人事労務担当者が業務代替者に
   代替業務の内容、賃金について、面談により説明していること。


ハ 代替業務に対応した賃金制度の整備と実施
  ・代替業務に対応した賃金制度(手当等)を労働協約又は就業規則に規定していること


二 上記ハの賃金制度に基づき、業務代替期間の業務代替者の賃金が次のとおり増額されていること
  ・1か月ごとの業務代替期間において1人につき1万円以上増額されていること
  ・上記の増額されている期間が合計3か月以上あること


 なお、ロとハについては、育児休業開始日の前日まで(※)に実施する必要があります。

  (※) 産前休業の終了後引き続き産後休業と育児休業をする場合には、産前休業開始日の前日
    産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業開始日の前日
  

    

代替要員確保時

 対象者の育児休業中の業務代替要員として、直接雇用もしくは派遣労働者の受け入れにより代替要員を確保するなど、以下に挙げる取り組みを行った場合は、「代替要員確保時」の助成金支給の対象となります。

(1) 育児休業取得者を育児休業終了後に、原職等に復帰させる旨の取扱いを労働協約又は就業規則に規定していること

(2) 育児休業取得者の代替要員として以下のすべての項目を満たす者を、新たな雇入れ又は新たな派遣により確保したこと
  ・育休取得者との関係や労働条件について
    a) 業務を代替する者であり、育休取得者が有資格者である場合は、その資格を持つ者であること
     (複数の業務を兼務する者のうち、育休取得者の業務は一部のみを代替する者は業務代替者に該当しない)
    b) 原則として同一の事業所及び部署で勤務していること
    c) 所定労働時間がおおむね同等であること


  ・育休取得者の育児休業期間(産後休業期間を含む)における勤務について、
    a) 連続して1か月以上、上記の「育休取得者との関係や労働条件について」の3項目(業務代替、勤務場所、所定

      労働時間)を満たして勤務した期間があること
    b) a)の期間が、合計して3か月以上又は90日以上あること


  ・育児休業取得者について、連続して3か月以上の育児休業(※)を取得させた上で、
    a) 復職時に原職等に復帰させたこと
    b) 原職等復帰後、申請日まで、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること
    c) b)の継続雇用の間、雇用形態や給与形態の不合理な変更を行っていないこと
     (6か月間の就業率5割以上、在宅勤務時の考え方は、職場復帰時と同じ)


      (※) 産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業を含む。

  ・代替要員として確保された時期について、
    a) 育児休業取得者(もしくはその配偶者)の妊娠の事実を事業主が知った日以降であること


  ・育児休業取得者が派遣労働者の場合について、
    a) 休業前から支給要件をすべて満たすまでの期間、同一の労働者派遣事業を行う事業主に雇用されていること


 なお、ここでの育児休業取得者(対象者)が有期雇用労働者であり、要件を満たす場合には、「有期雇用労働者加算」名目での加算があります。

複数の業務を兼務する者の取り扱い

 代替要員が従事しない育児休業取得者の一部の職務が、その育児休業取得者の業務全体に占めるる責任や時間などの割合がわずか(僅少)であると認められる場合は、支給対象となり得ます。

所定労働時間が「おおむね同等」であることについて

 ・代替要員の所定労働時間が短い場合は、育児休業取得者との所定労働時間との差が、
   a) 1日当たりであれば1時間以内(1か月あたりの所定労働日数が同等である場合に限る)
   b) 1週当たりであれば1割以内
 ・代替要員の所定労働時間が長い場合は、業務代替者としての要件を満たしていれば問題はない

【有期雇用労働者加算】

 育児休業取得者(対象者)が有期雇用労働者であり、以下の要件を満たす場合に行われる助成金支給額の加算です。

 
 ・育児休業開始日前の6か月間において、期間の定めのない労働者として雇用されていないこと

    

職場復帰後支援

 職場復帰後の支援として、育児・介護休業法を上回る「子の看護休暇制度」または、「保育サービス費用補助制度」を新たに整備して、利用実績があった場合に助成金支給対象になります。

子の看護休暇制度

 ここでの「子の看護休暇制度」は、以下をすべて満たして育児・介護休業法のそれを上回る内容のものです。
  ・有給休暇であること
  ・時間単位での取得ができること(時間未満単位とすることも可)
  ・いわゆる「中抜け」が可能であること
   (始業の時刻から連続せず、かつ、終業の時刻まで連続しない時間単位での休暇の取得を認める制度)


 次の要件を満たした場合に助成対象となります。
  ・平成30年(2018年)4月1日以降に、新たに労働協約又は就業規則に定めることで上記の制度を整備していること
  ・育児休業(※)を1か月以上取得した者が、原職等で職場復帰後6か月以内にこの休暇制度を10時間以上利用したこと
    (対象者の配偶者が同一事業主に雇用されている場合は、利用実績を合算して10時間以上であれば要件を満たす)


    (※) 産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業を含む。
  

保育サービス費用補助制度

 ここでの「保育サービス費用補助制度」は、小学校就学の始期に達するまでの子に係る臨時的・一時的な保育サービス(ベビーシッター、一時預かり、ファミリー・サポート・センター、家事支援サービス、病児・病後児保育など)について生じた費用の一部を補助するための制度です。

 次の要件を満たした場合に助成対象となります。
  ・平成30年(2018年)4月1日以降に、新たに労働協約又は就業規則に定めることで上記の制度を整備していること
  ・育児休業(※)を1か月以上取得した者が、原職等で職場に復帰した後6か月以内にこの補助制度で3万円以上補助を

   受けたこと
  ・「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」(内閣府)を受給していないこと

    (※) 産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業を含む。

 また、子の看護休暇制度、保育サービス費用補助制度それぞれの要件に加えて、育児休業取得者の職場復帰後6か月以上の継続雇用、6か月間の就業率5割以上など共通の要件があります。  

平成30年4月1日より前に制度を整備済みの場合の取り扱い

 子の看護休暇制度については、すでに無給・日単位での制度を設けている事業主が、有給・時間単位の制度に改正した場合、保育サービス費用補助制度については、上記の内容の制度に改正した場合にそれぞれ助成金支給対象になります。

    

助成金支給申請・支給額

育休取得時

 対象者の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合には、産後休業)の開始日起算で3か月を経過する日の翌日から2か月以内に、所定の様式による支給申請書を、事務所所在地の都道府県労働局に提出します。

 ・支給額…… 対象者(育児休業取得者)1人あたり 28.5万円(生産性要件を満たした場合 36万円)
 ・申請人数の上限……1事業主当たり、有期雇用労働者1人、無期雇用労働者1人まで

   

職場復帰時

 対象者の育児休業終了日の翌日起算で6か月を経過する日の翌日から2か月以内に、所定の様式による支給申請書を、事務所所在地の都道府県労働局に提出します。

 ・支給額…… 対象者(育児休業取得者)1人あたり 28.5万円(生産性要件を満たした場合 36万円)

 ・職場支援加算の要件を満たした場合の加算額……19万円(生産性要件を満たした場合 24万円)
 ・申請人数の上限……1事業主当たり、有期雇用労働者1人、無期雇用労働者1人まで
   

代替要員確保時

 対象者の育児休業終了日育児休業終了日の翌日起算で6か月を経過する日の翌日から2か月以内に、所定の様式による支給申請書を、事務所所在地の都道府県労働局に提出します。(実務上は職場復帰時の申請と同時)

 ・支給額…… 対象者(育児休業取得者)1人あたり 47.5万円(生産性要件を満たした場合 60万円)

 ・有期雇用労働者加算の要件を満たした場合の加算額…… 9.5万円(生産性要件を満たした場合 12万円)
 ・申請人数の上限……1年度(4月1日から翌年3月30日まで)1事業主当たり、10人まで
           なお、新世代法のくるみん認定を受けている事業主は、令和7年度末(令和8年3月31日まで)の
           間に50人までとされています。(年度ごとの制限はなし)

 ・加算申請期間の制限
     ……その事業主について、職場復帰時の受給要件を満たした者が最初に出た日(※)から5年間


      (※) 最初に支給決定された対象者(育児休業取得者)の原職等復帰日から起算して6か月を経過する日の翌日
   

職場復帰後支援

 対象者の育児休業終了日の翌日起算で6か月を経過する日の翌日から2か月以内に、所定の様式による支給申請書を、事務所所在地の都道府県労働局に提出します。(実務上は職場復帰時の申請と同時)
 なお、制度導入時の支給申請は、最初の制度利用者があったときに、その制度利用時の支給と併せて行います。

(1) 制度導入時
  ・支給額……1中小企業事業主当たり 28.5万円(生産性要件を満たした場合 36万円)
  ・支給回数……1事業主1回限り
         子の看護休暇制度、保育サービス費用補助制度のいずれかで最初の利用者があり、制度導入時の支給を
         受けた場合は、その後、残った一つの制度で最初の利用者があった場合でも支給申請はできません。

(2) 制度利用時
  ・支給額
    a) 子の看護休暇……取得した休暇1時間当たり 1,000円(生産性要件を満たした場合 1,200円)に取得時間を
              乗じた額
    b) 保育サービス費用補助……事業主が負担した費用の3分の2の額(百円未満は切り捨て)
  ・申請人数の上限……子の看護休暇、保育サービス費用補助それぞれに最初の支給申請日から3年以内に5人まで
  ・1年度(4月1日から翌年3月30日まで)1事業主当たりの支給の上限
    a) 子の看護休暇……200時間(生産性要件を満たした場合 240時間)
    b) 保育サービス費用補助……20万円(生産性要件を満たした場合 24万円)

同一事業主の事業所に勤務する父母が、同一の子の育児を理由に育児休業を取得する場合

 育児休業時、職場復帰時及び代替要員確保時のいずれも受給可能。