26 パートタイム・有期雇用労働法について(不合理な待遇差の禁止、待遇に関する説明義務)

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 2021(令和3)年4月に「パートタイム・有期雇用労働法」(通称)が中小企業に適用されます。(大企業は、2020(令和2)年4月施行)

 この法律は、従来からのパート労働者を対象とした「パートタイム労働法」(通称)を次の3つの項目で改正して、その対象に有期雇用労働者を加えたものです。派遣労働者については、労働者派遣法が同様の内容で改正されています。(非正規雇用労働者の雇用管理基準の統一的な整備)

 ①の「不合理な待遇差の禁止」は、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれで、短時間(パートタイム)や有期雇用の労働者と通常労働者(無期雇用フルタイム勤務のいわゆる正社員)の間に不合理な差を設けること、差別的な取り扱いをすることを禁じるものです。

 待遇差が禁じられるものに当たるかどうかの判断は次の3つの項目により行います。

 ここでの待遇は、改正前は単に「待遇」としていたものが、改正後は「基本給、賞与その他の待遇」と明確にされています。

 ②の「労働者に対する待遇に関する説明義務の強化」で、今回の改正で新設されたのが、「パートタイム労働者、有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇差の理由についての説明義務」です。パートタイム労働者、有期雇用労働者の求めがあった時にこの義務が生じます。説明の際に待遇を比較する通常の労働者(無期雇用フルタイム勤務)は、①で触れた(a)職務の内容、(b)当該職務の内容及び配置の変更の範囲などがパートタイム、有期雇用労働者に最も近いと事業主が判断する者となります。(比較する労働者を選ぶのはあくまでも事業主)

 この説明は、比較対象となる通常の労働者の個別具体の待遇、待遇に関する基準(賃金表など)をその内容として、待遇差がある場合にはその理由をあわせて説明します。説明の方法は、就業規則や賃金表などの資料を示して口頭で行うのが基本とされています。なお、この説明を求めたことを理由として不利益な取り扱いをすることは禁止されています。

 改正前からあったパートタイム労働者、派遣労働者を対象とした説明義務、具体的には、雇入れ時の雇用管理上の措置内容(賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用など)の説明義務、待遇決定に際しての考慮事項について(求めがあった場合)の説明義務については、改正後は有期雇用労働者も対象となります。

 ③の「行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備」については、パートタイム労働者、有期雇用労働者及び派遣労働者の均等・均衡待遇などに関する個別労使紛争が、各都道府県労働局の紛争調整委員会が実施する調停の対象となります。②の「待遇差の内容・理由に関する説明」についても同様の取扱いとなります。