23 育児休業・育児休業給付金以外の子育て支援制度(子の看護休暇、労働時間関係)

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 今回は、育児休業以外の子育て支援制度(事業主の義務とされているもの)を挙げていきます。
  

子の看護休暇

 小学校就学前の子(※1)について、病気や負傷した際の世話や、病気の予防のために必要な世話(予防接種や健康診断)を行う労働者(※2)が、事業主にその旨を申し出ることで取得できます。
 取得の単位は、1日、半日に加えて、 2021(令和3)年1月から時間単位での取得が可能となっています。 なお、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は、時間単位での取得のみ可能です。
 年度あたりの取得限度日数は、対象となる子が1人のときは5日、2人以上は10日です。
対象となる子が2人以上での取得日数では、一人の子で10日取得して他の子はゼロという配分も可能です。


  (※1)法律の条文では「小学校就学の始期に達するまでの子」といい、その子が6歳に達する日の
      属する年度の3月31日までのこと。年度とは、4月1日から翌年3月31日までです。
  (※2)日々雇用される労働者を除く。

 負傷や疾病で子が親の世話を必要とする時の制度ですから、労働者が休暇取得当日に電話により看護休暇取得の申出をした場合でも、事業主はこれを拒むことができないとされています。また、事業主には、看護休暇を取得する日を変更する権限は認められていません。
 例外として事業主が取得を拒むことができるのは、次の労働者について労使協定で看護休暇を取得できないと定めているときだけです。
 〇 その事業者の継続雇用期間が6カ月未満の労働者
 〇 週の所定労働時間が2日以下の労働者
 〇 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、1日未満(半日)単位で子の看護休暇を取得することが
   困難と認められる業務(※3)に従事する労働者

  (※3)子の看護休暇を取得することが困難と認められる業務は、次のとおり例示されています。

   ・国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務
   ・長時間の移動を要する遠隔地で行う業務
   ・流れ作業方式や交代制勤務による業務

   

【子の看護休暇を時間単位で取得するときの「中抜け」について】

 時間単位年休の導入で問題となるのが「中抜け」(勤務時間の途中で時間単位年休を取得してから勤務に戻ること)ですが、子の看護休暇について法律が導入を義務付けるのは、始業時刻から始まる時間単位の休暇と、終業時刻で終わる時間単位の休暇であり、中抜けの制度化までは求めていません。
 現時点では、中抜けを制度化するかどうかは、各事業所(事業主)の裁量ということです。

所定外労働の制限

 3歳未満の子を養育する労働者が請求したとき、事業主は、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、所定労働時間(※)を超えて労働させることはできません。 
 1回の請求につき、期間は1か月以上1年以内として開始日と終了日を事前に決める必要がありますが、請求回数の制限はありません。そして、事業主への請求は、その開始日の1か月前までに行います。

  (※)その会社において、法定労働時間(1日8時間、週40時間)の範囲内で定めた労働時間のこと。

 この制限期間は、次の場合には、制限中の労働者の意思にかかわらず終了します。
 〇 子を養育しないこととなった場合 (養子縁組の取り消し、子の死亡など)
 〇 子が3歳に達した場合(3歳到達日は、3歳誕生日の前日)
 〇 制限を請求した労働者について、新たに産前産後休業、育児休業又は介護休業が始まった場合

 請求対象となる労働者に、日々雇用の者は含まれません。また、労使協定で、その事業主の継続雇用1年未満、週の所定労働時間2日以下の労働者を対象外とすることができます。

  

時間外労働の制限

 小学校就学の始期に達するまでの子(※1)を養育する労働者がその子の養育のために、時間外労働(※2)の制限を請求した場合、事業主は、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、月24時間、年150時間を超える時間外労働をさせることができません。(期間の制限、事業主への請求などは、所定外労働の制限と同様)
 変形労働時間制やフレックスタイム制の対象者でもこの請求はできます。また、パートタイマーやアルバイトとして雇用されていても、日々雇用や労使協定による対象外(※3)とならない限り、請求できます。


  (※1)その子が6歳に達する日の属する年度の3月31日まで。
  (※2)法定労働時間の1日8時間、週40時間を超える労働のこと。この場合、所定労働時間経過後、
      法定労働時間に達するまでの時間は制限対象外です。
      (例えば、9時始業、休憩時間1時間で17時30分終業の所定労働時間7時間30分の事業所で
       いえば、17時30分から法定労働時間に達する18時までの30分間のことです。)
  (※3)その事業主の継続雇用1年未満、週の所定労働時間2日以下の労働者は、労使協定で対象から

      除外された場合は、この請求をすることができません。

 この制限期間は、次の場合には、制限中の労働者の意思にかかわらず終了します。
 〇 子を養育しないこととなった場合(養子縁組の取り消し、子の死亡など)
 〇 子が小学校就学の始期に達した場合
 〇 制限を受けている労働者について、新たに産前産後休業、育児休業又は介護休業が始まった場合

  

深夜業の制限

 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者がその養育のために深夜業の制限を請求した場合、事業主は、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、午後10時から午前5時までの時間帯に労働させることはできません。
 その労働者がパートタイマーやアルバイトとして雇用されている場合でも、請求ができないとされている者に該当しない限りは、請求できます。

 請求ができないのは、次の項目のいずれかに当てはまる労働者です。
 〇 日々雇用
 その事業者の継続雇用期間が1年未満
 週の所定労働日数が2日以下
 所定労働時間の全部が深夜(午後10時~午前5時)にある労働者
 深夜においてその子を常態として保育できる同居の家族がいる場合
  

 1回の請求につき、期間は1か月以上6か月以内として開始日と終了日を事前に決める必要がありますが、請求回数の制限はありません。そして、事業主への請求は、その開始予定日の1か月前までに行います。

 この制限期間は、次の場合には、制限中の労働者の意思にかかわらず終了します。
 〇 子を養育しないこととなった場合(養子縁組の取り消し、子の死亡など)
 〇 子が小学校就学の始期に達した場合
 〇 制限を受けている労働者について、新たに産前産後休業、育児休業又は介護休業が始まった場合

【 「深夜においてその子を常態として保育できる同居の家族」とは?

 16歳以上の同居家族で、次の3つの項目すべてに該当する者です。
 〇 深夜に就業していない者
   (深夜就業の日数が月3日以下は、深夜就業していない者とする)
 〇 負傷、病気などにより子の保育が困難な状態にある者ではないこと
 〇 6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産予定、または産後8週間以内の者ではないこと

    

所定労働時間の短縮措置等

 3歳未満の子を養育する労働者を対象とする短時間勤務制度を各事業主は、実施しなければならないとされています。
 この短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則6時間(許容範囲は、5時間45分~6時間)に短縮する措置を含まなければなりません。また、変形労働時間制の導入事業所においては、平均6時間勤務とする対応は認められず、あくまでも全労働日の所定労働時間を6時間としなければなりません。
 この短時間勤務制度での手続きについては、他の制度とは異なり法で定めたものがなく、事業主がそれぞれ定めることとなります。


 制度の適用対象となる労働者は、①日々雇用以外で、②1日の所定労働時間が6時間超で、③育児休業期間外であり、④労使協定で適用除外となっていない方です。

 次のいずれかに当てはまる労働者は、労使協定により適用除外とされることがあります。
 〇 その事業主の継続雇用が1年未満
 〇 週の所定労働時間が2日以下
 〇 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務
   に従事する労働者

 困難と認められる業務に従事する労働者に対しては、事業主は代替措置として、育児休業に関する制度に準ずる措置又は「始業時間変更等」の措置(フレックスタイム、時差出勤など)を講じなければならないとされています。

  

「困難と認められる業務に従事する労働者」とは?

 指針(厚生労働省告示)では、次のとおり参考例を示しています。

 イ 業務の性質に照らして、制度の対象とすることが困難と認められる業務
     ……国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務

 ロ 業務の実施体制に照らして、制度の対象とすることが困難と認められる業務
     ……労働者数が少ない事業所で、当該業務に従事しうる労働者数が著しく少ない

       業務
 ハ 業務の性質及び実施体制に照らして、制度の対象とすることが困難と認められる業務
  〇 流れ作業方式による製造業務であって、短時間勤務の者を勤務体制に組み込むことが

    困難な業務
  〇 交替勤務制による製造業務であって、短時間業務の者を勤務体制に組み込むことが

    困難な業務
  〇 個人ごとに担当する企業、地域等が厳密に分担されていて、他の労働者では代替が

    困難な営業業務    

所定外労働の制限と期間を重複して請求できるもの、できないもの

 〇 重複して請求できるのは、「所定外労働の制限」と「所定労働時間の短縮」
 〇 重複して請求できないのは、「所定外労働の制限」と「時間外労働の制限」

  

※ 以上の他に、事業主が実施するよう努力するものとして、小学校就学の始期に達するまでの
  子を養育する労働者に関する措置が育児・介護休業法で定められていますが、今回は触れな
  いこととします。

  

【この投稿の執筆者】
  
 札幌・新道東コンサルオフィス代表
    特定社会保険労務士 塚田 秀和

代表 塚田秀和