22 育児休業と産後パパ育休

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 この投稿では、令和4年10月1日時点での育児休業、新設された産後パパ育休(出生時育児休業)、1歳6カ月まで育児休業、2歳までの育児休業、パパ・ママ育休プラスを説明します。
 従来からの育児休業給付金、令和4年10月新設の産後パパ育休を対象とした出生時育児休業給付金は、投稿「21 育児休業給付金」(投稿へのリンク)で説明しています。
 なお、この投稿記事では、従来からの育児休業について、産後パパ育休等と区別し分かりやすくするため「育児休業(1歳までの育児休業)」としています。  

  

育児休業(1歳までの育児休業)

 1歳に満たない子(1歳の誕生日の前日まで)の養育のための休業で、事業主に対して申し出て取得します。
 対象となる子は、実子に限らず養子や養子縁組里親に委託されている子なども含まれます。
  ⇒ ただし、退職が確定又は予定されている場合は支給対象外となります(職場復帰を前提とした制度であるため)
  

休業期間と申出可能回数(取得可能回数)

 休業期間は、子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で労働者が申し出た期間で最長1年です。出生後8週間は母親の産後休業期間ですが、母親はこの期間も含めて最長1年です。

 申出可能回数は、原則2回まで。特別の事情がある場合に限り3回目の申出(取得)ができる。
 (保育園に入所できない場合等の1歳6か月までの育児休業、2歳までの育児休業は各1回)
  

3回目の申出(取得)に関する「特別の事情」

 次のイ~ハのいずれかに該当するときに3回目の申出(取得)が可能となります。

イ 当初の育児休業が法定の理由により期間途中で終了した場合について、次のa~cのいずれか
 a) 新たな産前産後休業の開始による期間途中での終了後に、新たな休業の対象となる子の死亡、
  申出をした労働者と同居しなくなったとき
 b) 新たな産前産後休業又は産後パパ育休の開始による期間途中での終了後に、それらの新たな休業の

  対象となる子の死亡、同居しなくなったとき、特別養子縁組の不成立等
 c) 介護休業の開始による期間途中での終了後に、その介護休業の対象家族の死亡、申出をした労働
  者との親族関係の消滅

  ※ a、bの「同居しなくなったとき」には、転勤等の事情による場合も1年程度以上の期間同居しない
    状態が続くときは含む。


ロ 配偶者について、次のa~cのいずれか
 a) 死亡したとき
 b) 負傷、疾病、身体上若しくは精神上の障害により子の養育が困難となったとき
 c) 婚姻の解消等により休業の対象となる子と同居しないこととなったとき


  ※ c の「同居しなくなったとき」には、転勤等の事情による場合も再度の育児休業申出の時点から
    1月間を超えて同居しない状態が続くときは含む。

ハ すでに2回育児休業の申出の対象となった子(1歳未満)について、次のa、bのいずれか
 a) 負傷、疾病等により、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態となったとき  
 b) 保育所等における保育利用の申込みを行っているが、当面その実施が行われないとき

  

申出ができる労働者

 以下のいずれかに該当する者以外は、事業主に対して育児休業の申出をできます。

〇 日々雇用される労働者
〇 その事業場の労使協定で育児休業の申出の対象外とされた労働者
〇 有期雇用労働者のうち、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が面了することが明らかな者 (※)

 (※) 育児休業申出の時点で、①労働契約の期間満了、②労働契約の更新がないことのいずれかが確実でなければ
   「満了することが明らかでない」とされます。
  

日々雇用されるもの

 1日単位の労働契約期間で雇われ、その日の終了により労働契約も終了する契約形式の労働者。

 ただし、労働契約の上では日々雇用となっていても、その労働の実態が、期間の定めのない契約(無期契約)と実質的に異ならない状態である場合は、実質的に無期契約の労働者として育児休業や介護休業の対象となります。
  

労使協定で育児休業の申出ができないと定めることができる者

労使協定で、次のイ~ハのすべて又は一部について申出の対象外とすることができます。

イ 雇用された期間が1年未満の労働者
ロ 1年以内に雇用関係が終了する労働者(1歳以降の休業では6か月)
ハ 週の所定労働日数が2日以下の労働者
  

事業主に引き続き雇用された期間

 事業所間異動があった場合でも、各事業所での雇用期間を通算します。
 また、労働組合の専従者となっている期間、長期療養等のための休職期間のように、労務の提供が行われていない期間も、労働契約関係が継続する限り雇用された期間とします。
  

1週間の所定労働日数の判断

 原則として休業申出の時点までの1か月間の状況等を踏まえて判断します。

  

手続きについて

休業の申出の内容

 申出に係る子の氏名、生年月日(もしくは出産予定日)及び労働者との続柄等、育児休業の開始予定日と終了予定日などが内容となります。
  

申出の開始予定日から実際に休業するには

 原則として開始予定日1か月前までの申出が必要ですが、次のa~fの特別の事情がある場合に限り1週間前までの申出が認められます。

a) 出産予定日より早く子が出生したとき
b) 配偶者が死亡したとき
c) 配偶者が病気、負傷等で育児休業申出に係る子を養育することが困難になったとき
d) 配偶者が子と同居しないこととなったとき
e) 子が負傷、疾病等により2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態になったとき
f) 保育所等における保育利用の申込みを行っているが、当面その実施が行われないとき

  

事業主の対応

〇 経営困難、事業繁忙などの理由で適法な育児休業の申出を拒むことはできない。その例外は、法の定めや労使
  協定で申出ができないとされた労働者からの申出があったときに拒むことができることのみ。

〇 申出を受けた後に、その申出を受けた旨、申出の介護休業の開始予定日と終了予定日を労働者に速やかに通知
  しなければならない。 申出を拒む場合は、その旨、その理由もあわせて通知が必要となる。
  

休業開始予定日の変更

〇 特別の事情がある場合に限って開始予定日の繰上げの申出が1回可能
   ⇒ 特別の事情は、前述の1週間前までの育児休業の申し出が認められる場合と同じ項目

労働者が希望する日に繰上げるには、1週間前までの申出が必要で、それ以降に申出た場合は、事業主が
  申出日の翌日起算で1週間以内で開始日を指定することが可能となる。
  

休業終了予定日の変更

繰り下げは、1回に限り、休業終了予定日の1か月前までに申出が可能
  終了予定日の1か月前までに行われなかった申出について、事業主が応じる法的義務はないとされています。
  

休業の申出の撤回

休業開始予定日の前日まで可能ですが、その撤回した育児休業は既に取得したものとみなされます。
  撤回されたのが1回目の育児休業の場合は、改めて2回目の育児休業を申し出て取得することが可能ですが、

  撤回した休業が2回目に当たる場合(撤回を2度続けた場合を含む)は、再度の申出はできません。

ただし、次のイ、ロの「特別な事情」がある場合に限り、2回目の休業に係る申出撤回後でも再度の申出が
  できます。

イ 配偶者について、次のa~cのいずれか
 a) 死亡したとき
 b) 負傷、疾病、身体上若しくは精神上の障害により子の養育が困難となったとき
 c) 婚姻の解消等により休業の対象となる子と同居しないこととなったとき


  ※ c の「同居しなくなったとき」には、転勤等の事情による場合も再度の育児休業申出の
    時点から1月間を超えて同居しない状態が続くときは含む。

ロ 撤回された申出の対象となった子(1歳未満)について、次のa、bのいずれか
 a) 負傷、疾病等により、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態となったとき  
 b) 保育所等における保育利用の申込みを行っているが、当面その実施が行われないとき

      

育児休業(1歳まで)開始予定日の1か月前までに申出をしなかった場合

 その場合には、申出の休業開始予定日と、申出日の翌日起算で1か月経過する日までの間で、事業主が休業開始予定日を指定することができます。

【例】
・労働者の申出日:3月10日
・申出の休業開始予定日:4月1日


 事業主は、労働者申出の開始予定日4月1日と、申出日の翌日起算での1か月経過日である4月10日の間で、開始予定日を指定できます。

  

 出産予定日以前の出生など1週間前の申出が可能な場合は、上記の1か月を1週間に置き換えて考えます。
  

申出等の方法

 労働者からの申出や、事業主からの通知の方法は、次のイ~ハのいずれかでイが原則の方法、ロ、ハは労働者が希望した場合に限り使用可能となります。

イ 書面を提出する方法(手交もしくは郵送)
ロ ファクシミリを利用して送信する方法
ハ 電気通信回線を通じて事業主の使用に係る通信端末機器に送信する方法
  

 ハの方法は、電子メール等の記録を出力することで書面を作成できることが前提となっています。
 その前提で、電子メール以外にも、イントラネット(企業内LAN)、SNS(LINE、Facebook など)を利用した申出が認められています

  

休業期間の満了以外の終了事由

 次のイ~ロのいずれかに該当した場合は、申出をした労働者の意思にかかわらず育児休業の期間は終了します。

イ 子を養育しないこととなった場合
   ⇒ 子の死亡、労働者の負傷・疾病による養育困難など
ロ 子が1歳に達した場合
ハ 育児休業をしている労働者について産前・産後休業、産後パパ育休、介護休業又は新たな育児休業が始まった
  場合

  

休業期間中の一時的・臨時的就労

 一時的・臨時的就労は、育児休業開始後に生じた理由により、子の養育をする必要がない期間に限って行えるものです。
 例えば、育児休業開始前に決めたとおりに1日4時間で月20日勤務、特定の曜日の特定の時間帯に勤務するといった就労は該当しません。(この例は、恒常的・定期的就労とされる)
 また、 一時的・臨時的就労を行うにあたっては、労働者が自ら事業主の求めに応じ、合意することが必要であり、事業主の一方的な指示で行わせることはできません。

  ⇒ これに対して、産後パパ育休期間中の就労は、休業する労働者自らが休業開始前に就業可能日・時間などを
    申し出て、事業主と合意した内容で実施できるものです。また、事業主が就労を求めることはできません。
  

一時的・臨時的就労の例

【その1】
 育児休業開始当初は、労働者Aは育児休業期間中に出勤することを予定していなかったが、自社製品の需要が予期せず増大し、一定の習熟が必要な作業の業務量が急激に増加したため、スキル習得のための数日間の研修を行う講師業務を事業主が依頼し、Aが合意した場合

【その2】
 労働者Bの育児休業期間中に、限られた少数の社員にしか情報が共有されていない機密性の高い事項に関わるトラブルが発生したため、当該事項の詳細や経緯を知っているBに、一時的なトラブル対応を事業主が依頼し、Bが合意した場合

【その3】
 労働者Cの育児休業期間中に、トラブルにより会社の基幹システムが停止し、早急に復旧させる必要があるため、経験豊富なシステムエンジニアであるCに対して、修復作業を事業主が依頼し、Cが合意した場合

【その4】
 災害が発生したため、災害の初動対応に経験豊富な労働者Dに、臨時的な災害の初動対応業務を事業主が依頼し、Dが合意した場合

【その5】
 労働者Eは育児休業の開始当初は全日を休業していたが、一定期間の療養が必要な感染症がまん延したことにより生じた従業員の大幅な欠員状態が短期的に発生し、一時的にEが得意とする業務を遂行できる者がいなくなったため、テレワークによる一時的な就労を事業主が依頼し、Eが合意した場合

(出典)リーフレット「育児休業中の就労について」(厚生労働省/令和2年12月作成) 

  

産後パパ育休(出生時育児休業) 令和4年10月より

 男性社員の育休取得促進のために創設されたもので、正式名称は「出生時育児休業」。
 そのポイントは次のとおりです。

子の出生後8週間以内に合わせて4週間まで取得可能
〇 2回に分けて取得可能
〇 休業の申し出は、休業開始の2週間前まででOK

労働者からの申し出により休業中の就業が可能

 申出ができるのは、産後休業中以外の労働者であり、養子の場合は女性も申出(取得)可能です。
 なお、有期雇用労働者については、子の出生後8週間となる日の翌日から6月以内の契約満了が明らかでない場合に、申出ができます。
  ⇒日々雇用される者が法律上対象外であること、労使協定で対象外とできる者の範囲は、育児休業と同様

 対象期間の子の出生後8週間以内は、下図のとおり出産日が予定日より前か後かによって変わります。

 この対象期間内に合わせて4週間、2回までの分割取得が可能ですが、申出の手続きなどで前述の育児休業(1歳までの育児休業)とは次のような違いがあります。

・申出の開始予定日から実際に休業するには、開始予定日の2週間前までの申出が必要なこと
・2回に分割して取得する場合は、1回目の申出の際に2回目もまとめて申出を行うこと
   ⇒ 2回目の申出が個別に行われても、事業主に応じなければならない法的義務はない(拒める)
・特別な事情がある場合の「3回目の申出」の規定はない
・開始予定日の繰上げについては育児休業(1歳までの育児休業)と同じだが、終了予定日の繰下げについて

 は、1週間前までの申出とされていること
・申出の撤回は、育児休業と同様に可能だが、撤回後の再度の申出はできないこと

  

 なお、申出の期限は、厚生労働省令で定める内容で「出生時育児休業申出が円滑に行われるようにするための雇用環境の整備等」を行い、必要となる労使協定を締結した事業主に限り2週間超1か月以内で設定できる。  

  

産後パパ育休期間中の就業

 産後パパ育休期間中の就業は、就業させることができる労働者の範囲について労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主が休業開始前に調整・合意した内容で行うことができます。

 労使協定での就業させることができる労働者の範囲の限定について、令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A (令和4年7月25 日時点)では次のような定めも可能としています

・休業開始日の○週間前までに就業可能日を申し出た労働者に限る
・1日勤務できる者(所定労働時間より短い勤務は認めないなど)に限る
・特定の職種や業務(営業職は可だが事務職は不可、会議出席の場合のみ可など)に限る
・特定の場所(A 店は可だがB 店は不可、テレワークは不可など)で勤務できる者に限る
・繁忙期等の時期に取得する者に限る  

 就業可能日の上限は、休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分とされており、休業開始予定日又は終了予定日を就業日とする場合は全日勤務はできません。(時間単位でもよいので必ず休業させること)

 前述の事業主・労働者間の調整・合意は、休業開始予定日前日までに行いますが、そこでの具体的な手続きの流れは以下①~④のとおりです。

① 労働者が就業を希望する場合に、事業主にその条件を申し出る
 (事業主から労働者への申出の要求は不可)
   ⇒ 申し出る条件は、次の3項目
     ・就業可能日
     ・就業可能日における就業可能な時間帯(所定労働時間内の時間帯に限る)
     ・その他の労働条件(例:就業の場所(テレワークの可否を含む))


② 事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を書面で提示

   ⇒ 候補日等がないなどの理由で事業主が就業を希望しない場合はその旨を提示

③ 事業主の提示内容の全部または一部に労働者が同意

④ (③の同意を受けて)就業日時、その他労働条件を事業主が労働者に書面で通知
   

 労働者は、出生時育児休業開始予定日の前日までは、就業可能日等の変更又は申出の撤回、同意の全部又は一部の撤回ができます。
 出生時育児休業開始予定日以後の労働者からの撤回は、次の特別の事情がある場合に限られます。

イ 配偶者について、次のa~cのいずれか
 a) 死亡したとき
 b) 負傷、疾病、身体上若しくは精神上の障害により子の養育が困難となったとき
 c) 婚姻の解消等により休業の対象となる子と同居しないこととなったとき


ロ 撤回された申出の対象となった子(1歳未満)について、負傷、疾病等により、2週間以上の期間
 にわたり世話を必要とする状態となったとき
     

 産後パパ育休(出生時育児休業)期間中の就業日はあくまでも「労働日」であるため、労働者が撤回事由に該当しない事由で休むために年次有給休暇を取得することは可能。
 また、その休業期間開始後に予定していた業務がなくなった場合に、それを理由として事業主から当該就業日について撤回をすることはできません。
   

   

1歳6カ月、2歳までの育児休業

 パパママ育休プラス以外での1歳以後の育児休業は、その要件を満たせば、「 1歳から1歳6か月まで」「1歳6か月から2歳まで」での取得が可能です。
 なお、1歳の時点で2歳までの育児休業をまとめて申し出ることはできません。
  ⇒ あくまでも1歳時点、1歳6か月時点で休業が必要かどうかでそれぞれ判断する  

 

  

1歳6か月までの育児休業

 次の要件1、2のいずれにも該当する場合に限り、1歳以降1歳6か月までの育児休業の申出を事業主に対して1回行うことができる。
  ⇒ 育児休業(1歳までの育児休業)での3回目の申出に係るものと同じ「特別の事情」に該当する場合に限り
    2回目の申出が可能
  

1.申し出る労働者本人または配偶者が、申出の対象となる子の1歳到達日
   (1歳の誕生日前日)に育児休業をしていること

ここでの「1歳到達日の育児休業」としては、次の2つの場合があります。
  
a) 労働者本人が、子の1歳到達日が終了予定日の育児休業中(※)で、引き続き休業をしようとする

  場合
b) 配偶者が、子の1歳到達日が終了予定日の育児休業中(※)で、当該労働者が休業をしようとする

  場合

 (※) 子の1歳到達日が終了予定日の育児休業を取得するための申出を既にしている場合も含む。

  

2.その子の1歳到達日後(1歳の誕生日以降)の休業が雇用継続のために特に必要と
   認められる場合に該当すること

a) 保育所等での保育の利用を希望し、申込みをしているが、その子の1歳到達日後、当面実施され
  ない場合

b) 現にその子を養育し、1歳到達日後も常態として養育を行う予定の配偶者が次のいずれかに該当
  した場合
  ・死亡
  ・負傷、疾病などによりその子を養育することが困難な状態になったとき
  ・婚姻の解消など(※)により配偶者がその子と同居しないこと
  ・6週間(多胎妊娠の場合は 14 週間)以内に出産予定または、産後8週間を経過しないとき

  
 (※) 転勤等の事情による場合も、1歳6か月までの育児休業の申出の時点から1か月を超えて同居
   しない状態が続くときは、含まれる。
   

 この申出での休業開始予定日は、1歳到達日の翌日(1歳の誕生日)が原則ですが、配偶者が1歳以降の育児休暇を取得する場合は、1歳以降1歳6か月までの期間途中での開始も可能です。
 また、終了予定日は、1歳6か月到達日までの間で設定します。
  ⇒ 期間途中の開始では、配偶者の育児休業期間と重複するか、配偶者の育児休業終了日の翌日に休業を開始するかのい
    ずれかにより、夫婦が交代して切れ目なく休業する形としなければならない(休業の空白期間を作ってはならない)
  

 事業主への申出の期限は、下表の3パターンに分かれます。

   
  

 開始予定日の繰上げについての規定はなく、終了予定日の繰下げは、終了予定日の1週間前までの申出により1回限り認められています。
 申出の撤回は、開始予定日前日まで1回に限り可能ですが、再度の申出は原則としてできません。
  ⇒
育児休業(1歳までの育児休業)で2回撤回後の再度の申出を可能とする「特別の事情」と同様の場合に限り再度の
    申出が可能

 (※)上限回数を超えた育児休業の申出を可能とする「特別の事情」と申出撤回後の再度の申出を可能とする「特別の事
    情」は異なるので注意が必要

  

ここでいう「保育所等」の範囲

 ・保育園
 ・就学前の子どもに関する教育
 ・認定こども園(保育等の総合的な提供の推進に関する法律)
 ・家庭的保育事業(児童福祉法)
などですが、認可外保育施設は含みません。
  
  

保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が
  行われない場合について

 市町村に対して保育の申込みを行っているが、(1歳6カ月までの延長の場合)少なくとも子の1歳到達日(※)の翌日において保育が行われないという通知を市町村から受けている場合をいいます。
  
 (※) 2歳までの延長では、子の1歳6か月到達日と読み替え

  

歳までの育児休業

 1歳6か月までの育児休業と、要件、取得可能回数、開始・終了予定日などの考え方は同じで、1歳6か月までの休業での「1歳」を1歳6か月、「1歳6か月」を2歳にそれぞれ読み替えるだけです。
 ちなみに事業主への申出の期限は、下表のとおり設定されています。
  

  

  

パパ・ママ育休プラスの特例(令和4年10月以降も継続)

 次の3つの要件すべてに当てはまる場合は、子の1歳2カ月到達日(生後1年2か月となる日の前日)までの育児休業を取得することができます。

イ 育児休業を取得しようとする労働者本人(申出をする者)の配偶者が、子の1歳到達日(1歳の誕生
  日前日)以前に育児休業をしていること
ロ 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
 本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日以降であること


 ⇒次のような場合はこの特例は使えません
   ・開始予定日以前に配偶者が育児休業を取得していなかった場合
   ・本人の育児休業の開始が子の1歳誕生日の翌日以降である場合

 この特例は、育児休業(産後パパ育休の期間を含む)の上限日数は原則の1年間(365日)のままで、休業することが可能な時期だけを子の1歳2カ月到達日(生後1歳2か月となる日の前日)まで延長するものです。

 厚生労働省の関係通達では、パパ・ママ育休プラスの利用例として下図の4つのパターンが示されています。
 そのうち、【例4】のみ母の育休開始前に父が産後パパ育休又は育児休業(1歳までの育児休業)を取得している必要があります。

  


       

パパ休暇の廃止に伴う経過措置

 パパ休暇は、産後パパ育休の創設に伴い、令和4年9月末で廃止されましたが、経過措置として廃止まで今年9月末まで)に取得したパパ休暇は、産後パパ育休(出生時育児休業)の取得可能回数や日数などの規定の適用にあたって産後パパ育休とみなすこととなっています。
 例えば、今年9月にパパ休暇を10日取得していれば、10月以降に取得できる産後パパ育休は、1回で18日までとなります。     

パパ休暇で始めて今年10月以降に続く育児休業の取り扱いについて別投稿で説明しています。

  

パパママ育休プラスから1歳6か月までの育児休業延長

 パパママ育休プラスでの育児休業が終了する時点での状況が、前述の1歳6カ月までの育児休業の要件に当てはまる場合は、1歳6カ月までの育児休業を事業主に申し出ることができます。

 「パパママ育休プラスでの育児休業」と「1歳6か月までの育児休業」は、連続して取得する形になります。
 空白期間を設けることができないので、1歳6か月までの育児休業の開始予定日は、パパママ育休プラスでの育児休業終了予定日の翌日に限られます。

 本人のパパママ育休プラスによる育児休業が終了する前に、配偶者が1歳6か月までの育児休業を別に取得することはできないため、例えば、上の図の【例4】の母の場合は、いったん育児休業(パパママ育休プラス)を予定どおり終了して、父の育児休業(パパママ育休プラス)の終了日(5月31日)の翌日(6月1日)に、改めて1歳6か月まで育児休業を開始することになります。

  

  

【この投稿の執筆者】
  
 札幌・新道東社労士オフィス代表
    特定社会保険労務士 塚田 秀和

代表 塚田秀和