17 派遣労働者の同一労働同一賃金(派遣労働者の賃金の決め方が変わる)

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 労働者派遣法改正に伴い、2020(令和2)年4月から派遣労働者の待遇について、賃金の決め方にまで踏み込んだ措置が派遣元事業主(派遣会社)に新たに課されています。
 今回、派遣元事業主は、①派遣先均等・均衡方式、②労使協定方式のいずれかによる対応を新たに求められます。

 このうち、①の「派遣先均等・均衡方式」では、まず、派遣先から派遣元事業主に対して、派遣労働者が従事する業務ごとに、派遣労働者との比較対象となる派遣先の自社労働者の賃金などの待遇情報が提供されます。 仮に、派遣先から派遣元事業主への情報提供がないのであれば、その労働者派遣契約は締結できません。
 派遣元事業主は、その情報により、派遣先の自社労働者と比較して均等・均衡な待遇(派遣労働者であることを理由とする差別的な取扱い、不合理な待遇差がないこと)となるように派遣労働者の賃金水準などを決めます。そして、派遣料金の交渉を行います。

 ②の労使協定方式では、派遣元において事業主と過半数労働組合(ないときは過半数代表者)の間で労使協定を書面で締結します。
 この労使協定は、派遣労働者の賃金を「同種の業務に従事する一般労働者の賃金と同等」以上の水準に定めること、公正な評価による賃金決定を行うこと、賃金などを除く待遇の決定方法、派遣労働者に対する教育訓練などをその内容としています。

 ②での賃金水準の決定では、①での派遣先からの情報に代わり、厚生労働省が毎年6~7月に発出する局長通達で示される「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」の統計データが参照すべきものとなります。
 ちなみに、②の方式で求められる派遣先からの情報提供は、教育訓練、福利厚生施設に関するものに限られます。(情報提供自体は必要)

 今回の法改正の根底にある考え方は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用でフルタイム)と派遣労働者の待遇の間にある不合理な差の解消を目指すというものです。また、派遣先が変わるごと(例えば、大企業から中小企業へ)に賃金水準が変わることで、派遣労働者の所得が不安定になることを避けるという視点、派遣労働者へのキャリアアップ支援に対する配慮もあります。

 この派遣労働者の同一労働同一賃金は企業の枠を超えた職種ごとの同一賃金であり、これまで言われてきた日本型の同一労働同一賃金(企業内での正社員、有期雇用の契約社員などの雇用形態の別による不合理な賃金格差の解消など)とは一線を画すものであるため、2020(令和2)年4月以降の労働市場への影響に目くばせをする必要が出てきます。