17 労基法26条の休業手当

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 休業手当について定める労働基準法第26条は、このような条文です。

   使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の
   百分の六十以上の手当を払わなければならない。

 この条文中の、使用者の責に帰すべき事由、休業期間と手当額の2つを見ていきます。
  

【使用者の責に帰すべき事由】

 これを裏返して休業手当の支払義務がない「使用者の責に帰さない事由」は何かといえば、「不可抗力による休業」になります。

 不可抗力による休業と言えるためには、
 ① その原因が事業の外部より発生した事故であること
 ② 事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること
という要素をいずれも満たす必要があります。
 (新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(令和3年11月22日現在版 4-問7))

 実際の事例に対する行政の解釈例規を見ると、
〇 下請け工場が、親会社の経営難により資材や資金の供給を受けられず、他の会社からの獲得もできないために休業した
  場合は、「使用者の責に帰すべき理由」に該当する。

〇 計画停電が実施される場合で、停電の時間帯の電力供給がないことによる休業は、「使用者の責に帰すべき理由」に該当
  しない。
といったものがあります。

 また、災害被災により、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け、その結果、労働者を休業させる場合は、休業の原因が事業主の関与の範囲外のものであり、事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故に該当すると考えられるとするQ&Aがあります。

 さらに、災害により事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていないが、取引先や鉄道・道路が被害を受け、原材料の仕入、製品の納入等が不可能となったことにより労働者を休業させる場合は、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当すると考えられるとしながらも、具体的に、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、他の代替手段の可能性、災害発生からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案した結果、「不可抗力による休業」の2つの要件を満たすときは、例外的に「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しないと考えられるとするQ&Aもあります。
 (令和2年(2020 年)7月豪雨による被害に伴う労働基準法や労働契約法に関するQ&A Q1-4、1-5)
   

【休業期間と手当額】

 他の日より所定労働時間が短い日に休業させた場合でも、その日の休業手当は平均賃金の百分の六十相当額を支払います。(日ごとの所定労働時間に応じた減額はできない)
 対象日の一部を休業させた場合(半日休業など)は、対象日に就労した時間に対する賃金額が平均賃金の百分の六十を下回るのであれば、その下回る額(差額)を休業手当として支払います。