16 未払賃金立替払事業

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 勤めていた会社が倒産して給与や退職金が未払いのまま退職した場合に、事業主に代わって国がその一部を立替払いするのが「未払賃金立替払制度」です。
 過去5か年では、毎年度2万2千~2万4千人に対して80億円台の立替払の実績があります。

  
 この制度では、事業者(会社)、労働者(社員)それぞれの要件があります。
   

事業主の要件

 次のいずれにも該当することが必要です。

 ① 労災保険適用事業として、1年以上の事業実施
 ② 倒産していること

    ⇒ 法律上の倒産もしくは事実上の倒産(中小企業主のみ)

「法律上の倒産」

 裁判所により手続開始の決定もしくは清算開始の命令がされている場合
  ⇒ 破産手続開始の決定を受けた場合
    特別清算開始の命令を受けた場合
    再生手続開始の決定があった場合

    更生手続開始の決定があった場合

「事実上の倒産」

 中小事業主による法律上の倒産に関する手続きは行われていないが、労働基準監督署長が退職した者からの申請により、その企業が、事業活動停止、再開の見込みなし、賃金支払能力なしの状態にあると認定した場合

 事実上の倒産の認定に係る労働者からの申請は、退職日の翌日から6ヶ月以内に行う必要があります。立替払の希望者が2人以上のときは、そのうちの1名が申請すればよいとされています。

   

労働者の要件

 次のいずれにも該当することが必要です。

 ① 退職日の要件として、破産開始手続き等の申立日もしくは認定申請日の6か月前の日から2年の間に
   退職していること
 ② 未払賃金額等について、破産管財人等の証明もしくは労働基準監督署長の確認を受けていること

 労災保険適用事業の事業所に雇用されていた労働者は、その事業主の労災保険加入手続きや保険料支払の有無にかかわらず、立替払の対象となります。

 事業主の倒産を事実上の倒産として立替払の手続きを進める場合は、次のイ、ロの順に労働基準監督署長(※)に対して2度の手続きを行います。

 イ 事業活動停止、再開の見込みなし、賃金支払能力なしの状態にあること(事実上の倒産)認定
 ロ 未払賃金額等についての確認

 (※) 退職事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して、その事業主の住所地(本社所在地)を管轄する
    労働基準監督署長に対して申請します。

立替払の対象となる未払賃金

 対象となるのは、

 ① 退職日の6か月前から立替払請求日までに支払日がある定期賃金
    ⇒ 基本給、通勤手当、時間外勤務手当、家族手当など
 ② 退職金

 逆に、対象外とされるのは、 
  ・賞与など臨時的に支払われる賃金
  ・解雇予告手当
  ・実費弁済としての旅費など

 また、未払賃金額は、次の書面の金額であり、その合計額が2万円未満の場合は、立替払の対象外となります。
  ・法律上の倒産では、破産管財人等または裁判所が交付する「証明書」
  ・事実上の倒産では、所轄労働基準監督署長が交付する「確認通知書」

   

立 替 払 額

 立替払額は、未払賃金総額の8割です。
 右表のとおり年齢層別に未払賃金総額の上限額が定められており、未払賃金総額が上限額を超えるときは、上限額の8割が立替払額となります。

 この制度で立替払を受けた額は、原則として定期賃金、退職手当のいずれかを問わず全額退職所得として課税されます。

   

立替払の請求

 実施機関である独立行政法人労働者健康安全機構に対して、破産開始手続き等の申立日もしくは認定申請日の翌日から2年以内に請求します。

 機構には、立替払請求書と合わせて証明書もしくは確認通知書も送付します。 

この制度に関する問い合わせは、機構と労働基準監督署で受け付けています。