14 削減した残業代をどう切り分けるか?(最低賃金の底上げ、基本給もからめて)

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 最近、働き方改革関連の報道で気になったのが「働き方改革で収入減」になってしまったというものです。具体的には、残業削減の結果、手取りも減ってしまったケースです。

 非効率な働き方を改善して時間外労働を減らして本来あるべき労働時間数に近づいたのだから、本来あるべき労働時間数に見合った賃金を払う。手取りが減ることはこれまで非効率な労働に払っていた残業代がなくなった結果そうなったもので、法違反になることは何もないというのであれば、社員にとっては厳しい話です。

 相当の時間外労働が切れ目なく続く会社の社員にとつての残業代は、毎月の額が事前に読めるお金になっているのではないでしょうか。そのようなところに、事前に十分な説明がなく手取りの大幅な減少となれば、「社員自らの自由時間が大幅に増える」という時間外労働削減の大きなメリットがかすんでしまい、時間外労働削減への自らの貢献が評価されていないという認識と相まって社員のモチベーション低下(悪循環のはじまり)のリスクが膨らんでしまうことになりかねません。

 ここ数年3%前後のペースで底上げが進んでいる最低賃金(参考に北海道の最低賃金の推移を下図で示しています)と貴社の基本給(時給換算)の差が縮まってきているのならば、社員の離職防止、更なる人材獲得のために時間外手当の減少額などを原資として基本給の改善に手を付けざるを得なくなるでしょう。

 最低賃金については、先日閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針)」に「より早期に全国加重平均が1,000円になることを目指す」と明記されましたので今後の動きには要注意です。

 時間外労働削減の成果はすべて社員にというのが理想ですが、実務上は、各社の現状での労働分配率(人件費/付加価値)を横目に見ながら3つの要素、①時間外労働削減への社員の貢献の評価、②他社に劣らないレベルの賃金面での処遇維持、③独自の処遇改善を考慮して配分額を決めて、3つの手段、①基本給の見直し、②調整給、③賞与を必要に応じて組合わせての支給というのが一つのやり方です。