今回は前回の続きで、法律で列挙されている就業規則の記載事項のうち、その企業で特に定めるときのみ記載する項目(相対的必要記載事項)を見ていきます。

 相対的必要記載事項は8つで、①退職手当、②臨時の賃金等及び最低賃金額、③労働者に金銭的負担を求める場合、④安全衛生関係、⑤職業訓練、⑥災害補償及び業務外の傷病扶助、⑦表彰及び制裁、そして、⑧これまでに列挙した①~⑦以外で事業所の労働者すべてに適用される定めをする場合です。

 ①については、退職金の支給対象者の範囲を定めたうえで、退職金の算出に使う要素(勤続年数、退職理由など)、それらの要素を使った計算方法、支払方法(支払時期も含めて)を一時金払、年金払のいずれにするのかといったことを記載します。また、その会社独自に退職手当の不支給や減額について定めるときにはその理由をあわせて記載します。

 ②のうち臨時の賃金等は、賞与(支払回数が年3回以内のもの)、臨時的、突発的事由に基づいて支払われるものなどを指しています。  

 ③については、会社が提供する食事、作業服や作業用品について労働者に費用の一部負担を求める場合などにその内容を記載します。

 ④について挙げられるのは、安全衛生に関する遵守事項、安全衛生教育、労働者の健康診断、健康診断の結果を踏まえた措置、長時間労働者に対する医師による面接指導、ストレスチェックといったものです。

 ⑦のうち制裁については、けん責、減給、出勤停止、諭旨解雇及び懲戒解雇といった懲戒の種類を記載し、それらの懲戒処分を行う理由を列挙することが求められています。なお、就業規則に記載されていない理由での懲戒処分はできません。

 ここまでで挙げた事項のほかにも、ハラスメントの禁止、個人情報保護、有期契約労働者の無期転換制度、公益通報者保護、最近の新しい動きである副業・兼業の取り扱いなど記載しておいたほうが良いとみられる事項は結構な数があります。

 最後に手続き関係ですが、就業規則を作成又は変更するときに使用者は、労働者の過半数で組織する労働組合(過半数労働組合)、そのような組合がなければ、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)の意見を聴かなければならないとされています。その際に反対の意見が出されても就業規則の効力には影響がないとされていますが、就業規則に記載された事項に関して争いがあった場合にはどうでしょうか?