10 就業規則について見てみる(必要記載事項・手続き)

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 就業規則の記載事項として労働基準法第89条で列挙されているのは11項目です。
 このうち、必ず記載しなければならない項目(絶対的必要記載事項)が3項目、その会社で特に定めるときは記載する項目(相対的必要記載事項)が8項目です。
 以下で、それぞれの項目について見ていきます。

絶対的必要記載事項(3項目)

労働時間

 具体的には、
 ・会社所定の始業及び終業時刻
 ・休憩時間
 ・休日
 ・休暇
 ・シフト制(就業時転換)に関する事項 です。

 「会社所定の始業及び終業時刻」に関連して、フレックスタイム、変形労働時間制、みなし労働時間制などを導入する場合はその内容を記載します。
 「休憩時間」について、労使協定を締結して一斉休憩の原則の適用除外をするとき(※)は、その労使協定の内容を記載します。
 「休日」は、国民の祝日の取扱い、法定休日の振替や法定休日勤務後の代休付与を行う場合はその旨、会社独自の休日などを記載します。なお、法定休日(毎週1回以上)の曜日を特定することまでは求められていません。
 「休暇」は、年次有給休暇の付与(継続勤務期間と年間付与日数など)、年休の計画的付与や時間年休の付与などを行う場合はその内容、会社独自の特別休暇制度がある場合はその内容、産前産後の休業、育児・介護休業などを記載します。
 「シフト制(就業時転換)に関する事項」は、就業番(例:1番、2番、3番)ごとの始業・終業時刻や休憩時間に止まらず、就業番の転換ルール、一般勤務と交替勤務間の勤務形態の変更に関する事項なども記載します。

 ②の賃金関係は、賞与や臨時に払うものを除いたもの(月払、週払の給与など)を対象にして、その決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項を記載します。このうち賃金の支払方法、支払時期については、通貨で直接労働者への支払、毎月1回以上、一定の期日に支払を行うものとすることが法律で求められています。

 ③の退職関係は、自己都合、定年といった退職の方法とその取扱いを記載します。なお、解雇をめぐる紛争を未然に防止する観点から、解雇の事由の記載(例えば勤務態度不良、能力不足など)が求められています。退職手当については、その会社で支払うことを定めている場合にのみ記載する扱いで相対的必要記載事項とされています。
 

相対的必要記載事項(8項目)

 相対的必要記載事項は8つで、①退職手当、②臨時の賃金等及び最低賃金額、③労働者に金銭的負担を求める場合、④安全衛生関係、⑤職業訓練、⑥災害補償及び業務外の傷病扶助、⑦表彰及び制裁、そして、⑧これまでに列挙した①~⑦以外で事業所の労働者すべてに適用される定めをする場合です。

 ①については、退職金の支給対象者の範囲を定めたうえで、退職金の算出に使う要素(勤続年数、退職理由など)、それらの要素を使った計算方法、支払方法(支払時期も含めて)を一時金払、年金払のいずれにするのかといったことを記載します。また、その会社独自に退職手当の不支給や減額について定めるときにはその理由をあわせて記載します。

 ②のうち臨時の賃金等は、賞与(支払回数が年3回以内のもの)、臨時的、突発的事由に基づいて支払われるものなどを指しています。  

 ③については、会社が提供する食事、作業服や作業用品について労働者に費用の一部負担を求める場合などにその内容を記載します。

 ④について挙げられるのは、安全衛生に関する遵守事項、安全衛生教育、労働者の健康診断、健康診断の結果を踏まえた措置、長時間労働者に対する医師による面接指導、ストレスチェックといったものです。

 ⑦のうち制裁については、けん責、減給、出勤停止、諭旨解雇及び懲戒解雇といった懲戒の種類を記載し、それらの懲戒処分を行う理由を列挙することが求められています。なお、就業規則に記載されていない理由での懲戒処分はできません。

 ここまでで挙げた事項のほかにも、ハラスメントの禁止、個人情報保護、有期契約労働者の無期転換制度、公益通報者保護、最近の新しい動きである副業・兼業の取り扱いなど記載しておいたほうが良いとみられる事項は結構な数があります。

 最後に手続き関係ですが、就業規則を作成又は変更するときに使用者は、労働者の過半数で組織する労働組合(過半数労働組合)、そのような組合がなければ、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)の意見を聴かなければならないとされています。その際に反対の意見が出されても就業規則の効力には影響がないとされていますが、就業規則に記載された事項に関して争いがあった場合にはどうでしょうか?