10 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)

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 国税庁のホームページに掲載されている質疑事例です。(最終更新:令和3年5月31日)
 以下で、全13問のうち問7(通信費の業務使用部分の計算例)以外の12問の回答部分を紹介します。
  

問1 在宅勤務手当

〇 実費相当額を清算する方法で支給する場合は、給与として課税する必要はありません。
〇 毎月一定額の渡切り等で支給(在宅勤務に必要な経費として使用しない場合でも返還義務はないもの)した場合は、
  給与として課税する必要があります。
  

問2 在宅勤務に係る事務用品等の支給

〇 企業が所有する事務用品等を貸与した場合は、給与として課税する必要はありません。
〇 事務用品等を支給した(所有権が移転)場合、現物給与として課税する必要があります。
 (配付された事務用品等を使用しなくなったときに返却する場合は、貸与とみて差し支えない。)

   

問3 在宅勤務に係る環境整備に関する物品の支給

 ※ここでいう「物品」は、従業員の自宅に設置する間仕切り、カーテン、椅子、机、空気清浄機など

〇 考え方は「2」に同じ。(( )書きも含む)
  

問4 在宅勤務に係る消耗品等の購入費用の支給

 ※ここでいう「消耗品等」は、マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋など

〇 実費相当額を清算して支給する場合は、給与として課税する必要はありません。
  (マスクなどを企業が直接配布する場合も同様)
〇 あらかじめ金銭を支給して、在宅勤務に必要な経費として使用しない場合でも返還義務はないものした場合などは、
  給与として課税する必要があります。
  

問5 業務使用部分の清算方法

 在宅勤務手当としてではなく、企業が在宅勤務に通常必要な費用を精算する方法により従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はありません。
 その方法としては、次の2つの方法が考えられます。


① 従業員へ貸与する事務用品や環境整備に関する物品等の購入
 イ 従業員に費用の仮払いを行い、従業員が業務に必要な物品等を購入した後、領収証等により清算し、残余金があれば
   返還させます。
 ロ 従業員が、業務に必要な物品等を立替払で購入した後、領収証等を企業に提出して清算払を受けます。

② 通信費・電気料金
 イ 従業員に費用の仮払いを行い、従業員が家事部分も含め負担した料金について、業務使用分を合理的に計算した額に
   より清算して、残余金があれば返還させます。
 ロ 従業員が家事部分も含め負担した料金について、業務使用分を合理的に計算した額を企業に報告して、清算払を受け
   ます。
  

問6 通信費部分に係る業務使用部分の計算方法

 ※5の通信費・電気料金での、業務使用部分の合理的な計算方法です。

① 電話料金
 イ 通話料(基本使用料を除く)
   通話明細書等で確認した業務関連通話の額を従業員に支給する場合は、給与として課税する必要はありません。
  また、業務関連通話が頻繁な場合は、次の【算式1】での算出額を用いても差し支えありません。

 ロ 基本使用料
   次の【算式1】での算出額を業務使用部分として支給する場合は、給与として課税しなくても差し支えありません。

【算式1】
 a=b×c×1/2
  a:業務のために使用した基本使用料や通信料等
  b:従業員が負担した1か月の基本使用料や通話料等
  c:その従業員の1か月の在宅勤務日数/該当月の日数
  係数(1/2):総務省統計による睡眠時間8時間を控除した1日の活動時間(16時間)と法定労働時間(8時間)の比

② インターネット接続に係る通信料
 上記の【算式1】での算出額を支給する場合は、給与として課税しなくても差し支えありません。

 ※従業員所有のスマートフォン本体購入代金、業務使用のためと認められないオプション代などは、給与として課税する
  必要があります。
  

問8 電気料金に係る業務使用部分の計算方法

 次の【算式2】での算出額を業務使用部分として支給する場合は、給与として課税しなくても差し支えありません。

【算式2】
 a=b×c×d×1/2
  a:業務のために使用した基本料金や電気使用料
  b:従業員が負担した1か月の基本料金や電気使用料
  c:業務のために使用した部屋の床面積/自宅の床面積
  d:その従業員の1か月の在宅勤務日数/該当月の日数
  係数(1/2):総務省統計による睡眠時間8時間を控除した1日の活動時間(16時間)と法定労働時間(8時間)の比
    

問9 レンタルオフィス

 自宅に在宅勤務するスペースがない従業員が、勤務時間内にレンタルオフィスなどを利用して在宅勤務をした場合、次の処理がなされているものは、給与として課税する必要はありません。
 イ 従業員に金銭の仮払いを行い、従業員がレンタルオフィス等を利用した後、領収証等により清算し、残余金があれば
   返還させる場合
 ロ 従業員が、在宅勤務に通常必要な費用としてレンタルオフィス代等を立替払して、業務のために利用したものとして
   領収証等を企業に提出して清算払を受ける場合
   

問10 新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる場合のホテルの利用料等

 職場以外の場所で勤務することを企業が認めている場合に、その勤務に係る通常必要な利用料、業務のために通常必要な費用(交通費など)として、次の方法で支給する一定の金銭については、 給与として課税する必要はありません。
(ホテル等に企業が直接支払う場合も同様です。)
 イ (問5の①の方法で)その費用を清算する場合
 ロ 企業の旅費規程等に基づいて支給する場合


 ただし、次の場合は給与として課税する必要があります。
 イ 業務のために通常必要な費用以外のものを支給した場合(自己判断での宿泊料など)
 ロ
 あらかじめ金銭を支給して、在宅勤務に必要な経費として使用しない場合でも返還義務はないものした場合
  

問11 室内消毒の外部への委託費用やPCR検査費用等

 業務のために通常必要な次の費用について、 (問5の①の方法で)その費用を清算する方法で支給する一定の金銭については、給与として課税する必要はありません(委託業者等にに企業が直接支払う場合も同様です。)
  ・在宅勤務 に関連して業務スペースを消毒する必要がある場合の費用
  ・企業の業務命令により受けたPCR検査費用など


 問10のただし書きのイ、ロと同様の場合には、給与として課税する必要があります。
  

問12 在宅勤務者に対する食券の支給①(食券以外の食事の支給がない場合)

※ 質問は、在宅勤務者の昼食補助として、次の①~⑤の条件により支給した食券についてのもの。
  (食券以外の食事の支給はない)

① 毎月7,560円分の食券を従業員に交付するが、その際、従業員はその半額の3,780円を当社に支払う。
② 食券の利用は、従業員が在宅勤務を行う日において、当社が契約した特定の飲食店での飲食又は飲食料品の購入
 (持帰り)でのみ利用可能(勤務日以外の利用や、アルコール類、飲食料品以外のものへの利用は不可 )とする。
③ 食券の利用は、当社の従業員本人の食事代のみについて利用可能であり、従業員の親族等に係る食事代への利用
 は不可とする。また、食券を他人へ譲渡することを禁止する。
④ 食券の利用は、1回2,500円までとする。また、実際に要した食事代金が、食券の額面に満たない場合であって
 も、釣銭を受け取ることはできない。
⑤ 毎月交付された食券の未使用分については、翌月以降に繰り越して使用することができる。また、食券の利用可
 能期間は、交付日から1年とする。

    

 企業が従業員に食事の支給をする場合(問12では食券の支給のみ)に、次のいずれにも当てはまる場合は、 その従業員が食事の支給により受ける経済的利益はないものと取り扱うこととしています(所得税基本通達 36-38の2)。
 イ その従業員から実際に徴収している対価の額がその食事の価額の50%相当額以上であること
 ロ 企業の負担額(食事の価額 からその実際に徴収している対価の額を控除した残額)が月額3,500円(消費税及び地方

   消費税(以下「消費税等」という。)の額を除く。)を超えないとき
(問12の食券の支給(質問文の条件①)は、上記イ、ロのいずれにも当てはまります。)

 所得税基本通達 36-38の2の取扱いは、日々の昼食等に対する補助を目的とするものであるため、食券の未使用分を繰り越して、一度に多額の食事をするためにその食券を利用する場合には、同取扱いの趣旨に反するものと考えられます。
 問12の食券の支給は、②から⑤までの条件が満たされれば、その食券の支給は食事そのものを支給した場合と同視することができるものと考えられます。


 よつて、問12の食券の支給については、給与として課税する必要はありません。 

食事の支給

 企業が従業員に対して、契約業者から購入した弁当を提供することや、社員食堂で食事を提供することなど。なお、「食事の補助」(現金支給)は、給与とみなされ、所得税の課税対象となります。

食券の利用に係る「消費税等の額を除いた企業の負担額」の計算

 軽減税率(8%)の適用があったときの食券の利用と、標準税率(10%)の適用があったときの食券の利用とに区分して計算する必要があります。

所得税基本通達36-38の2

 使用者が役員又は使用人に対し支給した食事(36-24の食事を除く。)につき当該役員又は使用人から実際に徴収している対価の額が、36-38により評価した当該食事の価額の50%相当額以上である場合には、当該役員又は使用人が食事の支給により受ける経済的利益はないものとする。ただし、当該食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額3,500円を超えるときは、この限りでない。(昭50直法6-4、直所3-8追加、昭59直法6-4、直所3-7改正)

  

問13 在宅勤務者に対する食券の支給②(食券以外の食事の支給がある場合)

※ 質問は、在宅勤務者の昼食補助として、次のとおりとした場合の取り扱いについてのもの
 ・在宅勤務日は、問12と同条件の食券を支給する
 ・出勤日は、会社が契約業者から購入する弁当をそのまま支給する
 ・一の従業員について、従業員からの徴収額は食券・弁当の価額の50%であり、会社の負担額は税込3,750円

  

 問13のケースでは、従業員からは、食券の額面金額及び弁当の価額の50%相当額以上を徴収しており、また、消費税等の額を除いた企業の負担額は月額 3,500 円を超えていないため、所得税基本通達 36-38の2で示す要件を満たしています。
 また、問12と同様の理由で、食券の支給は食事そのものを支給した場合と同視することができるものと考えられます。

 このため、問13の食券及び弁当の支給については、従業員に対する給与として課税する必要はありません。

消費税等の額を除いた企業の負担額が月額3,500 円を超えた場合

 その月中に支給した食券及び弁当に係る企業の負担額の全額について、従業員に対する給与として課税する必要があります。