7 労働時間の把握方法について(ガイドライン関係)

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 中小企業にも時間外・休日労働の上限規制が適用されるようになったこともあり、労働時間を把握する仕組みをいま一度確認しておく必要が生じています。
 労働時間の把握方法については、2017(平成29)年に厚生労働省から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が示されています。
 ガイドラインでは最初に、労働者が労働時間を自己申告する仕組み(自己申告制)がその不適切な運用などにより法違反となる長時間労働や割増賃金未払いにつながっている状況が見られることを問題視した上で、適用となる事業所や労働者の範囲、労働時間の考え方、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置の3つについて述べています。
  

ガイドラインの対象について

 事業所としては、労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用される全ての事業場、労働者としては、以下の2つを除くすべての労働者としています。
 ・労働基準法第41条に定める者
 ・みなし労働時間制が適用される労働者
  (事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る)

 また、ガイドラインが適用されない労働者についても、健康確保を図る必要から、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があることとしています。これは、労働安全衛生法の「労働時間の状況の把握」を念頭に置いたものです。この状況把握は、月80時間超の時間外・休日労働時間数を行った労働者への労働時間に関する情報の通知義務、そして、医師の面接指導の対象とすることにつながっているものです。
  

労働時間の考え方

 そして、労働時間について、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義しています。また、「使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」とも言っています。
  

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置

 使用者に対しては、労働時間の適正な把握のため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録しておくことを求めています。
 その確認の方法については、
 ①使用者自らによる現認(直接その場で確認すること)
 ②タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的記録を基礎として確認することの2つが原則的なものとして示されています。確認内容の信頼性の点からは、①の現認が最も優れていますが、実務上この方法によることが難しい企業は多いものと考えられます。
 原則の方法を採用できずにやむを得ず自己申告制で確認を行う場合については、使用者が講じるべき措置が次の5項目示されています。 実務上は、事業所内での労働についての自己申告制採用のハードルはこれまでより確実に上がっています。

 ・自己申告を行う労働者に対する正しい労働時間の記録、適正な自己申告などについての十分な説明
 ・実際に労働時間を管理する者(管理権限を持つ役職者など)に対する自己申告制の適正な運用を含
  めた講じるべき措置の十分な説明
 ・自己申告と実際の労働時間が合致しているかどうかを確認する実態調査を必要に応じて実施するこ
  となど
 ・「自己申告時間<事業所内にいる時間」となった場合の理由の報告を労働者に求める場合には、そ
  もそも報告が適正なのかを確認すること
 ・自己申告時間に上限を設けるなど労働者からの適正な自己申告を阻害する措置を講じないこと

 これらの措置とは別に事業者に課される義務として、賃金台帳への労働日数及び労働時間数(休日、時間外、深夜別も含む)の適正な記入、労働時間の記録に関する書類の3年間保存の2つがあります。このうち、賃金台帳について未記入や故意に虚偽の内容の記入があった場合には、罰則の対象(30万円以下の罰金)となります。