4 特定理由離職者

 雇用保険の「特定理由離職者」区分では、契約の更新がないことにより離職した者(雇止め)と正当理由離職者に該当する方を対象として、

 〇 受給資格要件の緩和として、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月あれば受給可能
 〇 給付制限期間はなし
という取り扱いをしています。

 この取り扱いは、倒産や解雇による離職者を対象とした特定受給資格者と同じ内容です。

 加えて、契約の更新がないことにより離職した方について、基本手当の給付日数が特定受給資格者と同じ90~330日に暫定的に拡充されています。(※1)
 この暫定的な拡充措置は、2009年の雇用保険法改正で特定理由離職者区分が創設されて以来続いているものです。

 現在、国会に提出されている法案(雇用保険法等の一部を改正する法律案)が成立して、公布、施行されれば、2025年3月末(令和6年度末)まで延長されます。

 (※1) 30歳未満・被保険者期間1年以上5年未満の方のみ、一般受給資格者と同じ(90日)

 以下で、特定理由離職者の要件を、契約の更新がないことにより離職した者と正当理由離職者それぞれについて見てみます。

【契約の更新がないことにより離職した者】

 有期労働契約の期間が満了し、更新されなかったこと(雇止め)により離職した方で、次のイ、ロのいずれにも該当することが要件です。

 イ その有期労働契約で更新または延長が可能性としてあることは明示されている(例:契約を更新する(しない)場合

  がある、○○○の場合は契約を更新するなど)が、実際に更新または延長することまでは確約されていないこと
  (更新することが確約されていた(契約締結時に明示されていた)場合は、特定受給資格者となります。)

 ロ 自ら更新または延長を希望したものの、それらについて合意できなかったこと

 ですから、その有期労働契約で「契約の更新なし」など契約の更新がないことが明示されている場合は、特定理由離職者に該当しません。
 なお、上記イ、ロのいずれも満たす方のうち、有期労働契約を更新して3年以上継続雇用されている方(※2)は、特定受給資格者となります。


 (※2) 定年退職後の再雇用で契約更新の上限が定められている場合などあらかじめ定められていた再雇用期限による
    ものは除く。
  

【正当理由離職者】

 自己都合退職した方が、以下のいずれかに該当する場合です。

 イ 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により退職した方
 ロ 妊娠、出産、育児等により離職した後、基本手当の受給期間延長措置を受けた方

 ハ 家庭の事情が急変したことにより離職した方
   具体的な理由としては、
  ・父もしくは母の死亡、疾病、負傷等で、父もしくは母を扶養する必要が生じたため
  ・常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のため

 二 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となった方

 ホ 通勤不可能又は困難となった方
   具体的には、次の理由により、通勤困難(通常の方法による通勤での往復所要時間がおおむね4時間以上など)とな

  った場合が該当します。
  ・結婚に伴う住所の変更
  ・育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用または親族等への保育の依頼
  ・事業所の通勤困難な地への移転
  ・自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
  ・鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
  ・事業主の命による転勤または出向に伴う別居の回避
  ・配偶者の事業主の命による転勤や出向または配偶者の再就職に伴う別居の回避

 へ その他、企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した方(以下の該当するものは除く)など
  ・人員整理等に伴う退職勧奨などを受けて離職した場合
  ・人員整理を目的とした希望退職制度で、導入時期が離職者の離職前1年以内、その募集期間が同3か月以内であるも

   のに応募して離職した場合