19 副業・兼業解禁について

しんどうコンサルコラム/働き方改革///
  1. ホーム
  2. しんどうコンサルコラム
  3. 19 副業・兼業解禁について

 世間一般では、副業・兼業解禁といわれていますが、そもそも、民間企業に勤務する方の副業・兼業の可否に触れた法律はありませんでした。公務員に関しては、国家公務員法での私企業からの隔離などの規定はありますがあくまでも公務員限定の話です。

 副業・兼業の歯止めの一つであったのが、厚生労働省の「モデル就業規則」ですが、そこでは、副業・兼業についてこれまで以下のとおり規定されていました。

 そこから副業・兼業解禁に舵が切られたきっかけは、現在進行中の働き方改革です。政府は、平成29(2017)年3月に働き方改革実行計画を決定しましたが、働き方改革を進める上では、柔軟な働き方がしやすい環境を整備することが重要として、テレワークと副業・兼業に注目しました。そして、それらについての検討会を厚生労働省が実施して、「 副業・兼業の促進に関するガイドライン(案) 」「 モデル就業規則改定(案)(副業・兼業部分) 」を含んだ検討会報告書を平成29年12月に公表しました。

 モデル就業規則改定(案)では、副業・兼業の規定が新規追加され、これまで第11条にあった副業・兼業の規定は削除されました。

 この公表を契機にして、企業が競うように解禁したかというとまだそうではありません。

 その一例として、リクルートが平成30(2018)年10月に公表した「兼業・副業に関する企業の意識調査(2018)」では、兼業・副業を推進もしくは容認している企業は全体の28.8%に止まり、将来的に兼業・副業を認めることを検討していない企業が59.5%という結果が出ています。

 その理由の一つが、副業・兼業を認めるにあたって企業がリスクになると感じていること、具体的には、①長時間労働による労務提供への支障、②企業機密漏洩のリスク、③会社の名誉や信用を損なう行為などの可能性、④競業により損害を受けることの4つについて、国のガイドラインだけでは明確でないところが多く残されていることです。国もその点は問題と捉えて検討を進めていますが、結論が出されるにはまだ多少時間がかかりそうです。

 また、企業にとっての具体的なメリットが今一つはっきりと見えず、容認に伴う手間とリスクの方がまだ優っていると見られがちなところがありますし、現時点で容認していない企業の中には、リスクになる点について国が明確に示すまで静観するというところもある程度の数あると考えられます。その一方で、副業・兼業に大きなメリットを独自に見出して他の企業には構わずに積極的に推進していく企業もあり、その反対にそもそも全く考慮に値しないと切って捨てる企業も入り混じっているというのが現状です。

 このような状況ではありますが、国による環境整備が進んで動き始めると意外と早いのかもしれません。