1. ホーム
  2. 人事評価 NEW

 
 人事評価制度のメリットが大きくなるのは、どのような組織や会社かといえば、次のような状況にあるところということになります。

・中途採用・新卒採用が混じりあっている社員・組織員構成である
・複数の労働形態(時間・日数)の社員が混在している 

・会社や組織に人材育成のサイクルを根付かせたい
・経営者の対内的な人事労務業務の負担を軽くして、採用などの対外的な業務に入れたい

・事業承継が近づいているが、これまでは経営者が評価や賃金決定を行っていた
・会社や組織の合併をしたり事業譲渡を受けたとき 
   

 逆に、ごく少人数で仕事も長らく変わっていない、完全家族経営もしくは数十年勤めあげて後はその方の縁故採用というサイクルで動く会社や組織では、人事評価制度のメリットはそう大きくないといえます。
 
 当オフィスの人事評価制度の構築・運用サポートの説明に続いて、みなさまのご参考に人事評価制度についてのQ&Aを掲載しています。
  

  当オフィスの人事評価制度の構築・運用サポート

 当オフィスでは、人事評価についてのよくある疑問や問題点などへの対策を取りつつ、人事評価制度の構築・運用サポートをしております。
 ここで、サポートメニューを2つ紹介させていただきます。

■「仕事基準での評価システム」の導入・運用

 最初に、グレードの数や役職との対応といった人事制度の枠組みを決定したうえで、会社や組織での具体的な仕事を洗い出し、仕事ごとの評価基準とグレードごとに求められる能力水準を整理してルーブリック(評価表)にまとめていきます。この作成作業に社員や構成員を参加させることで、現場での仕事により合ったものを作り、評価システムへの納得性を高めることができます。そして、評価期ごとに会社や組織の目標、ルーブリックの仕事から社員や構成員がそれぞれの目標を設定します。
 評価の基準は、ルーブリック(評価表)での職務評価、目標達成、意欲評価といったものになります。また、ルーブリックに掲載された仕事をどれだけ経験して、どのレベルに至ったかが上位グレードへの昇格の基準となります。社員や構成員から見て、経験し習得するべき仕事とそのレベルが見える化されていますので、それぞれの目標設定と自発的な取り組みを促すことになります。

■「キャリアパスから始める人材育成型評価システム」の導入・運用

 最初に、新入スタッフから役員までの各ステップを通して、役割や責任、業務やコンピテンシーなどから成るキャリアパスを固めることで、その企業や組織での成長の道筋を示します。これが、社員や構成員それぞれの目標設定と可能性の引き出し方を考えるベースとなります。
 そして、半年ないしは1年スパンでの評価基準は、目標達成、能力(コンピテンシー)、価値観(コア・バリュー)の3つです。評価とフィードバックでの支援の組み合わせを続けていくことで、目標設定と達成への取り組みのサイクルが定着して、それぞれの意欲と能力向上、そして成果につながっていきます。

 当オフィスの人事評価制度の構築・運用サポートについて関心がおありで、ご許可をいただけましたら、
このページでのお話より詳しい資料をお手元に郵送でお送りいたします。
 ご連絡は、お電話(011-374-7442)もしくは、お問い合わせフォームからお願いいたします。
                             

  人事評価制度とは? その導入の目的は?

 企業や組織がそれぞれの考え方によりあらかじめ定めた基準に基づいて、公正に社員や組織員の評価を行う仕組みのことです。
 その評価の基準に置くものについては、仕事、能力、コンピテンシーなどがあります。

 その評価結果により、社員や構成員それぞれの貢献に応じた適正な賃金水準とすることが目的の一つです。
 そして、評価の結果が、給与・賞与などの報酬面の査定にとどまらず、人材育成に活用されることで社員や構成員の能力や意欲を向上させていき、企業や組織の強化を通じて業績の拡大につなげることができます。導入する大きな目的はここにあると考えます。
 2021(令和3)年4月からパート・有期雇用労働法が中小企業にも適用されて同一労働同一賃金への流れが強まっていきますが、人事評価制度導入の目的が賃金面での対応に偏ってしまうのは勿体ないのでは考えます。

  いわゆる「〇〇給」とは?

 賃金決定の方式のことで、日本の企業での主なものは次のとおりです。
(以下の内容解説は、「第7版人事労務用語辞典」(日本経団連出版)による)

①職務給

 職務そのものの難易度、責任の度合いなどを評価し、職務によって賃金を決める方式。
主に管理職クラスに適用される場合が多い役割給は、職務給の一種です。

②職能給

 職務遂行能力-職務を遂行するために必要な能力-に対して支払われるもの。

③総合決定給

 日本における最も伝統的な形です。複数の賃金決定要素-年齢、勤続、学歴、職務、能力、仕事、人柄など-を総合的に勘案して賃金決定を行う。それぞれの要素があいまいのまま混合されており、論理性が薄く、説得性も弱い。

④業績給(成果給)

 労働者個人または部門の業績や出来高に応じ、労働の量的成果、質的成果と関連させて支払われるもの。

  過去に人事評価表と賃金テーブルを導入して続かなかったが?

 このような結果に至る原因として考えられるのは、次のようなものです。

➤制度を導入して運用開始した時点で、発注先との関係が終了して、実際の運用で発生する問題のケアを受けられなかった。

➤制度構築の過程での発注者(利用者)側の関与が少なく、発注先任せになりがちであった。

➤導入後1~2年はそれなりに使えたが、日常業務で余裕がなく、制度のメンテナンスをしないうちに、次第に使えないものとなってきてしまった。

➤これまで、人事評価制度を導入していなかった会社で、目標管理制度を一気に導入した。

➤人事評価表と賃金テーブルは整備したが、人事評価での目標の立て方や評価結果の活用といったところで人材育成につながる運用をしていなかった。

➤制度構築がほぼ終わった段階で、社員に制度を導入することを伝え、説明会後間もなく運用を開始した。
                                       など

 もし、これらに当てはまるものがあれば、まずその点にフォーカスして改善できるかどうかから人事評価制度の手直しが始まります。

  労働関係の法律での賃金の決め方に対するスタンスは?

 短時間勤務のパート社員や有期契約社員の給与に関しては、パート・有期雇用労働者法第10条が参考となります。
 
 ここでは、それらの社員の賃金について、「職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、…‥決定するように努める」としています。その他の就業の実態に関する事項として勤続年数が挙げられていますので、基本給の決定に用いる基準となる職務、役割、職能、業績・成果、年齢・勤続はカバーできています。
 
 法律の解釈通達(※)では、法第10条で挙げた前記の勘案する要素について、どの要素によることとするかは各企業の判断に委ねられるものとしています。ただ、その前提として、法でいうところの均等待遇、均衡待遇に合うものとして説明できることが求められているといえます。

(※)短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について

(参考)パート・有期労働者法第10条

 事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。次条第2項及び第12条において同じ。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)を決定するように努めるものとする。

  現実的に見て同一労働同一賃金に対応できる「〇〇給」は?

 私見も入りますが、①職務給、②仕事ベースの職能給、③役割給などが考えられます。
そして、年齢、勤続年数といった要素は、その会社の事業の特性(経験年数とスキルアップの関係)、人事労務政策、社員の納得性、同一労働同一賃金との関係などを考慮したうえで、給与決定に取り入れる余地があるものと考えられます。

  中小企業(特に50人以下)での人事評価制度構築で留意する点は?

 私見も入りますが、次のようなことがいえると考えています。

【制度の導入・運用開始と制度の完成は別】
 制度の導入・運用開始は始まりであり、制度の完成ということにはならないです。
 運用開始後に出てくる疑問や問題点を解決し、改善していくことで、評価制度はより使えるものになっていきます。

【人材育成に活かせるようにする】
 評価してランク付け、ポイント化して給与・賞与その他の待遇に反映させるところで終わっていまうと、たまたま低い評価となった社員・構成員の不満がそのままになり、かえってモチベーションを下げることになってしまいます。
 低評価を繰り返さないための目標設定とフォローを組むこむこと、従業員ごとに将来のイメージ(やりたい仕事・就きたい職位など)とそこに至るルートを明確にしておくことが必要です。

【人事評価を仕事として評価する】
 人事評価自体から直接目に見える形での売上や利益増加といったものにつながらないことから、人事評価は本筋の仕事ではない、余分な手間がかかる作業と見られがちなところがあります。
 人材育成にも活用していくのであれば、会社や組織のトップが、人事評価を仕事として明確に位置付け評価することを示すことが必要です。
 
【制度の運用や改善に使えるリソースを考慮する】
 例えば、人事労務の専担者がいなかったりいても少数である、評価に携わる役職者もプレイヤーであるといったように、制度の運用や改善に使えるリソースが限られている場合は、できるかぎりシンプルな制度にしていくこと、丸投げにならない範囲でのアウトソーシングなどを検討します。

【これまでの経営者による評価との関係】
 これまで人事評価制度がなく主として経営者が評価を行ってきた場合にも、これまでの方法と評価を第三者的な視点で分析して、取り入れるべきところは取り入れることです。主観的な評価であったことと、その企業における妥当性、従業員の納得性はあくまでも別のことです。